日本の映画ファンの間でも高い支持を集めるマイク・ミルズ監督最新作『20センチュリー・ウーマン』の後悔を前日に控えた6月2日(金)、同作とミルズ監督の前作『人生はビギナーズ』を続けて見られる先行上映会が新宿ピカデリーにて開催。
上映前には映画コメンテーターのLiLiCoさん、映画ライターで編集者のよしひろまさみちさんを迎えてのトークイベントが行われました! 日程:6月2日(金) 70年代終わりを舞台にした本作、 LiLiCoさん:時代の表現の仕方がすごくかっこいい! とミルズ監督の手腕を絶賛。 よしひろさん:70年代のサンタバーバラが舞台だけど、そのまま! とイベントはスタート。 |
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監督自身の母親をモデルにした本作。 LiLICoさんは、思春期の15歳の息子の教育ために、周囲の年上の女性を“先生”として迎え入れるシングルマザーについて LiLiCoさん:感性、センス、オープンマインドなところが素敵! こういう家族がうらやましい。スウェーデンは、離婚率も高いし、親が片方しかいないという子はクラスでも普通なんですよ。そういう家庭で育つと、みんなすごく大人。必ずしも両親が揃っているから幸せとは限らないですよね。 とシングルマザー、シングルファザーの下で育つことが必ずしも不幸ではないと指摘。 その上で、自身と亡くなった母親との間にあった確執に触れつつ LiLiCoさん:子どもにとって“お母さん”というのは職業のようなものだけど、当然、母親も一人の女性なんです。それを“母”という風にしか見てなかったのは申し訳なかったなと思います。もっと理解してあげたかったし、この映画を見て『うちもこういう関係だったら…』と思いました。 と映画で描かれる母と息子の関係が自身の中の理想像であったことに気づいたと明かす。 よしひろさん:この映画は、見る人それぞれ、思い入れが違うし、親を亡くしていると特に感じることがありますよね。 と語り、ミルズ監督の「母が亡くなる前に、聞けることを聞いておかなかったことを後悔している」という言葉を紹介。 LiLiCoさん:私も母のこと、全然知らない。聞いとけばよかったことがいっぱいある。 と激しく同意。さらに母親のみならず、自分自身の人生についても LiLiCoさん:考えるきっかけになりました。自分が死んだとき、みんなは私をどう語るんだろう? ってことまで考えました。 としみじみと語った。 |
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さらにトークは映画でも描かれる、思春期の性教育についてまで展開! 日本とスウェーデンの性教育の違いについて、よしひろさんが尋ねると、
LiLiCoさん:スウェーデンでは8歳で、どうしたら子どもができるか? と教えられて、出産ビデオを見せられました。モザイクもないし、すごくビックリしました(笑)。男の子も見るし、生理についても男性も勉強して、女性に対してきちんと気づかいができるようにと教えられます。 と明かし、日本との違いに会場は驚きに包まれていた。 また、映画の中でも登場する「人生、何が起こるかわからない」という言葉に LiLiCoさん:ホントそう! 1秒後に何があるかもわかんない!人生、何が起こるかわからない。 だが、LiLiCoさんは、このことについて、人生で最大の後悔を告白。 LiLiCoさん:スウェーデン語が母国語で、小学生で英語、中学生でドイツ語、高校でスペイン語を習ったけど、母に日本語を勧められても『え? 日本語? 必要ないよ』ってすごく態度悪く言ってたんです(苦笑)。普段、後悔ってしないけど、それだけは本当に後悔してます。子どもの頃から日本語を習ってたら、もっと早く何とかなってたんじゃないかなって。(日本で以後とが軌道に乗るのに)23年かかったし、いまだに初めて聞く言葉や、うまく言えない言葉があることにイライラします。 と残念そうに語りました。 |
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『20センチュリー・ウーマン』
は6月3日(土)より絶賛公開中。
物語・・・ |
監督・脚本:マイク・ミルズ『人生はビギナーズ』
出演:アネット・ベニング『キッズ・オールライト』、エル・ファニング『ネオン・デーモン』、グレタ・ガーウィグ『フランシス・ハ』、 ルーカス・ジェイド・ズマン、ビリー・クラダップ『スポットライト 世紀のスクープ』
提供:バップ、ロングライド
配給:ロングライド
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