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『第3回 日本ホラー映画大賞』

株式会社KADOKAWAは、“ホラー”ジャンルに絞った一般公募による日本初のフィルムコンペティション『日本ホラー映画大賞』を開催、令和の新しいホラー映像作家の発掘・支援を目指しています。

そしてこの度、「第3回日本ホラー映画大賞」の大賞並びに各賞の発表と授賞式が、11月16日(土)グランドシネマサンシャイン池袋にて開催されました。第1回大賞受賞・下津優太監督は今年1月19日『みなに幸あれ』にて、第2回大賞受賞監督・近藤亮太は来年1月24日『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』にて商業映画監督デビューを果たし、ホラー界隈での注目と存在感が高まっております。

そして、本日行われた第3回の授賞式には、選考委員長の清水崇、選考委員の堀未央奈、FROGMAN、小出祐介、宇野維正、ゆりやんレトリィバァ、そして各賞受賞者が登壇しました。

大賞受賞者は、オリジナルストーリーでの商業映画監督デビューが約束されている賞とあって、前回、前々回に増してハイクオリティで気迫に満ち溢れた作品が揃いました。
片桐絵梨子監督が大賞「第3回 日本ホラー映画大賞」授賞式
「第3回 日本ホラー映画大賞」授賞式
日程:11月16日(土)
場所:グランドシネマサンシャイン池袋 シアター6
登壇:
選考委員長/清水崇
選考委員/堀未央奈、FROGMAN、小出祐介(Base Ball Bear)、宇野維正、ゆりやんレトリィバァ
各賞受賞者

映画情報どっとこむ ralph イベントレポート
栄えある第3回日本ホラー映画大賞には、片桐絵梨子監督の『夏の午後、おるすばんをしているの』が輝いた。選考委員長の清水は「彼女の事は20代の頃から知っていて、ずっと推していた監督でした。なのでここに来て大賞ということでビックリしました。審査員全員でこの作品が大賞で間違いないということで、やはり彼女には才能があると再確認しました」と大感激。片桐監督も「この映画は子供の頃の不安や孤独の記憶について夏の情景の中で描きたいと思ったところからスタートしました。小さな奇跡の瞬間を積み重ねて完成することが出来て、私にとっては宝物のような作品です。それが大きな映画館で上映されて、皆さんに見ていただいて、さらにこのような賞を頂けて本当に嬉しいです。これを励みに新しい映画を作っていきたいです」と志を新たにしていた。
片桐絵梨子監督が大賞「第3回 日本ホラー映画大賞」授賞式片桐絵梨子監督が大賞「第3回 日本ホラー映画大賞」授賞式
将来性を感じさせる作品に贈られる「選考委員特別賞」に輝いたのは、澁谷桂一監督の『蠱毒』。
“オトナ”になる前の荒削りで、尖った、最新の感性とセンスを持つ原石の贈られる「ニューホープ賞」を受賞したのは、峰尾宝監督による『fataL/ファータル』。

前例のないアプローチに果敢に挑み、新しいホラー体験を与える作品に贈られる「株式会社闇賞」を受賞したのは司馬宙監督の『リフレイン』。
映画情報プラットフォーム「MOVIE WALKER PRESS」のホラー特化ブランドとしての
視点で、観る者が怖さを「楽しめる」映画ファンに広く愛される作品に贈られる「PRESS HORROR賞」を受賞したのは及川玲音監督の『闇の経絡』。

映画好きが思わず感想を語りたくなるような短編作品に贈られる「シネマンション賞」を受賞したのは小泉雄也監督の『異星人回鍋肉』。

観終わってからも後を引く演出、シーンやセリフがある作品に贈られる「豆魚雷賞」を受賞したのは増本竜馬監督の『2階に恐竜がいる』。

未来のサム・ライミ、ジェームズ・ワンになれるような、興行的な成功の可能性を秘める監督に贈られる「シネマサンシャイン賞」を受賞したのは『東京から西へ100マイル』のヤマモトケンジ監督。

斬新なホラーキャラやホラー造形に着目したキャラクタービジネスとして将来性を感じられる才能に贈られる「ギークピクチュアズ賞」には、辻知広監督、碇山薫人監督、長田渉監督の『逆廊』が選ばれた。

第3回の選考を振り返って清水は「3回目になって応募作品のレベルが格段に高くなった。大賞や選考委員特別賞と同じ点数の作品が多数あった」と応募作品の質の向上を実感。

宇野も「3回しかやっていないのに普通に考えてこの賞はヤバい。これまで大賞を撮った監督の長編映画監督デビューが実現し、なおかつ商業的に素晴らしいというのは凄い」と舌を巻き、小出も「去年に比べて選考会も熱く楽しく長かった」と白熱ぶりを伺わせた。

堀は「シンプルに怖い作品が沢山あって、応募作のクオリティが上がっている」とし、ゆりやんレトリィバァも「すべての作品が怖いし面白い。沢山の人たちが怖い視点を突き詰めて作るとこんなにも沢山のホラーが生まれるんだと感動しました」と驚き。

FROGMANは「3回目にもなると審査のレベルも上がった。3回目でこれなので、この先10年、20年経ったらどうなるのかと空恐ろしい」と日本ホラー映画大賞の末永い継続を期待していた。

また清水は今回の応募作品の傾向について「じっとりジメっとした作品が多かった」と分析し「観客に答えをゆだねる系の作品が多く、もっと派手にエンタメしているものがあってもいいのではないかという声もあった。商業映画でやっていきたいのであれば、エンタメとしてハッキリしたものを作るバランスも大切」などと後進にアドバイスした。

一方、ゆりやんレトリィバァは大賞受賞作『夏の午後、おるすばんをしているの』について「本当に怖くて大好きな作品。勝手にジャンルを作るならば“コワ可愛いファンタジーコワ”。自分が子供の頃に不安に思ったことを、映画を通して改めて体験できて新しい感覚になりました」と絶賛した。

第4回に向けて宇野は「タイトルは重要。よくわからない横文字ワードだと、その時点でカッコつけているのではないか?と思ってしまう。そのような視点から考える事も大切」と挑戦者たちへ助言。

小出は「大賞を獲ると商業デビューできる賞なので、エンタメした派手な作品も見てみたい」と期待。

FROGMANは「今後AIと映像の融合も実践されていくと思うので、生成AIで作られたホラーにも期待したい」、ゆりやんレトリィバァは「高校生、小学生が思いついた怖い作品も見てみたい」、堀未は「完成度以上に作り手の想いや可能性を見て審査しているので、自分の見せたいと思うものを固定概念に囚われることなく表現してほしい」とエール。

清水も「色々な方々の挑戦を待っています。大賞受賞を目指して変に媚びたものを撮るのではなく、自分しか持っていない独特の怖い空気を持ったものを作れるのか。今回賞を獲った方々の作品は勉強になりましたので、第4回も楽しみにしています」と結んでいた。

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