『そして泥船はゆく』『七日』『プールサイドマン』『地球はお祭り騒ぎ』が4作連続で東京国際映画祭へ正式出品され、昨年の東京国際映画祭でも『叫び声』が日本映画スプラッシュ部門で監督賞を受賞。 世界初の特集上映が開催され、連日満席になるなど日本映画界でも異彩を放つ才能と注目が集まる渡辺紘文監督。 そこで昨年に引き続き、ウディネ・ファーイースト映画祭2020でワールド・プレミア上映された最新作『わたしは元気』を含む、特集上映『異能・渡辺紘文監督特集 ー大田原愚豚舎の世界Vol.2ー』の開催が決定!このほど予告編が解禁された! |
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映画制作集団「大田原愚豚舎」は2013年、今村昌平監督の長男・天願大介氏が命名し、映画監督・渡辺紘文と、映画音楽家・渡辺雄司兄弟によって旗揚げされた映像制作団体。渡辺兄弟の故郷、栃木県大田原市を拠点に、独自の映画制作活動を展開し、ほぼ毎年1本以上のペースで精力的に作品を製作・発表・上映してきた。その個性的な作家性から、近年熱烈なファンが急増。本特集上映に向けて、ファンを公言する著名人からコメントが到着。
私は大田原愚豚舎の作り出す映画を楽しみにしているひとりである。影響も受けているだろうし、憧れさえ抱いている。しかし、彼らの真似など出来るわけないから、いつも安心して一観客として向き合える。人間の在り方を見せてくれる、あの”くり返しの美学”に私は虜なのだ。 打楽器の音、豚たちの声、風の音、のっけから引き込まれる。働く男は日曜日、休んで映画を観る。なんと正しく健やかな暮らし。だけどどこか不穏。だけど居心地がいい。だけど、だけど。さああなたも、言葉にならない叫び声を浴びよう。 何かに取り憑かれたかのように愚痴と悪口と言い訳と弱音を吐き続ける映画監督が主人公 であっても、自分の殻に閉じこもって一切の他人を拒絶する病的なプール監視員が主人公 であっても、大田原愚豚舎の映画には、ジメジメとした辛気臭さがない。どんなネガティヴ な題材が扱われていても、モノクロームの画面は、いつもドライで、風通しが良い。 そこには上質なユーモアがあり、出演者への深い愛がある。それからこれは最新作『わたし は元気』を観て思ったのだが、小4の魅力的な少女の感性とシンクロしてしまうイノセンス を渡辺監督は持っている。その澄んだ魂こそが、日常の中の特に何も起きていない時間を、 幸福な時間として輝かせてしまうという錬金術を生むのだろう。 大田原愚豚舎は、今、絶好調だ。 渡辺監督作品には日常の反復を通じて孤独と現実をえぐるハードコアなアート世界や、こどもや家族を配して詩情と暖かみを描く世界があり、『叫び声』は前者、『私は元気』は後者の最新作である。各路線作を矢継ぎ早に発表することで渡辺ワールドが年々拡張していく。そのスピードと並走するのは我々に許された快楽だ。世界に向けて放たれる『叫び声』の叫びは耳に残って離れず、『私は元気』はキアロスタミでありつつフランス映画の香りも漂う。ミクロコスモス大田原のビッグバンは止まらない 渡辺兄弟特集がまた行われるということでこんなにめでたいことはない。いっそのこと秋の風物詩にしたらいいと思う。ところで今回、渡辺兄弟は子供たちが主人公の新作を引っさげている。まさか子供を題材にしてくるとは夢にも思わなかったが、ふと考えると意外に相性は良いかもしれない。渡辺監督と子供。ほとんど=のような生き物の気がしないでもない。そして観た。いつもの渡辺兄弟の匂いに包まれつつ、大人が子供に伴走するのでなく、子供が友達を撮っているかのような、心底から子供という生き物の言動をおもしろがっている渡辺兄弟だからこそ作れた面白い映画だった。 なんと昨年に続いて今年も開催される愚豚舎特集、今年は2本の新作が追加される! 昨年も私は大田原愚豚舎特集宣伝コメントを書かせて頂きました。 あの時のアップリンク吉祥寺、特に後半は連日満席でした。 その後、イタリア・ウディネ映画祭では世界初の愚豚舎特集が組まれ、絶賛を博した。 今やその実力と魅力は留まるところを知らない。 もはや、私などよりも、指原さんに観てもらい、驚きのツイートをしてもらうにふさわしい状況だと思います。 いやしかし、もしかして、映画館はまだ座席数を減らしての営業なのだろうか? だとしたら、入りきれないお客さんが多すぎるので、今年はまだ、指原さんには観てもらわないでおこう。 とにかくこれだけははっきりしている。 大田原愚豚舎の映画は(現時点で)ソフト化も配信もされていない。映画館でしか観られません! 昨年に続き大田原愚豚舎特集vol.2が開催されることになりました。 新型コロナウイルスが蔓延し、世界中の人たちが生活を変えることを余儀なくされています。 |
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特集上映では、新作『叫び声』(2019)『わたしは元気』のほかに、デビュー作『八月の軽い豚』(2007)、『そして泥船はゆく』(2013)、『七日』(2015)、『プールサイドマン』(2016)、『地球はお祭り騒ぎ』(2017)、『普通は走り出す』(2018)の6本を加え、映画音楽家 渡辺雄司と共に兄弟によって、故郷・栃木県大田原市を拠点に旗揚げされた大田原愚豚舎の全貌をまとめて観ることができる。未見の方も、既に中毒の方も、この機会にどっぷりと渡辺紘文ワールドに浸ってみてはいかがだろうか?
10月30日(金)〜11月19日(木)、アップリンク吉祥寺ほか順次公開! 「叫び声」 「わたしは元気」 |