『歓待』『ほとりの朔子』『さようなら』など話題作を世に出し、本作で小説家デビューも決定した深田晃司監督。 その圧倒的な人間描写で“家族”を問い直す、2016 年最大の衝撃作。それが『淵に立つ』 。
現在、開催されている第29回東京国際映画祭にて、主演女優の筒井真理子さんと深田晃司監督が上映後 Q&A に回答! 『淵に立つ』東京国際映画祭Q&A |
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すでに公開済みの作品ですが満員の客席。
『淵に立つ』というタイトル素晴らしいですが・・・ 深田監督:ニーチェの「深淵をのぞき込むの者は、逆に深淵からのぞき込まれている。」という言葉があります。それではないかと言われていますが、実は私が所属する劇団青年座の平田オリザの言葉からです。新人研修の時に。表現をするものは、人の心の闇に近づかなくてはと。でも、闇に飲まれては表現はできなくなるので、ぎりぎりの「淵に立つ」のが重要だと。この映画がお客さんと一緒に淵に立ってのぞき込む作品になればいいなとあらすじを書きました。 筒井さんは凄い演技でしたが、肉体的にもずいぶん頑張られましたが。 筒井さん:撮影前の段階で、苦悩とか絶望を背負いきれるかと思ったので、気持ちを追い込むだけでなく。肉体からも変えたいと監督に話をしました。 監督:こちらとしては映画の中で8年間の経過があるのですが、3週間でその重みを表現しなくてはいけない。筒井さんが自ら13㎏体重を増やしていただいて。ですので、テロップで8年後・・を入れていたのですが、フランス人がわかるからいらないと。で、外しました。でも、1か月後に元に戻っていた時の方がびっくりしましたけど。 と、撮影エピソードを語りました。 そして話題は、赤と白の対比。色の話に・・・・ 監督:浅野さんからの提案で白いシャツの下に赤いTシャツ。使えるなと。それは、中盤以降、浅野さんがいない中でも、浅野さんの存在に支配されている雰囲気が重要だったので。赤は、いろいろなところに仕込まれています。 監督は、色の重要性を「風の谷のナウシカ」のように色の変遷だけで、物語になることを意識したそうです。 |
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Q&A観客
Q:終わり方にびっくりしたのですが。どういう考えで作られていますか? 監督:100人が観たら100通りの見え方の映画にしたいんです。映画は観客の想像力の綱引きだと思っていて、いかに引き出せるか。もしくは鏡のようなもの。教えるのではなく自分が見ることで気づ気をと。思っています。
太賀さん:自分が演じる役で、重要なのは無自覚だということで、その意識をもって、筒井さんと古館さんに向かいました。 筒井さん:そこに演技をしていると言うよりも役としている。凄い役者さんばかりだったので。そこに居られたのは幸せな時間でした。 最後に、 監督:ぜひ見終わた後に議論や喧嘩の種になればと思っています。 |
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第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 審査員賞受賞!
映画『淵に立つ』 10月8日(土)より、有楽町スバル座ほか全国ロードショー 公式HP: 郊外で小さな工場を営む夫婦とその一人娘。ある日、夫の旧い知人だという男がやって来て、奇妙な共同生活が始まるが、やがて男は残酷な爪痕を残して去っていく。 |
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<第29回東京国際映画祭 開催概要> 開催期間:10月25日(火)~11月3日(木・祝) 会場:六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)ほか都内の各劇場および施設・ホールを使用 公式サイト: |
浅野忠信、筒井真理子、太賀、三浦貴大、篠川桃音、真広佳奈、古舘寛治
主題歌:
HARUHI「Lullaby」(Sony Music Labels Inc.)10月5日配信リリース決定!
小説:
「淵に立つ」深田晃司著(ポプラ社/2016年9月15日発行)
撮影:根岸憲一(J.S.C)
録音・効果:吉方淳二
美術:鈴木健介
音楽:小野川浩幸
サウンドデザイナー:オリヴィエ・ゴワナール
スタイリスト:村島恵子
プロデューサー:新村裕、澤田正道
エグゼクティブプロデューサー:福嶋更一郎、大山義人
制作プロデューサー:戸山剛
ラインプロデューサー:南陽
制作プロダクション:マウンテンゲートプロダクション
助成:文化庁文化芸術振興費補助金
配給:エレファントハウス、カルチャヴィル
宣伝:マジックアワー
2016年/日本・フランス/日本語/ヨーロピアン・ヴィスタ/DCP/119分