映画情報どっとこむ ralph 和歌山県白浜町、三段壁でいのちの電話を運営する牧師と、そこにやって来た自殺志願者たちを追ったドキュメンタリー映画「牧師といのちの崖」が異例のロングラン上映が決定した。

現在、すでに6週間の上映を終え、3月23日(土)より5週間の追加上映が決まりました。

上映を決めたポレポレ東中野の担当者は「上映後のトークや、観客の様子を見て決めた。観客の熱があった。」と語る。本作は監督・加瀬澤の恩師であるドキュメンタリー作家、佐藤真氏が自死したことが映画の企画のはじまりとなった。

「なぜ人は死ぬのか。悩みながら取り続けても答えが出ない。ならばテーマを裏返して、どうやって人は生きて行くのかを撮ろうと思った。生きていくことに悩む人たちと、それを受け止める藤藪さんの関係性が考える材料になると思った。」(東京新聞 2019/03/01)

恩師の死から12年。ようやく今年の1月19日より公開が実現した。“自死”はとても語りにくいテーマ。

しかし、作品を通じて静かな交流が生まれていると言う。舞台挨拶を終え、ロビーにいる監督のもとに「実は友人が‥」と身近な人の自死を泣きながら語る観客が何人も現れた。監督自身も佐藤さんの死を真正面から見つめることが、悼むことになると考えられるようになったと言う。 「牧師といのちの崖」は“自死”を社会がどう受け止めるのか、そして、現代を生きる困難さと、その一方にある幸福について、静かに人々に問いかけ拡がりを見せている。

映画情報どっとこむ ralph 【ポレポレ東中野での今後の上映スケジュール】

3月23日(土)〜4月5日(金):16 時 50 分
1日1 回上映
4月6 日(土)〜4月12日(金):21 時 00 分 1 日 1 回上映
4月13 日(土)〜4月26日(金):19 時 00 分 1 日 1 回上映
4月27 日(土)以降の上映未定

【“シネマ・チュプキ・タバタ”での上映スケジュール】

4月18日(木)〜4月30日(火) 10:30〜1日1回バリアフリー上映 ※目の不自由な人も、耳の不自由な人もどんな人も一緒に楽しめるユニバーサルシアター。

【東京以外での上映スケジュール(予定)】

3月30日(土) 大阪シネ・ヌーヴォにてモーニング上映予定
3月30日(土)〜4 月 5 日(金)10 時 50 分〜
4月6日(土)〜4 月 12 日(金)10 時 40 分〜

初日3月30日(土)は藤藪庸一牧師、加瀬澤監督の舞台挨拶予定。
4月6日(土)〜19日 名古屋シネマテークにてモーニング上映
4月13日(土)〜19日 京都シネマにて上映
4月15日(月)、18日(木) KBCシネマ(福岡)にて2日間限定上映

上映時期検討中
横浜シネマ ジャック&ベティ他、順次全国公開予定

映画情報どっとこむ ralph 著名人の皆さんからのコメント:

森達也さん 映画監督、作家
命が動く。命が笑う。命が沈黙する。ある程度は手を差し伸べることができる。でもある程度だ。観ながら悩む。苦しくなる。でも目を離せない。

綿井健陽さん 映像ジャーナリスト、映画監督
誰かの「死にたい」「助けてください」という思いに対して、この映画が、あの崖の上に置かれた「いのちの電話」のように、「死ななくていいよ」「助けるよ」と巡り巡って誰かに届くことを祈る。そして、誰かが生き直すことができる空間があちこちに生まれることを。

末井昭さん エッセイスト
自殺を決めた人たちが訪れる三段壁のゴツゴツした岩場は、地獄の景色のように見える。死にきれなくて助けを求めている人に手を差し伸べる藤薮牧師は、彼らが地獄から這い上がれる一本の綱だ。 その藤薮牧師とそこで暮らす人たちを、加瀬澤充監督はありのまま真正面から捉える。

松江哲明さん 映画監督
誰かに話を聞いて欲しかった夜、電話の向こうにいてくれたのは、こんな人だったのか。 そんなことを思った上映時間だった。一方で「それなのになぜ」という苦しさも同居する。 この狭間で私たちは生きているのだろう。

名越康文さん 精神科医
とてつもなく重要な作品だ。生と死を分けるものは一体何だろう。 様々な生存のかたちを、我々が模索し、許容して行かなければ、自殺の問題は解決して行かないのではないか。いや、いっそう深刻さを増して行くだろう。

神藏美子さん 写真家
人が人をなんとか助けようとする姿に希望を感じる。死ぬために崖にやって来た人たちを死の淵から連れ戻し、共同生活し、奮闘し、奮闘し、奮闘し続ける藤藪さん(牧師)を見るとき、ふたたび生きることに向かう人たちの姿を見るとき、それを記録し続けた加瀬澤監督の眼差しに同化するとき、人と人がなんとかつながってゆく姿に胸が熱くなる希望を受け取る。どうしょうもなく大切なことを、真っ直ぐに突きつける映画です。

映画情報どっとこむ ralph 「牧師といのちの崖」
英題:A Step Forward

【公式ホームページ】
https://www.bokushitogake.com


何度失敗しても、帰ってこられる場所として。
藤藪は共同生活の場を提供するだけでなく、弁当配達も行う食堂も運営している。そこは、ひとり孤独にやってきた人々が、経験のない調理を学び、同じような経験を持つ仲間と共に、もう一度人生を取り戻したいと働いている。藤藪と彼らの対話から見えてくるのは日本の様々な問題だ。若者たちの低い生への肯定感、コミュニケーション不全、希薄な人間関係‥。

“何度でも帰ってこられる場所になるといい‥”そう語る藤藪に共感し、中には受洗する者もいるという。そう考える藤藪。ただ、その場所は決して甘えるだけの場所ではない。親以上に厳しく、現実と向き合うことを求められることもある。心優しくも厳しい牧師と自殺未遂を経験した仲間たちの共同生活には、お互いに支え合う人々の物語があった。自殺問題の水際を見つめたドキュメンタリーは、社会に、そしてあなたに、何を訴えかけるのだろうか?

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【STAFF】
監督・撮影・編集:加瀬澤充
プロデューサー:煙草谷有希子
音響:菊池信之
音響助手:近藤崇生
宣伝協力:細谷隆広
宣伝デザイン:成瀬慧
製作・配給・宣伝:ドキュメンタリージャパン、加瀬澤充
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)
独立行政法人 日本芸術文化振興会
2018年/100分/カラー
(C)ドキュメンタリージャパン、加瀬澤充
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