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BBCをはじめ海外の主要メディア、日本でも各新聞&テレビに取り上げられ、香港港で記録的大ヒット。
10年後の香港を舞台に、5人の若手先鋭 監督達が近未来を描き、社会現象となった短編オムニバス作品『十年』 (2015年年製作。日本公開2017年7月~)。その香港映画『十年』 を元に、日本、タイ、台湾、3カ国でそれぞれで、自国の現在・未来への多様な問題意識を出発点に、各国5人の映像作家が独自の目線で10年後の社会、人間を描く国際共同製作プロジェクト『十年 (仮)』の製作発表記者会見が、釜山国際映画祭で行われました。 日本版のエグゼクティブプロデューサー(総合監修)として是枝裕和(55)、タイ版は監督として、アピチャッポ ン・ウィーラセタクン(47)(『ブンミおじさんの森』)が参加。国際社会への相互理解を深めたいというオリジナル版スタッフの熱い想いを受け継ぎつつ、アジアの新しい才能を発見し育てる、国際共同製作プロジェクトです。 国際共同製作プロジェクト『十年 日本(仮)』製作発表記者会見概要 『十年』(香港) 『十年 タイ(仮)』 『十年 台湾(仮)』 『十年 日本(仮)』 |
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アンドリュー・チョイ(『十年』(香港)/エグゼクティブプロデューサー)
このプロジェクトの発表が釜山国際映画祭で出来ることを光栄に思います。香港の『十年』を作った際、香港が変革の時期にあり、今後香港の未来に何が起こるのかを描いた作品でした。その作品が香港フィルムアワードを受賞し、各国の映画祭を巡りました。もっと想像することをシェアしたいと思い、「十年Ten Years International Project」を作ることになりました。是枝さんを、日本のエグゼクティブプロデューサーに迎えることが出来て、本当に光栄です。 ン・カーロン(『十年』(香港)/エグゼクティブプロデューサー、『地元産の卵』監督) ここにいるプロデューサーや監督達が、このプロジェクトに参加してくれ感謝しています。『十年』(香港)が昨年の大阪アジアン映画祭でジャパンプレミア上映をした時、80歳くらいのおじいさんから「香港の現状を知らなかった。この作品を観て日本の将来についても気がかりになった。」と言われました。昨年のウディネ・ファーイースト映画祭で日本のプロデューサーに会い、この企画をはじめることになりました。世界と想像をシェア出来ることがとても楽しみです。 アーティット・アッサラット(『十年タイ(仮)』/プロデューサー兼監督) 私はプロデューサーと監督を務めます。このプロジェクトに参加できたことは、タイにとってすごくいい機会だと思いました。タイは色々な政治的変化が起こっていて、クーデターも起きたりしています。インターネットでいろんな人の声をオープンに出来る時代になりましたが、加えて、タイの『十年タイ(仮)』を通して、タイの人々の声を世界に届けたいと思います。 リナ・ソウ(『十年台湾(仮)』/監督) 初めて『十年』(香港)のプロデューサーであるフェリックスにベルリン国際映画祭でこの企画のことを聞いて、即座にYesと応えました。台湾は他の国に比べると、そこまで問題は表面には出ていませんが、だからこそ、隠された問題や人々の不安を描けるのではないかと思います。私は移民の家族問題について描きます。映画とは私たちの生活を映し出す鏡だと思っています。過去に犯した間違いを見つめることで、同じ過ちを繰り返さない力を持つと思います。 是枝監督(『十年日本(仮)』/エグゼクティブプロデューサー) 木下雄介(『十年日本(仮)』/監督) このプロジェクトに参加出来て光栄に思います。今起きていることの連続が、将来の日本を作ると思っています。日本の将来の為に、希望のある映画を作ろうと思います。 津野愛(『十年日本(仮)』/監督) まず、香港版の『十年』を見て日本の諸問題のどこに自分なりの切り口を見つければ良いのか、すごく悩みました。設定は10年後ですが、20年後、30年後と、人間の普遍的な思いを込められたらと思います。早川千絵(『十年日本(仮)』/ 監督)オリジナルの『十年』に励まされました。今回このプロジェクトに参加することが出来て光栄に思っています。 藤村明世(『十年日本(仮)』/監督) 今回は私が思う日本の未来を誠実に、そして自分の中の正義を投影しながら映画を作っていきたいと思います。とても光栄な機会を頂いたので、のびのびと色々なことに挑戦しながら映画を作っていきたいと思います。 石川慶(『十年日本(仮)』/監督) *記者会見は不参加だが、事前にもらったコメントテレビでも商業映画でもなかなか扱えないテーマを、こんなに伸び伸びやらせてくれるプロジェクトはこれまでもこれからもないでしょう。十年後、映画人として後悔しないように、声を大にして撮ります。 |
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MCから是枝監督へ質問:是枝監督は、日本のプロジェクトにどのように関わっているのか?
日本のプロデューサーに、香港版の『十年』を観させて頂き、香港でとても成功した結果を受けてこの企画をアジア各国で展開していこうというプロジェクトが動いているので、その日本版に参加してくれないかという依頼がありました。オリジナル版は非常に挑戦的な企画でしたし、政治的な要素を題材にしているものも多く含まれているものもあったので、果たして日本で十年後を描くことが、その香港版に匹敵する意味を持つだろうか、ということを自分の中では考えました。考えた上で、必ずしも表面的には政治的な課題は実はみえにくい、さらにいうと僕より若い世代が、そういう題材とはなかなか向き合っていないように僕にはみえる、僕らの世代にはそうみえている。そのことが作品作りを通して逆にどのように若い世代の彼らが今の社会とか日本をどのように捉えているのかをみてみたいと思いました。そういうことに触れることが、僕にとっても必要だなと感じたので、参加を決意しました。 是枝監督へ韓国記者から質問:『十年』の韓国版があったら、どのようにプロデュースしますか? 韓国でのプロジェクトも同時に進行できればよかったと思うんですけどね。今回の第二弾が成功して、第三弾、第四弾と広がっていったときに、韓国の若手の監督が数多くこのプロジェクトに参加してくれるような、そういう魅力的な第二弾となればいいと思います。ぜひ、来年釜山でそういう発表ができるといいなと思います。 是枝監督へ台湾記者から質問:若手映画監督へどういった支援をしていくべきだと思われますか? |
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「十年 Ten Years International Project」
タイトル:十年 日本(仮) 過去記事: 香港を描く・・・『十年』第4話「焼身自殺者」キウィ・チョウ監督スカイプイベント 政治不信が広がる日本人。 『10年』 は絶賛上映中! 物語・・・
第2話『冬のセミ』 第3話『方言』 第4話『焼身自殺者』 第5話『地元産の卵』 エグゼクティブ・プロデューサー:アンドリュー・チョイ(蔡廉明) |


