奇跡的なプレーで戦争を停戦させ、20世紀最高のアスリートと評価を受けるサッカーの王様“ペレ”。
その誕生を描く映画『ペレ 伝説の誕生』が7月8日(金)より、TOHOシネマズシャンテ他にて全国公開となります。 そして、本作を一足先にご覧頂いたセルジオ越後さん登壇のトークイベントが行われました。 セルジオさんは、ペレ来日時は通訳を務めるなど親交が深く、ペレの人柄や当時のブラジルサッカーについて、またリオ五輪に向けた親善試合でブラジルとの対戦を控えた若き五輪日本代表についてもたっぷり語りました。 映画『ペレ 伝説の誕生』公開記念 セルジオ越後登壇トークイベント |
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MC:本作の感想について
セルジオさん:この映画での“ペレ”には、プレーだけでなく、彼の子供時代や仲間の絆、育てられた家庭環境なども描かれている。”人間・ペレ”がそこにあり、この絆や家族愛に涙が誘われる。あっという間に時間が過ぎてしまった。 MC:ペレのプライベートについて セルジオさん:釜本さん(釜本邦茂)の引退試合の時に、ペレの通訳を頼まれたんだ、国立競技場でね。当時は(今みたいに)ポルトガル語を喋る人が少なかったからね。スーパースターとしての生活をこなしながら自分の演出もうまいし、まわりに気を遣える人なんだ。映画をみたみなさんはお分かりになると思うが、優れた両親のもとで育てられてきたことも影響されているだろう。ただ、「スーパースターの生活は大変なんだ」と、愚痴をこぼしていたよ(笑)周囲の人に気を遣って、外ではお酒も飲めないし、食事は高級なお店に連れていかれるが、本当はそういう店ではなくて、焼き鳥が食べたいんだ、と言っていた笑。気分転換するのが難しくて、なかなか孤立した生活を強いられていると。その中で、周りの期待に応える自分のブランドをこれほどまでに長い期間保ち続ける姿がとても印象的だし、素晴らしい。 MC:プレジルにとって”ペレ”の存在とは セルジオさん:もはや文化の一つではないかな。一番活躍している選手は、結局ペレに憧れてプレーをやって、その選手に憧れて次から次へと新たなスターが誕生している。背番号10番というステータスを作ったのはペレで、きっと日本の本田もそう思ってると思う。永久欠番ではないけど、何世代にかけて背番号と名前が残っていく。スーパースターからスーパースターへ、元はペレからだ!というところが証明していると。今のネイマールもそうだと思う。同じFCサントスでペレの後継にして歴史を引き継いてる。ただ、ペレの名を超えられるまでの選手が出てこない、それがペレの偉大さを物語っている。世界中にあれだけ認められたサッカー選手っていないでしょうね。 |
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MC:W杯、サッカー日本代表へのコメント
セルジオさん:リオ五輪開幕のちょっと前にブラジル代表との親善試合が決まったらしいが、大丈夫でしょう、今のブラジル代表にはペレがいないから。(会場爆笑)ブラジルはつい最近監督が変わったばかりだし、どんな差があっても諦めることはない。失うものもない。マイアミの奇跡も二回起こせば、もはや奇跡ではない。ただ、ブラジルに勝っても五輪の予選で負けたら何の意味もない。今回は、ブラジルに勝って、メダルに近いところまで上り詰めてほしい。また、個人的にも日本を応援している。なぜなら、日本が勝ったら仕事が増えるから。(会場また爆笑)こんなプロ意識を選手たちにも持っていてほしいな。(笑) MC:(一般の方からの質問)「今の日本代表に足りない物はなんだと思いますか?」 セルジオさん:レベル的に足りない、と言ってしまうと簡単だけど、日本が世界のトップの国に近づくためには、環境そのものが向こうと似てないと難しいしね。ブラジルは学歴社会じゃないからサッカーが出来るし、学校でサッカーをやらないから自由にプレーできる。日本はちゃんとした学校に行きつつ世界一を目指す訳だから難しいよね。日本でプロを目指すには自営業の息子とかじゃないと難しいね笑。国そのもののサッカー環境を変えなきゃね。 最後に セルジオさん:この映画に出会ってタイムスリップした喜びがあった。そしてこの映画を通して、今の日本の若い人たちにはサッカーをする環境について改めて考えてみてほしい。貧しい村だけど毎日仲間と遊び、サッカーをする。そして絆が深くなり、自分がプロになれなくてもペレが羽ばたくことにまわりが喜びを感じている。サッカーをする環境はどんどん変わってきていて、ブラジルでもサッカーをやってない子が多くなった。みんな立派なスパイクで、芝生のサッカー場で、高級車でベビーシッターが出迎えもしながらサッカーをやっているらしい。日本も似ていると思う。そうなっていくと、ハングリーさも足りなくなる。サッカーをするために人間がどのように成長すれば良いのか、モノの価値観はどういう順番で覚えればいいのか、この映画を観て学んで欲しい。また、サッカーは苦労のためではなく、喜びを得るためにやるのだと、感じて欲しい。ペレはああいう環境で育てられた土台があった上に、チャンスが訪れた際、それをモノにできる運と実力があったからこそスーパースターになれたと思う。この映画は、日本のサッカーが羽ばたくための資料になり得るのではないか。名前は知っているけど、野球界の長嶋さんや王さんのプレーを実際に見ている子供は少ない。これと同じで、世代が変わってきても、ペレが残した偉大な業績、ペレの凄さを伝えていく、知っていることが大切なんだ。 と、最後の最後までセルジオ越後さんのペレ愛、サッカー愛に満ち溢れたトークイベントは、大興奮のうち終了となりました! |
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映画『ペレ 伝説の誕生』
スラムしか知らない17歳の少年は、絶望の淵で“禁じられた切り札”を選択する。 【ペレの偉業とは?】 7月8日(金)TOHOシネマズシャンテ他、全国ロードショー! |
製作:ペレ、ブライアン・グレイザー
脚本・監督:ジェフ・ジンバリスト 、マイケル・ジンバリスト
撮影:マシュー・リバティーク
音楽:A・R ラフマーン
キャスト:
ケヴィン・デ・バウラ
ディエゴ・ボネータ
コルム・ミーニイ
セウ・ジョルジ
ヴィンセント・ドノフリオ
ロドリゴ・サントロ
2016年アメリカ/107分/スコープサイズ/5.1chサラウンド
日本語字幕翻訳:風間綾平
配給:アスミック・エース
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