映画情報どっとこむ ralph 新型コロナウイルスの感染が、全国的に急速な拡がりをみせている現在。各地のミニシアターの多くが経営の危機に瀕している。この事態を受け、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」では、緊急特番を収録。文筆家の折田侑駿、映画ジャーナリストの徐昊辰、映画評論家の森直人が顔を揃え、ミニシアターの現状や、それを救うべく立ち上がった“SaveTheCinema「ミニシアターを救え!」プロジェクト”、さらには、各々の“ミニシアター観”についてまで語り合っている。

映画情報どっとこむ ralph 中国出身の徐いわく、中国には“ミニシアターがない”のだという。そんな彼が日本にやってきて初めてミニシアターを訪れたとき、「これは映画館ではない。一つの文化であり、交流の場所だと感じた」と語る。これに森は、「ミニシアターって日本オリジナルの概念であり言葉。日本のインディペンデント上映運動から独自に広がった特殊なもので、ヨーロッパのシネマテークともまた違う。世界に誇る、日本独自の映画文化。“ちっちゃい映画館”というものではない」と続ける。

そんなミニシアターには“場”としての重要さがある。「若い映画人にとって、すごく重要な場所だ」という折田の発言に森は、「新しい監督たちのスタートする場所がなくなってしまう。これでは本当に日本映画は終わる」と鋭い指摘を付け加える。「海外の映画祭で受賞する作品などを手がける人材がどこから出てきたかというと、ミニシアター。駆け出しの彼らの学生映画や自主映画などに、上映のチャンスを与えてきたのがミニシアターなんです」と力強く語る。これまで当番組にゲストとして登場してきた監督たちは、いずれもが“ミニシアター出身”の監督たち。「このミニシアターがなくなると、若い映画人の才能が一気に潰れてしまうことになる」と森は危機感を募らせているようだ。

続いて森が「日本の政府は精神活動に関する評価が低い」と述べると、「中国は国が映画産業を支援しているし、韓国は国家事業として支援している。ヨーロッパはさらに大きい」と、徐が各国における映画事業への援助の違いの大きさを語る。これまで叫ばれてきた日本映画市場における諸問題が、いま明るみになっているのだ。

現在、多くの映画人・映画ファンが賛同する“SaveTheCinema”、濱口竜介監督と深田晃司監督が発起人となり、ミニシアター支援のためのクラウドファンディングをMOTIONGALLERYにてスタートさせる“ミニシアター・エイド基金”などが動き出したばかりのところ。ミニシアター文化の存続を願う者たちが求めているのは、やはり“多様性”だ。森は「シネコンや動画配信などにある多様性は、あらかじめ選別された多様性に過ぎない。いろんな個性を持ったオーナー(各劇場の支配人など)がいるからこそ、多様性を獲得できる」と語り、「ミニシアターの魅力は、劇場そのもの、支配人、スタッフ、そしてそこに集う人々が生み出す色だと思う」と折田が続けている。そして折田は、「知らない誰かと映画を観るというのは、やはり鑑賞体験としてまったく違う。それにミニシアターごとに、そこで上映される作品を求めてくる人々の層が違うのも面白い」と、“場”の魅力を語っている。

そのほか、想田和弘監督による最新作『精神0』が、5月2日(土)から「仮設の映画館」でデジタル配信されることや、折田、徐、森それぞれのミニシアターでの思い出、“コロナショック”後のミニシアターや映画界の課題などを語り合い、「“SaveTheCinema”をはじめ、どういった活動が展開されているのかを知って欲しい。そしていま、いろいろなお仕事の方が同じような状況に立たされている。これは何も、映画にかぎった話ではないのだということをお伝えしたい」と森が最後に述べている。

映画情報どっとこむ ralph ■活弁シネマ倶楽部■

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(4月13日スタート予定)

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