映画情報どっとこむ ralph ※記事にはネタバレを含みますのでご注意ください

この度、ユニバーサル映画/東宝東和配給作品『アス』(原題:Us)が、9/6(金)より、TOHOシネマズ 日比谷他にて全国ロードショーとなります!

『ゲット・アウト』でアカデミー脚本賞を受賞したジョーダン・ピールの2作目ということで話題の本作。

この度、映画評論家の松崎健夫、放送作家の町山広美によるトークショーが東宝東和試写室にて行われた。
『アス』トークイベント

日時:8月26日(月)
場所:東宝東和試写室
登壇: 松崎健夫(映画評論家)、町山広美(放送作家)

映画情報どっとこむ ralph 松崎の「町山さんはこの映画いかがでしたか?」という問いかけから始まったこのトークショー。町山は「ジョーダン・ピール監督は元々コメディアンでバラエティ番組を作っていた人。コメディ畑出身なだけに“もしもコント”的な作られ方をしていて面白かった。入り口は面白いけど最後にグッと深くなる世界があって、観終わってからあれはどうだったのかなと考えるのがすごく楽しい映画でした」と答えた。対して松崎は「『アス』っていうのはもちろん“わたしたち”という意味ですが、観終わるとこれはやはりU.S =アメリカのことを描いてる映画なんだなと。黒人は白人に虐げられてきたという歴史があるだけに、黒人側から社会を見た時にそれがフィルターになって見えてくるのが面白いなと思うんです。暗闇の中で黒人の目だけが光ってるっている演出も彼がやるから不謹慎にならないっていうのもすごくうまいなと思います」と語った。さらに話題はそんな“フィルター”を通して作られた今作の風刺へ。

『アス』トークイベント

本作では86年にあった“ハンズ・アクロス・アメリカ”という、ニューヨークからカリフォルニアまでを約600万人が手をつなぐチャリティ活動が印象的に描かれている。これについて「目の前にいる人をすぐに助けずイメージの世界でチャリティをする。監督はそういうところに気持ち悪さを感じてたんじゃないかな」と町山は語り、一方松崎も「本来は皆で手を繋ぎユナイトして一緒に世界を良くしましょうっていう活動だったはずなのに、それが出来なかった。これを起点にアメリカがおかしくなっていったんじゃないかという事を、この映画では考えようとしたのではないか」と監督の意図を汲み取った。また松崎は本作の冒頭部分に言及。「優れた映画監督は映画のファーストカットを良く考えて作るんですよ」「本作ではハンズ・アクロス・アメリカのCMを見せている。それも重要なんですが、まわりにビデオカセットが置いていて、それをよく見ると『グーニーズ』『2つの頭脳を持つ男』『ライトスタッフ』『チャド』が分かる。『チャド』は地下水道に怪物がいる話。『グーニーズ』は地下を探検する話。

『ライトスタッフ』は人間をモルモットのように扱ってそれによって宇宙開発が進んだ話。『2つの頭脳を持つ男』は凄く性格の良い脳に生身の体を与えたいために、分身となる別の人の体を殺して入れてあげる話。本作の物語を説明していて、公平というか、ジョーダン・ピールは引用元を明かしている。こういった映画好きが喜ぶ要素も本作の魅力のひとつ」と話した。

最後は今朝『E.T.』を鑑賞してきたという町山が「あの少年とエイリアンは通じあえるのに、こちらの同じ人同士が通じ合えないのは怖い話だなと思いました」と話した。これを受けて松崎は「1番近い人でさえ分かり合えないならこの世の中はどうすれば一つになれるのかっていう事までこの映画では描かれているんです」と締めくくった。アメリカ社会の歴史や背景を知った上で観ると2倍楽しめそうな作品だ。

映画情報どっとこむ ralph 『アス』

https://usmovie.jp

https://twitter.com/usmoviejp

『アス』

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監督・脚本・製作:ジョーダン・ピール
製作:ジェイソン・ブラム
出演:ルピタ・ニョンゴ、ウィンストン・デューク、エリザベス・モス、ティム・ハイデッカー
シャハディ・ライト・ジョセフ、エヴァン・アレックス、カリ・シェルドン、ノエル・シェルドン
ユニバーサル映画
配給:東宝東和
作品・映像クレジット:©2018 UNIVERSAL STUDIOS
画像クレジット:©Universal Pictures
  
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