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俳優、監督・脚本、劇団主宰などマルチに活躍し、国内外の映画祭で数々の受賞に輝く鬼才・上西雄大監督&主演 二部作映画『西成ゴローの四億円』。
11月9日(火)~18日(木)、TOHOシネマズ日比谷にて特別先行一挙上映決定も連日盛況で幕を閉じ、話題となった本作。 11月20日(土)には、日本最古の映画祭・ 第46回湯布院映画祭にて『西成ゴローの四億円(前編)』特別上映&シンポジウムが開催され、奥田瑛二、徳武未夏、古川藍、上西雄大が登壇!そのレポートが届きました。 |
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昨年の湯布院映画祭のクロージング作品として上映された『ひとくず』のシンポジウムでは、観客から絶賛の声が相次ぎ、思わずボロボロに泣いてしまったという上西監督。
そんな思い出深い湯布院映画祭に再び参加することになった上西監督は、映画上映前に行われた舞台あいさつに登壇し、湯布院の観客と再会。 「去年、『ひとくず』とともにここを訪れたことが、僕の心に一生残る思い出。また今年もここに来られたことが心からの喜びです」と感激の表情を見せると、続く奥田も「皆さん、これから『西成ゴロー』をご覧になるんですよね。奥田瑛二が一番カッコいいですからね」と観客の期待をあおり、会場は大きな拍手とともに大喝采。大盛り上がりの中、映画の上映がはじまった。 <シンポジウム(上映後)> 上西監督は「奥田さんに『ひとくず』を観ていただいたことでご縁をいただいたんです。実は(『ひとくず』が映画祭で上映される)前日に奥田さんが(上西監督とは入れ違いで)映画祭にお越しになっていて。『ひとくず』のポスターにサインをして、帰っていかれたんです。僕は去年、(辛口の批評が飛び交うこともあるということで)ビビりながら湯布院に来たんですが、入り口に奥田さんのサインが入った『ひとくず』のポスターを見つけて。それを見た瞬間に目頭が熱くなりました。そのポスターは今も、リビングに大事に飾っています」と述懐。 |
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そうやって湯布院映画祭を通じてつながった縁が、奥田へのオファーにつながったという。
一方の奥田は「今、その話を聞いてしまったら、”これは断りたいなという作品”にも出なきゃいけなくなっちゃいますね」と軽口をたたきつつも、「それが上西組に奥田あり、ということならば、映画人としてすごくしあわせなこと。熊井啓組に奥田ありとか、黒澤組に三船敏郎ありとか、映画というのは名匠がちゃんと組を持って。映画を一緒に作っていくというのが伝統みたいなところはありますから。そうやってお互いをよく知り、高め合いながら良い作品にするということだと思うんで。どんな低予算でも、ビッグバジェットでも、出ますよということですね」と上西監督に全幅の信頼を寄せている様子。 一方、上西監督が主宰する映像劇団テンアンツの劇団員であり、本作では女優と助監督を兼任している徳竹は「わたしはキャスティングの時に、アタックをしてみようと言われて電話をする係なんですけど、奥田さんに電話するときはかなり緊張しましたね。だから奥田さんに決まった時は、これは現実なのかと思ったりして。すごく夢のような気持ちでした。でも、それまで映画とかテレビで見ていたすごく遠い存在の方と作品を作れるということが、上西監督のもとだとそれほど現実離れしていないのがすごく不思議な気持ちです」とコメント。 古川も「わたしも奥田さんが出てくださると聞いた時は本当にうれしくて。現場に入る前、衣装合わせの時はすごく緊張していていました。でも奥田さんの衣装も監督が決めたんですが、本当に奥田さんにピッタリな衣装だと思いました」と続けた。時に辛口な批評が飛び交うこともあるということで知られる湯布院映画祭の観客だが、この日は「最後まで見入ってしまった」「登場人物の所持金などをかぶせるビジュアルの見せ方が面白い」「荒唐無稽な物語だが、ゴローのキャラクターが良い」などなど好意的な意見が続々と飛び出した。さらに監督が熱望しているという「シリーズ化」の展望については、「もともとはシリーズで続けていくということを念頭に、取りあえずこの1作目を作ったんです。あとはVシネのシリーズで続けようかと思って。でも昔の映画って毎年のようにシリーズの続編が上映されていたじゃないですか。僕らが子どもの頃はそういうのを楽しみにしていたんですけど、今はそういう映画はないですよね。この映画も僕らが子どもの頃にスクリーンで観た映画のようにしたいと、そういう思いで作っているので。今日は奥田さんが、僕の映画にずっと出てくれると言っていただいたんで。シリーズを大事に作っていきたいと思います」と決意を語るひと幕も。そして観客の中には「どうして今日は前編だけしか上映しないのか。後編も一緒に上映すべき」といった意見も飛び出し、それには上西監督も「今から後編を上映しましょう! 124分ありますけど」と実行委員にリクエストし、会場は大笑い。 「前編を見たら絶対に後編も観たくなるはず。 |
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この男、不屈で無敵!所持金 0 円の無敵の男が、家族のために捨て身で稼ぐ
『西成ゴローの四億円 』公開初日も決定! 大阪・西成を舞台に、闇の世界や人間の情の力を根底に、家族のために大金を稼ごうと必死に抗う男の生き様を、所持金や貯蓄額といったお金の流れを通じてもリアルな人間模様主人公・ゴローを演じる上西雄大監督、最大の敵となるフィクサー(奥田瑛二)、政府諜報機関時代のゴローの元同僚(津田寛治)、ゴローの元妻(山崎真実)、韓国巨大マフィアの会長(石橋蓮司)ほか松原智恵子、笹野高史、加藤雅也、木下ほうか、波岡一喜、上西監督作品『ひとくず』の徳竹未夏、古川藍などが演じる濃密なキャラクター、が繰り広げる “マネー・クライム・エンタテインメント”。 『西成ゴローの四億円』(前編)物語・・・大阪・西成に住む、日雇い労働者・土師悟朗。腕っぷしが強くて皆から頼られる反面、 殺人罪で服役していた過去から「人殺しのゴロー」という異名を持っていた。断片的に記憶を失った彼だが、元政府 諜報機関の工作員だったこと、妻と娘がいたことなど記憶を少しずつ取り戻していく。ある時、家族の現状を知った ゴローは、固く決意する。 『西成ゴローの四億円 ‒死闘篇-』(後編)物語・・・記憶 が少しずつ回復するなか、世の中に新型ウイルスが蔓延する。西成の仲間たちもウイルスに感染し、倒れていった。このウイルスを故意に国外から持ち込んだのがゴローだとニュースが流れる。それは、表向きは信仰団体を装いつつ闇社会に生きる、秘密結社テンキングスと手を結び、影で糸を引き流した元政府諜報機関の工作員によるデマ報道だった。そんな中、元妻と娘に魔の手が伸びていることを知ったゴローは—–。 |
上西雄大 津田寛治 山崎真実 徳竹未夏 古川藍
笹野高史 木下ほうか 波岡一喜 阿部祐二 加藤雅也(友情出演)
松原智恵子(友情出演) 石橋蓮司(特別出演) / 奥田瑛二
製作総指揮:奥山和由 監督・脚本・プロデューサー:上西雄大
企画・製作・制作:10ANTS
配給:吉本興業 チームオクヤマ シネメディア
2021年 / 日本 / カラー / (前編) G 104分(後編)PG-12 124分
©上西雄大