奥田裕介監督・カトウシンスケ@活弁シネマ倶楽部『誰かの花』の奥田裕介監督と主演のカトウシンスケが、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に揃って登場。文筆家の折田侑駿がトークMCを担当し、企画の成り立ちや、緻密な脚本、そして俳優・カトウシンスケの魅力などについて、大いに語り合っている。 トークは、折田が感想を述べるところからスタート。「まず何より脚本が素晴らしいですよね。とても緻密で、最初から最後まで用意周到に仕掛けが施されていると思いました。中心にある一つの事件だけでなく、映画全編において、とてもスリリングな作り込み方をされていると思います」と語る。そんな本作の企画の成り立ちについて奥田監督は、「ジャック&ベティ30周年ということで、その数年前から支配人の梶原俊幸さんと、プロデューサーの飯塚冬酒さんとこの企画のお話しをしていました。ジャックさんでは僕の過去作を上映していただいていたり、僕自身が横浜生まれ横浜育ちという縁もあったんです。脚本に関しては、最初はお祭り的なものや、町おこし的なものを書かなきゃいけないのかなとも思ったのですが、僕に話がきている時点で、そういうわけじゃないなと」と語る。 さらに「オリジナルの脚本にこだわっていて、僕は脚本を書く際に、“違和感”というものを大事にしています。例えば、一つのニュースを見ていて抱いた違和感や、自分自身、あるいは友人知人に起こった何かに対する違和感であったり。そして、報道などで加害者を完全な悪として捉える構造に違和感を感じているときに、“被害者も加害者になり得る”ということに思い至ったんです。そんな折、認知症の叔父を介護しているときの経験が重なって、この物語が生まれました」と奥田監督は脚本への取りかかりと、物語の着想について続けている。 本作で主演を務めたカトウは、監督の希望であり、孝秋というキャラクターも当て書きしたものだという。「監督からお話がきて、『あと2、3日で脚本をお送りしますね』と言われてから、2、3週間は来なかったですね(笑)。でもやっぱり届いたものに目を通してみたら、ほとんど撮影稿に近い、きっちりとしたものに仕上がっていました。読んだ最初の印象としては、緻密でしたし、僕に対してある種のリスペクトを込めて連絡をしてくれた方が、2、3週間遅れてまで手がけたものなので、それでけの想いが込められている脚本だと思いました。物語ももちろんですが、文字一つをとっても、そう感じたんです」とカトウは撮影前のことを振り返っている。 そのほかこのトークでは、奥田監督ならではの作品づくり、現場づくり、監督から見たカトウシンスケという俳優の魅力など、深いところまで生の言葉で語られている。映画本編にあわせて必見の回だ。 |
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■活弁シネマ倶楽部■
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『誰かの花』
あらすじ |
カトウシンスケ 吉行和子 高橋長英 和田光沙 村上穂乃佳 篠原篤 太田琉星
大石吾朗 テイ龍進 渡辺梓 加藤満 寉岡萌希 富岡英里子 堀春菜 笠松七海
脚本・監督:奥田裕介
撮影: 野口高遠 照明 : 高橋清隆 録音:高島良太 衣装:大友良介 ヘアメイク:ayadonald 大久保里奈
制作:佐直輝尚 助監督:松村慎也 小林尚希 高野悟志 音楽:伴正人 整音:東遼太郎
エクゼクティブプロデューサー:大石暢 加藤敦史 村岡高幸 梶原俊幸 プロデューサー:飯塚冬酒
製作:横浜シネマ・ジャック&ベティ 30 周年企画映画製作委員会 宣伝・配給:GACHINKO Film
2021 年 日本 115 分 5.1ch アメリカンビスタ