現在、テアトル新宿にて限定レイトショー上映中の映画『万歳!ここは愛の道』について石井達也監督と福田芽衣監督が“映画を語る”番組「活弁シネマ倶楽部」に出演し、本作に込めた純粋な想いを明かした。
本作は、田辺・弁慶映画祭でキネマイスター賞・男優賞をはじめとする数々の賞を手にした石井達也監督(『すばらしき世界』)の最新作で、記憶を失った恋人の姿を通して真実の愛を追求したセルフドキュメンタリー。福田監督は、石井監督との関係が原因で心のバランスを崩し、精神病棟に入院していた。石井監督はそんな彼女の姿をカメラに収め続けていたが、関係が悪化するにつれてカメラを回さなくなっていく。 そして、本作に込めた想いについて石井監督は「(この映画は)僕の願望でもあり、僕が過去の彼女に出来なかったこと、ずっと二人の間にあった映画がいつか彼女を後押しするものであったら。自分達の事象が映画になったということが彼女を後押しできたら。」と純粋な気持ちを語っている。
その上で、映画化し上映されることについて「彼女に対して、救いたい(という気持ちがあった)、彼女個人に対してですけど。それが映画になるら、まずは彼女1人のために作ろうと思った。彼女一人のためにつくれば、絶対に人に伝わると思った。」と語った。彼女への気持ちを表現することが、結果的に映画を観る人にも伝わるはずという制作時の気持ちを吐露している。 石井監督は上映の経緯について、絶対に自分の表現を貫きたいという気持ちから「企画書も無しで、脚本も見せず映像も全く見せずに上映までいったんです。『違うよ』とか言われると思った。そうすると僕がやりたいことができなくなっちゃう。何を言われても、彼女を撮ります。それは、フィクション、ノンフィクションではなく、事実です。と言い続けただけ。」とコメントし、試写会も行わなかったという。通常では考えられない上映までの流れだが、田辺・弁慶映画祭セレクション関係者の深い理解があったことも説明し、同映画祭の懐の大きさと、映画へのまっすぐな気持ちを感じさせた。 本編では、ゲストの2人が手がけた『すばらしき世界』『チョンティチャ』についても語られている。 ■活弁シネマ倶楽部■ 「活弁シネマ倶楽部」公式ツイッター: |
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『万歳!ここは愛の道』
あらすじ |
監督:石井達也
出演:福田芽衣、大下ヒロト、根矢涼香、伊藤慶徳、小関翔太