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初日舞台挨拶
映画『沖縄狂想曲』は、2月3日(土)より新宿 K’s cinema 他全国順次公開しました。
本作は、沖縄と日本の現実に切り込んだドキュメンタリー作品です。
公開を記念して、2月3日(土)11:55から、新宿 K’s cinema にて、鳩山由紀夫元内閣総理大臣、太田隆文
監督がご登壇する初日舞台挨拶を実施いたしました。
映画『沖縄狂想曲』初日舞台挨拶(上映後)
日程:2月3日(土)
場所:新宿 K’s cinema
登壇:鳩山由紀夫元内閣総理大臣、太田隆文監督
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鳩山由紀夫、太田隆文監督登壇
本作は、原発問題を描いた『朝日のあたる家』の太田隆文監督が『ドキュメンタリー沖縄戦』『乙女たちの沖縄戦』に続いて、沖縄と日本の現実に切り込んだ問題作で、辺野古基地-問題、国際大学ヘリコプター墜落事故、オスプレー騒音・墜落問題、古くはコザ蜂起(暴動)、由美子ちゃん事件などの沖縄問題を取材し、元大手新聞-論説委員、沖縄の著名大学教諭、元市長、元県庁の幹部らが、大手マスコミが伝えない現実を徹底して解説。さらに沖縄県知事だった大田昌秀の挑戦。鳩山由紀夫元内閣総理大臣が「最低でも県外」と発言した真意を激白。れいわ新選組・山本太郎の驚きの国会質問も紹介する。
映画を見終えたばかりの満員の観客の前に登壇した鳩山氏は「沖縄以外の方々に見ていただければ日本の安全保障は変わるだろうと思い、私もいろいろお話しさせていただきました。監督、本当にいい作品を作っていただきました。感謝いたします。もう 1 度拍手しましょう」と観客に促し、温かい拍手を浴びた太田監督は「(昨年 3 月に脳梗塞になり生死の境をさまよったが)生きててよかったって感じです」と感無量な表情を浮かべた。また、『朝日のあたる家』を鳩山記念館で上映したことがきっかけで 2 人は知り合ったそうで、太田監督は「鳩山さんのことを的外れな批判をする人がたくさんいて悔しかったし、テレビも新聞も鳩山さんが(普天間飛行場の移設先は)『最低でも県外だ』って言ったことをしっかりと伝えず、何か誤解したような空気ができてしまって、それを今回伝えたいし、どういう思いでお話をしたのかを多くの人に伝えたという思いがありました」と取材をお願いした思いを告白。
これに、今でも多くの批判を浴びているという鳩山氏は「そういうことをバネにしながら私も生かさせていただいておりますが、原発の映画も作っていただいて、(沖縄問題も含めて)ある意味タブーに挑戦してくださっている監督の強さに私は感激いたしました。その中で取材もしていただいてありがとうございます」と太田監督に感謝し、「批判的な取材をしていただく方が圧倒的に多く、沖縄問題の真実や言えないこと、伝わらない部分が多かっただけに、映画にしていただいたことは私の人生にとっても大変ありがたいことです」と吐露した。
鳩山氏は、総理を辞任したあとも、何度も沖縄を訪れているそうで「『最低でも県外』と言って、それを実現できなかった最低なやつだと言われたわけですけど、自分自身が力不足でまた辺野古に回帰してしまって、当時、沖縄の方は『騙された』とお怒りになったわけですけど、それは当たり前だと思いますし、沖縄のために行動しようとした総理があまりおられなかった中で、私がやりたかったことはうまくいかなかったけれど、沖縄県民のみなさんに寄り添って行動してくれた総理だと少しずつわかっていただいて、沖縄のみなさんに優しく接していただいております」と打ち明け、「私は年に 4〜5 回は沖縄に伺って、当然のことながら辺野古の基地(建設現場)にも行って、(移設反対運動をする県民の)激励とか、一緒に行動させていただいています」と語った。
加えて、鳩山氏は、沖縄には日本を復活させる希望があるという思いを抱いているそうで「当然、米軍基地があるおかげで成り立っているお仕事をされている方もいらっしゃいますが、米軍基地がなくなった跡地にできた商店街が発展して経済が活性化されたという例があるわけです。それは事実であって、『米軍基地がなくなったら沖縄も困るでしょ』みたいなことを平気で言う人たちがいるんですけど、そんなことは一切ないんです」と言葉に力を込め、「あと 21 年で戦後 100 年になりますが、100 年経ってもまだアメリカ軍によって守られているのかと。それも誤解が多いんですけど、そういう日本でいいのかと。米軍基地のものは全部撤去されて、日本人が本当の意味で自立していけるような、そういう国にしていく。その 1 番重要な拠点、平和の拠点としての沖縄の役割というものを、私はみなさんと一緒に見つめていきたいなと、少しでもお役に立てればなと思っております」と熱い思いを語った。
続けて、鳩山氏は「今日のテーマではないかもしれないですけど」と前置きをし、「米軍基地だけじゃなくて、今は自衛隊も島の地域をミサイル基地にしていますが、私はこれもまったく意味のないことだと思いますし、もし戦争ってことになったときに、“ミサイルはここにあるんだ”と見せびらかすのが目的なのかもしれないですが、真っ先にやられてしまいますよ。そういうものをなんで今、沖縄に必要とするのか。自衛隊の基地も増強していくことも、私は非常に危ない行為だなと思いますね」と持論を展開した。
さらに、鳩山氏は「原発と基地問題は共通点が多くて、結局バックにアメリカがいるということです。映画にも出ていましたが、日米地位協定により、いつでも、どのくらいの規模でも、どのくらいの長さでも、米軍は日本の中に自由に基地を作ることができることになっています。同じように日米原子力協定というものがあって、そのおかげで日本は原発を簡単に撤去できないことになっていて、早い段階で原発のない日本にしたいと多くの方は思っていると思いますし、自然エネルギーでできる(電力をまかなえる)んですから、そうするべきだと思うんですが、米原子力協定があるのでアメリカがそれを認めなければやめられないようにできていて、ここも原発と基地の共通点で、日本という国が本当の意味で自立していない、独立国になっていない所以じゃないかなと思いますね」と観客に訴えた。これに、太田監督も「偶然なんですけど、原発の映画をやり、今回は沖縄問題を取り上げてみたときに構図が同じで、原発は電気が必要だからと、沖縄(基地問題)は他の国からの脅威があるからと。それはどっちも嘘で、金儲けしている人たちの言い訳だったりということが、映画を作ってきてわかったんですけど、その辺が多くの方に伝わっていないので、鳩山さんにもっと発信していただきたいですね」と期待を寄せると、鳩山氏は「私が発信するよりも、太田監督が映画を作って発信していただいたほうが。“映画の発信力ってすごい”とこの映画を見ながら感じたので、脳梗塞で命をかけて映画を作られている太田監督ですが、ぜひこれからも体には気を付けられながら、また映画を何本も作っていただきたいなと。この国を本当の意味で独立国にするためにお願いしたいです」と太田監督にエールを送った。
最後に、鳩山氏は「この映画が果たしてどのくらいの方に見ていただけるかが、まさにこの日本の自立にかかってくると思います。ご覧になったみなさんはぜひ『この映画はいいよ』『みんなで見に行こうよ』と広めていただくことが、この国を変える原動力になると思っておりますので、ぜひみなさん方のお力を貸していただければなと思っております」とアピールした。
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『沖縄狂想曲』
公式HP:
https://okinawakyosokyoku.com
K’s cinema 公式HP:
https://www.ks-cinema.com/
【解説】
沖縄で起こる数々の問題。辺野古基地-問題。国際大学ヘリコプター墜落事故。
オスプレー騒音、墜落問題。古くはコザ蜂起(暴動)、由美子ちゃん事件等。
多くの日本人、それら県民の苦悩を知る機会は少ない。
そんな沖縄問題を取材、有識者による徹底解説。元大手新聞-論説委員、沖縄の著名大学教諭、元市長、元県庁の幹部らが、大手マスコミが伝えない現実を徹底して解説。
さらに沖縄県知事だった大田昌秀の挑戦。元内閣総理大臣・鳩山由紀夫が「最低でも県外」と発言した真意を激白。
れいわ新選組・山本太郎の驚きの国会質問も紹介する。
原発問題を描いた『朝日のあたる家』の太田隆文監督が『ドキュメンタリー沖縄戦』『乙女たちの沖縄戦』に続いて、沖縄と日本の現実に切り込んだ問題作。
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太田隆文監督 Profile
1961年、和歌山県生まれ。62歳。
ロサンゼルスの南カリフォルニア大学(USC)に留学。帰国後、テレビドラマ、ビデオ映画を演出。
2003年、大林宣彦監督の映画『理由』でメイキングを担当。以後、大林監督を師事。
2006年、故郷・和歌山を舞台にした映画『ストロベリーフィールズ』を脚本、監督。
その後、地方を舞台にした青春映画を発表。『青い青い空』(2010)、『向日葵の丘1983年夏』(2015)、『明日にかける橋1989年の想い出』(2019)の脚本、監督を担当。
2013年、原発事故を題材とした『朝日のあたる家』では山本太郎が出演し大ヒット。
以降、社会派ドキュメンタリー『ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶』(2020)、『乙女たちの沖縄戦 白梅学徒の記録』(2022)を発表。ほとんどの監督作品は海外の映画祭で上映され、高い評価を受けている。
〈代表作品〉
『ストロベリーフィールズ』(2006)出演:佐津川愛美、谷村美月
『青い青い空』(2011) 出演:波岡一喜、草刈麻有、松坂慶子、長門裕之
『朝日のあたる家』(2013) 出演:山本太郎、いしだ壱成、並樹史郎、斉藤とも子、
『向日葵の丘 1983年・夏』(2015) 出演:常盤貴子、芳根京子、田中美里、藤田朋子、津川雅彦
『明日にかける橋 1989年の想い出』(2018) 鈴木杏、板尾創路、田中美里、藤田朋子、宝田明
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スタッフ
監督・構成:太田隆文
製作:鯛中淳
撮影・編集:三本木久城
企画:岩下秀雄
インタビュー:太田隆文・永田よしのり
撮影応援:富澤昭文
プロダクションマネージャー:小林良二
プロデューサー:太田隆文
提供:シンク アンド ウィル
制作:青空映画社
配給:渋谷プロダクション
語り:斉藤とも子・久場寿幸 声の出演 :水津亜子・嵯峨崇司・酒井康行
出演:宮本弘美・下地輝明・上原美智子・山城正輝・宮城弘・佐喜眞道夫・池上智海・知花昌一・永山博美・松田栄・長浜美枝子・恩河幸彦・津波竜斗・菊上元明・栩野幸知・宮島真一・岸本健・橋本美千代・大城定夫・大城貴代子・大田昌秀・金城実・高山朝光・石原昌家・比嘉幹郎・比屋根照夫・前泊博盛・松田恵子・井上あすか・山内和将・遠藤晃治・瑞慶覧長敏・屋良朝博・リリー・瑞慶覧長風・川満卓郎
山本太郎・鳩山由紀夫
©2024 シンクアンドウィル青空映画舎(日本:G:115分)
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