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ロングラン上映御礼舞台挨拶

超高齢化社会に対応すべく75歳以上が自ら生死を選択できる制度<プラン75>が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿を描いた衝撃作『PLAN 75』。

興行収入は3.3億円を突破し、公開から5ヶ月経った現在も全国でロングラン上映を続け、大ヒットを記録中。この度、10月31日で新宿ピカデリーにて、【ロングラン上映御礼舞台挨拶】が行われ、倍賞千恵子演じるミチと交流する<プラン75>の申請窓口で働く市役所職員・岡部ヒロム役を演じた磯村勇斗、早川千絵監督が出席した。
『PLAN-75』ロングラン上映御礼舞台挨拶
日付:10月31日
会場:新宿ピカデリー
登壇:磯村勇斗、早川千絵監督

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磯村勇斗、早川千絵監督登壇

公開記念舞台挨拶を行った6月18日(土)以来の新宿ピカデリーでの舞台挨拶となったことを受け、早川監督は「新宿ピカデリーでの再上映、そして観に来て下さるお客様にほんとうに感謝しています」とはにかみ、磯村も「『PLAN 75』が長い間、各地の映画館で上映され、世界にも旅立って、そしてこうやって新宿ピカデリーで凱旋上映できることを自分自身も嬉しく思っています。ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えた。

公開から延べ全国200館以上の劇場や海外の映画祭、世界各国でも上映されている本作。改めて観客の反応を尋ねられた早川監督は「海外の映画祭や上映にもいくつか立ち会ってきたのですが、観てくださった方々の熱量がすごく強く、上映後に感想を伝えてくれるのが印象的です。自分の両親や祖父母のことを思い出したとか、自身がどうやって両親を看取ったかなどを交えてお話してくださる方も多く、海外だから違う感想というよりは、日本と変わらないです。世界の国々も日本と同じような問題を抱えているんだなと思いました」と振り返った。磯村も「他の作品のスタッフさんも多くご覧になってくださっていて、倍賞さんと同世代ぐらいの方からは自分のこれからを考えてしまったとか怖いという感想もありましたが、この作品を観れて良かったという方が多かったので嬉しいです」と周囲の反響の高さを喜んだ。また、台湾では磯村のファンが集い、映画館を貸し切って上映したという話題に及ぶと、磯村は「サプライズで登場したいな」と嬉しそうに笑顔を見せた。

SNSで質問を募ったところ、磯村が演じたヒロムの行く末を気にする声が多く集まったことを受け、磯村は「演じている最中はヒロムがどうなっていくのかという余白の部分は考えていなかったです。でも、出来上がった作品を観て、ヒロムの今後っていうのは自分の中でイメージが付きました。彼にとっては大きな革命を起こしたつもりだけど、実際は何も変わらない未来しか待っていないんじゃないかな」と自身の見解を明かした。また、ヒロムと伯父・幸夫が食堂で食事をするシーンで“お酒ください”と注文することに質問が及ぶと、早川監督は「“お酒”という言葉の響きが良いと思って、敢えて、そのように脚本を書いたと思います」と説明。磯村も「僕も監督になぜ“お酒”なのかを尋ねたんです。ビールとか熱燗とかじゃないのかと気になったのですが、元々あのお店のメニューの貼り紙に“お酒”と書かれていたので納得しました」と撮影時を振り返る。また、食事のシーンでは、幸夫を演じた・たかお鷹の食べっぷりが良かったことも明かされ、磯村は「僕自身は重たい空気の中、食が進まなかったのですが、たかおさんが納豆をかき混ぜる仕草やすする時の音が印象的でした」と明かすと、早川監督は「幸夫にとっては“最後の日常”なので、日常的な風景にしたかった。お店の台所で作業する音や外から聞こえてくる電車の走る音などは生きている間にだけ聞こえる音。ヒロムと幸夫が、もしかしたら昔に行った食堂の風景はこんな感じだったのではないかと想起できるように意識しました」とシーンに込めた想いを教えてくれた。また、磯村は「伯父さんが吐くシーンでは、たかおさんが“さっき納豆を食べたから、もっと茶色い方がいいんじゃないか?”とこだわっていたのも印象に残っています」と撮影時のエピソードを披露。

セリフや脚本づくりでこだわった部分を尋ねられた早川監督は「脚本で字面だけ読んでいると、なんとなく言葉で説明しなくちゃいけないような気になるのですが、映像で伝わることってすごく多いと思うんです。それを意識して、要らない言葉をどんどん削っていきました」と説明。そぎ落とされた脚本の場合、監督とどのようにイメージを共有していったのかと問われた磯村は「シーン毎にヒロムの気持ちや彼が置かれている状況については、その都度、監督と話し合って確認できていたので、脚本に書かれていないことは現場で埋められたと思います。ただ、本作の脚本に関しては、たしかにセリフの量は少なくて余白が多かったですが、人物の行動などがしっかりとト書きに書かれていたので、十分にこのシーンで何を表現したいのかが分かるものでした。そういった脚本はなかなか無いので、最初からイメージがしやすかったです」と語った。
また、海外で活躍するカメラマン・浦田秀穂について、「現場ではあまりお話する機会はなかったのですが、浦田さんの画作りや現場での姿勢、アイデアのチョイスの仕方に惚れました!人としてもカメラマンとしてもすごい魅力的な方。クランクアップ後に連絡先を交換して、デートみたいな感じで一緒にお食事をさせてもらいました(笑)」とキラキラした目で語り、「カメラマンが画角の中で役者にどう動いて欲しいかや海外のキャストはこういうことを意識してカメラの前に立っているのか等の話が聞け、勉強になりました」と教えてくれた。自身がもし映画を監督する機会があれば、「何かあったら呼んでくれよとも言っていただいたので、是非!」と笑顔をのぞかせた。

最後に磯村は「『PLAN 75 』がこうやって長い間上映され、この作品に自分も携われて得るものも多かったです。社会にとっても、そして映画界にとっても希望のある作品になったのではないかなと思っています。本日はご覧いただき、ありがとうございました」と感謝のメッセージを送った。続いて監督は「『PLAN 75』は特に映画館で観ていただきたい作品だと思っているので、こうやって皆さんが映画館に足を運んで来てくださったことが嬉しいです。ありがとうございます」と締めくくり、舞台挨拶は盛況のうちに幕を閉じた。

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『PLAN 75』

公式サイト:
@plan75/

Twitter:
@/PLAN75movie 
#PLAN75

第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門正式出品され、カメラドール特別表彰を授与された映画『PLAN 75』が、6月17日(金)より新宿ピカデリー、ユーロスペースほか全国90館で公開され、各地で満席の回が続出、興行収入は3.3億円を突破し、公開から5ヶ月経った現在も全国でロングラン上映を続けている。

全国的に根強く動員を伸ばし、11月1日(火)時点で、公開劇場は延べ203館になり、先月21日(金)より新宿ピカデリーで再上映中。また、30カ国以上で映画祭への出品や劇場公開も決定している。尚、本作は、第95回米国アカデミー賞®国際長編映画賞(旧外国語映画賞)部門の日本代表に選出されており、世界中から大きな注目を集めている。

脚本・監督は、本作が長編初監督作品ながら、2022年カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門への正式出品、カメラドール特別表彰授与という快挙を成し遂げた早川千絵。主人公・ミチを演じるのは倍賞千恵子。<プラン75>に携わる側には磯村勇斗、河合優実を配し、他にたかお鷹やステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美らが顔を揃えた。

【STORY】
少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度<プラン75>が国会で可決・施行された。様々な物議を醸していたが、超高齢化問題の解決策として、世間はすっかり受け入れムードとなる。夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチ(倍賞千恵子)は78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム(磯村勇斗)、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子(河合優実)は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく。また、フィリピンから単身来日した介護職のマリア(ステファニー・アリアン)は幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の<プラン75>関連施設に転職。利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に臨む日々を送る。果たして、<プラン75>に翻弄される人々が行く着く先で見出した答えとは。
PLAN 75

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倍賞千恵子
磯村勇斗 たかお鷹 河合優実 ステファニー・アリアン 大方斐紗子 串田和美
脚本・監督:早川千絵
脚本協力:Jason Gray
エグゼクティブ・プロデューサー:小西啓介 水野詠子 國實瑞惠 石垣裕之 Frédéric Corvez Wilfredo C. Manalang
プロデューサー:水野詠子 Jason Gray Frédéric Corvez Maéva Savinien 企画・制作:ローデッド・フィルムズ
製作:ハピネットファントム・スタジオ ローデッド・フィルムズ 鈍牛俱楽部 WOWOW Urban Factory Fusee
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ  ©2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee
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