公開中の映画「アズミ・ハルコは行方不明」の松居大悟監督と、ロマンポルノリブートプロジェクトの一貫として「ジムノペディに乱れる」が公開中の行定勲監督が上映劇場でもある新宿武蔵野館に集結!
女性の生き様を描くという点で、共通点もある2作の監督同士によるトークイベントを実施いたしました。 日時:12月14日(木) |
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『アズミ・ハルコは行方不明』上映後満席の会場から拍手で迎えられた松居大悟監督と行定勲監督。
本作の脚本をつとめた瀬戸山美咲さんから話を聞いていたという行定監督は開口一番 行定監督:面白かった! という行定監督の絶賛に 松井監督:今までの作品とくらべて、賛否の”否”の筆圧が強くて・・・ とエゴサーチを繰り返しネガティブな意見に心を痛めていた松居監督は笑顔。 行定監督:グラフィティアートとかも微妙にダサいし、革命を起こす気とかもないわけですよ。でもそういう無意味な行動がふとしたきっかけで流行して、後付で意味を持ち始めるということにリアリティを感じました。グラフィティと少女ギャング団が関連付けて広まり、別の意味を持っていく。実際社会はこうやってできているんだよね。この映画は社会派だなと思いました。例えば、すごい怖い登場人物が殺人を繰り返して、最後慟哭!みたいな映画が社会派と思われがちだけど、あれはヒューマニズム。キャラクターの生き方を描いているだけであって社会派ではないんですよ。 と断言。 これに対し 松居監督:身の回りの出来事を描くことが多いのですが、個人を通して社会を描くことの方が大事だと思っています。 と共感。 行定監督は続けて 行定監督:この映画を観ると、何だか大きなものが見える気がする。 と話すと、 松居監督:この映画は、理屈ではなく、そこを超えて飛び立つ映画にしたかったんです。 と応える。 |
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続いて話題は役者たちに。
行定監督:タイトルを聞いた時、不在の主人公を巡ってまわりが動く話だと思っていて、蒼井優の出番なんて少ないのかなと想像していたら全く違いましたね。この手はなかなか思いつかない。蒼井優さんはかっこいいし、いい年の重ね方をしているなと。あとは、高畑充希さんのウザさが絶妙。そしてラストシーンが爽やか!最後のアズミハルコの在り方が心地よくて。そしてすごくリアル。若い3世代の女性の気持ちがすごく分かる! と俳優陣も絶賛する行定監督。 行定監督:松居さんは、本当はもっと時制をバラバラにしてやれ!と思ってやってない?時系列がバラバラで、思わせぶりなシーンがいっぱいあって良い!映画は思わせぶりじゃないとね、先が読めてそこに着地する映画が世の中から褒められているけど、こういう映画がガーンといってくれないと困る。海外でも熱狂で迎えられると思います。だってこんなチャレンジをする奴は他にいないからね。(アジアでは)ホン・サンスも時系列がバラバラな作品を多く撮っているけど、違うものを生んだよ!クライマックスに向けてちゃんと、厚みがあって。これはまったく新しい映画になっています。 とホン・サンス超えに太鼓判をいただきイベントは幕を閉じました。 映画「アズミ・ハルコは行方不明」 ロマンポルノリブートプロジェクト 初日舞台挨拶の模様 |
出演:蒼井優 高畑充希 太賀 葉山奨之 石崎ひゅーい
菊池亜希子 山田真歩 落合モトキ 芹那 花影香音 /柳憂怜 国広富之/加瀬亮
劇中アニメーション:ひらのりょう
音楽:環ROY
監督:松居大悟(『ワンダフルワールドエンド』『スイートブールサイド』『私たちのハァハァ』)
原作:「アズミ・ハルコは行方不明」山内マリコ(幻冬舎文庫)
©2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会