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オタール・イオセリアーニ映画祭

この度、『月曜日に乾杯!』『皆さま、ごきげんよう』などを手掛けた名匠オタール・イオセリアーニの劇場初公開作品を含む全監督作21本をデジタル・リマスター版にて、2月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムにて一挙上映となりました。

そして!

今回が劇場初公開となります『そして光ありき』の本編冒頭映像と場面写真、そしてオタール・イオセリアーニ監督のコメントを解禁。

冒頭シーン到着

この度解禁されたのは、全編アフリカ・セネガルで撮影された異色作『そして光ありき』冒頭シーン。本作では、セネガルの部族ディオラ族の生活と白人の森林伐採による生活の侵食が描かれている。
映像では、アフリカのある部族の住む地域で木が伐採され、運ばれていく。その後、新聞や雑誌の販売、靴磨き、服の生産が行われる街の姿に、優雅な音楽とともに映像が 切り替わる。街で靴を磨き、雑誌を購入した男性は、伐採した木を積み込んだ車に乗り込み、木々は船に乗せられ輸出される。その後ヘリコプターで男性は移動し、原題「ET LA LUMIERE FUT」(そして光ありき)が映し出される。

場面写真

また、ディオラ族の生活や慣習がわかる場面写真も解禁となった。
ワニに乗り、水上を移動する女性や、そして光ありき

日課である全員で日の入りを見る姿が映し出されている。そして光ありき

さらには、首が取れた男性を元に戻す儀式の画像も解禁となった。そして光ありき

彼らの生活が、白人により侵食され変化していく姿は、他の監督作品同様イオセリアーニらしい眼差しで描かれており、要注目だ。

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イオセリアーニコメント

「映画は会話(セリフ)がなくても伝わるものだ」

ノンシャランと笑い飛ばすイオセリアーニ流に描かれた

侵略の物語は、現代社会にも通ずる今こそ観るべき作品

監督は本作の演出方法に対し、「ディオラ族の礼儀や慣習に反することは絶対しなかった」と語っている。また、「例えば、息を吹きかけ嵐を起こすことや首を切り離された人間が元に戻ることなどは、どれもアフリカの民話に実際登場するので、奇妙なことははじめから何もない。彼らの生活を描くことで、強烈に明確な表現で観客との会話を可能にした。映画は会話(セリフ)がなくても伝わるものだ。私に言わせてみれば、映画の最後の手段であり、良い作品には会話なんて必要ないんだ。」とも語っている。

実際に本作では、彼らの会話(セリフ)がほとんど訳されることはないが、観るものには何が起きているかしっかりと伝わってくる。また、アフリカで撮影された異色作ではあるが、白人によって村人たちの生活が侵食される物語は、イオセリアーニ監督自身が故郷ジョージアで体験し、ひいては現代の社会情勢を想起させる。本作でも、言葉や文化が異なるアフリカで撮影されているが、寓話的にノンシャランと笑い飛ばすイオセリアーニ流に描かれている部分は変わらない、今こそ観るべき作品である。

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一挙上映

デジタル・リマスター版で待望の一挙上映!

長編は、1作目にしてジョージアでは公開禁止となったがカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞した『落葉』をはじめ、各国でロングランヒットとなった『素敵な歌と舟はゆく』や、ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(監督賞)を受賞し世界の名匠としての地位を確立した『月曜日に乾杯!』、またレトロスペクティブが開催され、再評価が高まるピエール・エテックスや、『アメリ』などジャン=ピエール・ジュネ監督作品でおなじみのリュファスが出演していることも話題となった集大成的傑作『皆さま、ごきげんよう』など。
さらに、ウェス・アンダーソン監督作常連のマチュー・アマルリックの役者デビュー作となった『月の寵児たち』、全編アフリカ・セネガルで撮影が行われた『そして光ありき』がこの度日本初上映される。いずれもヴェネツィア国際映画祭にて審査員特別大賞を受賞した作品だ。
そのほか、本国ジョージアにて上映禁止を受けたものの、2000年にはカンヌ国際映画祭で復元版による特別上映が行われた中編『四月』、ジョージアの映像資料を用いて歴史・文化を紹介した三部構成となる日本初公開のドキュメンタリー三部作『唯一、ゲオルギア』なども上映。
ノンシャランと笑い飛ばし、自由で独創性あふれる作品づくりで世界中の映画ファンを魅了し続けているオタール・イオセリアーニ監督の全作品に触れられる貴重な映画祭となっている。混沌とした現代だからこそ、反骨精神たっぷりのユーモアとちょっとした幸福をぜひ体感してほしい。

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映作品一覧

<長編12本>

『落葉』
『歌うつぐみがおりました』
『田園詩』
『月の寵児たち』 *劇場初公開
『そして光ありき』 *劇場初公開
『蝶採り』
『群盗、第七章』
『素敵な歌と舟はゆく』
『月曜日に乾杯!』
『ここに幸あり』
『汽車はふたたび故郷へ』
『皆さま、ごきげんよう』

<中編3本>

『四月』
『エウスカディ、1982年夏』 *劇場初公開
『トスカーナの小さな修道院』 *劇場初公開

<短編5本>

『水彩画』 *劇場初公開
『珍しい花の歌』 *劇場初公開
『鋳鉄』
『ジョージアの古い歌』
『ある映画作家の手紙。 白黒映画のための七つの断片』 *劇場初公開

<3部作 ドキュメンタリー>

『唯一、ゲオルギア』(3部作)*劇場初公開

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「オタール・イオセリアーニ映画祭 〜ジョージア、そしてパリ〜」

Twitter:@Otar_2023

2月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムにて劇場初公開作品含む全監督作21本一挙公開

監督:オタール・イオセリアーニ
協力:ジョージア映画祭 
配給:ビターズ・エンド

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