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配信番組「活弁シネマ倶楽部」『土を喰らう十二ヵ月』の中江裕司監督が、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に初登場。 番組MCを文筆家の折田侑駿が担当し、企画の成り立ち、主演の沢田研二のキャスティングの経緯や現場での様子、料理研究家・土井善晴が関わったという映画内の“料理”の存在についてまで語っています。 折田が「すごく懐かしさを感じる映画でした。劇中に登場する自然の風景や日本家屋もそうですが、やっぱり、土のあの匂いです。大人になればなるほど、どうしても“土”に触れる機会は減りますし、触れることがあったとしても、その香りを感じるほどの余裕がない。この作品は、自分たちが当たり前に踏みしめている“土”、大自然との向き合い方、暮らしが大切に切り取られていてすごく良かったです」と感想を述べるところからスタート。まず企画の経緯についてたずねると、「2019年に公開された『盆唄』という作品の制作中に、現実逃避のために新宿に出かけ、本屋さんで本を物色していると、水上さんの『土を喰ふ日々』が平積みになっていて。僕は高校生か中学生くらいのときから、水上さんの小説を読んでいました。だけど、この本は知らなかった。それで手に取って読んでみたら、すごく面白かったんです。水上さんが山で暮らして、子どものときに禅寺で修行していたときに学んだ精進料理を60歳を超えてから作ってみたと。そのときの感触であったり、食との向き合い方みたいなことが一月ずつ綴られています。エッセイですから物語はありませんが、水上さんの人生が匂い立つのを感じました。水上さんをモデルにしたツトム像が本当に面白くて、すぐに書き始めましたね」と語る中江監督。企画が始動する前に、脚本を書き上げたらしい。 主演の沢田のキャスティングの流れに関しては、驚きの経緯を明かしている。「主人公のツトムは60代後半の人物ですが、色気がある方じゃないと務まらないと思いました。そこで、日本でもっとも色気のあるこの年代の方は誰かといえば、やはり沢田研二さんですよね。先日亡くなられた、僕の育ての親のような存在であるプロデューサーの佐々木史朗さんに相談し、お会いさせてもらえることになりました。そこで、沢田さんの方から『僕をオーデションしてくれないか』と言われたんです。とはいうものの、オーデションされるのはこっちだと思っていました。でも、違ったんです。『私の姿をよく見てください。昔の沢田研二を期待して来られていると思いますが、いまの私はこんな姿です。これでいいですか?』とおっしゃられた。『いまの姿を画面にさらしたいと思っています』とも口にしているのに対して、すごい覚悟だなと。とても誠実な方です。ぜひともお願いしたいと思いました」と語る監督。続けて現場での沢田の様子にも言及しています。 さらにこのトーク内では、土井善晴とのやり取りまで詳らかに明かしている。映画ファンのみならず、食に関心のある方や、自然を愛する方にとっても必見の収録回となっています。 |
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■活弁シネマ倶楽部■
活弁シネマ倶楽部 公式HP: 活弁シネマ倶楽部 公式ツイッター: |
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『土を喰らう十二ヵ月』新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座他にて全国公開中! https://tsuchiwokurau12.jp |
出演:沢田研二 松たか子 西田尚美 尾美としのり 瀧川鯉八 / 檀ふみ 火野正平 奈良岡朋子
監督・脚本:中江裕司 原案:水上勉 『土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―』(新潮文庫刊) 『土を喰ふ日々 わが精進十二ヶ月』(文化出版局刊)
料理:土井善晴 音楽:大友良英
製作:『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会
配給:日活 制作:オフィス・シロウズ
©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会