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トーク付き試写会

主演:岡山天音×監督:滝本憲吾の最新作『笑いのカイブツ』が、2024年1月5日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開となります。
笑いのカイブツ
公開を間近に控え、長編商業映画デビューを果たす気鋭・滝本憲吾監督と本作の撮影を務めた鎌苅洋一、モデレーターに映画評論家の森直人を迎え、映画の舞台裏と魅力に迫るトークイベントを行いました。
笑いのカイブツ
映画『笑いのカイブツ』滝本憲吾監督、撮影・鎌苅洋一氏 トーク付き試写会
日時:12月26日(火)
会場:ユーロライブ
登壇:滝本憲吾(監督)、鎌苅洋一(撮影)、モデレーター:森直人(映画評論家) ※敬称略

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トークイベント

上映後、会場内の拍手に包まれて滝本憲吾監督、鎌苅洋一が登壇すると、滝本は「今日はありがとうございます。一人一人に感想を聞きたい」、続いて鎌苅は「普段は人前に出る立場ではないのですが」と謙遜しつつ、「今日はこの映画をしっかり自画自賛したいと思う」といち早く作品を観に駆けつけた観客たちへ挨拶。

まず、モデレーターの森直人からツチヤタカユキの私小説を映画化したきっかけについて尋ねられると、滝本は「5年ほど前、エグゼクティブプロデューサーの成さんから『ツチヤさんの言っていることと滝本さんの言っていることが同じです』と、この企画を持ちかけられました。原作を読んでみて、不器用だけど正直な人だなと感じました。生身の人が題材なので、俄然やる気が出るなと。(ツチヤ氏については)実際に取材でご本人にもお会いしましたが、本当に原作の通りで、面白いなと思いました」と企画の立ち上がりを振り返る。
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続けて、同い年である撮影監督の鎌苅とのタッグについて、滝本は「鎌苅さんとは、元々気が合うような合わないような(笑)」と笑いを誘いつつ、「WOWOWの作品で初めて鎌苅さんとご一緒した際、イエスマンではなくしっかり自分の意思を持っていて信頼出来る人だと思いました。なので、今回、声を掛けさせていただいた」と長編デビュー作でもある自身の作品の撮影監督を決めた理由を明かした。鎌苅は「撮影に入る前に、原作者ツチヤさんのドキュメンタリー番組を見て、ぶっとんだんですよね(笑)正直、これ以上面白いものをどう作ろうと思いました」と撮影前を振り返る。それを受けて滝本は「映画的なカタルシスをどう構築するかはとても悩んだ。脚本の足立(紳)さんとも相談しました」と一人称である私小説を映画化するうえで、脚本の構成を練ったことを明かした。

森が、私小説である原作に比べ、映画ではツチヤを中心とした人間群像がしっかりと描かれている点に触れると、滝本は「だいぶ計算してやりました。当初はマーティン・スコセッシ的な、ツチヤが独白するような構成も考えていた。でも最終的に、そうした手法ではない形で映画表現をしたいと考えた」と振り返る。

2021年からスタートした撮影が、コロナ禍を挟んで1年ほど撮影期間が空き、その間で脚本が変わったという本作。
鎌苅は「1年空いたことで、より客観的な内容になっていった。原作にある感傷的な雰囲気が映画ではいい意味でなくなっていったと思う」と語る。
さらに、モデレーターの森が、本作のもつ雰囲気や主演の岡山天音の演技について、傑作『キング・オブ・コメディ』のロバート・デニーロや『ジョーカー』のホアキン・フェニックスを彷彿させると太鼓判を押すと、「撮影する上で参照したわけではないが、『キング・オブ・コメディ』は昔から好きなので嬉しいです」と滝本が思い入れを語りつつ、「天音くんの演技はどうでしたか?」と観客に投げかけると、客席からは大きな拍手が起こった。

“笑いに取り憑かれた男”という極限の役作りをした主演の岡山天音に対して、「天音くんは本当に大変だったと思う。僕たちスタッフは見守ることしか出来ないなか、ずっとずっと彼はツチヤという役を背負っていた」、鎌苅も「(ツチヤは)自分を追い詰めるということをやらなければならない役。相手との接続部分を狭くして追い詰めていくという中で、撮影が1年延期された前後で(岡山の演技が)劇的に変わった。
仕草ではなく、内面をより掘り下げていくような演技になり、研ぎ澄まされていると感じた」と岡山の演技を絶賛した。

さらに森が、劇中で仲野太賀、板橋駿谷演じるお笑いコンビ・ベーコンズの劇中漫才の漫才指導を
「M-1グランプリ2023」王者になった令和ロマンが手がけたという奇跡的な繋がりについて言及。
滝本は「そうです、狙ってました(笑)」と笑いを誘いつつ、ベーコンズの漫才シーンの撮影を振り返り「(令和ロマンは)熱心に教えてくれました。ベーコンズの漫才を傍で見ながら、『ここで客いじりしましょう』『コールしてみましょう』と細かくアドバイスをしてくれた。すごく頼もしかったです」と賞賛。

続けて、撮影現場での印象的なエピソードについて聞かれると、滝本は「現場でもみんな天音くんを気にかけていた。

同世代のキャスト達の友情の雰囲気を感じて、この人達とものづくりが出来るのは本当に素晴らしいなと思った」と胸が熱くなるようなエピソードを披露しつつ、最後に「この映画を観てぜひ色んな感想を持ってほしい。この映画をよろしくお願いします」と感謝の言葉で締めくくり、大きな拍手のなか舞台挨拶は終了した。

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映画『笑いのカイブツ』

2024年1月5日(金)テアトル新宿ほか全国ロードショー

@warai-kaibutsu

主演:岡山天音×監督:滝本憲吾×原作:ツチヤタカユキ

笑いに取り憑かれた男の類(たぐ)い稀(まれ)なる半生。
魂に突き刺さる衝撃の実話。

何をするにも不器用。人間関係も不得意なツチヤタカユキの生きがいは、「レジェンド」になるためテレビの大喜利番組にネタを投稿すること。
狂ったように毎日ネタを考え続けて、6年。
実力が認められてお笑い劇場の作家見習いになるが、笑いだけを追求し、常識から逸脱した行動をとるツチヤは周囲から理解されずに淘汰されてしまう。
自暴自棄になりながらも笑いを諦め切れず、ラジオ番組にネタを投稿する“ハガキ職人”になると、次第に注目を集め、尊敬する芸人から声が掛かるが──。
笑いのカイブツ

笑いのカイブツ

原作は、Web連載で熱狂的に支持され、書籍化された“伝説のハガキ職人”ツチヤタカユキ氏による同名私小説。
笑いにのみ人生を捧げる実在の人物の痛いほどに純粋で激烈な半生を、井筒和幸、中島哲也、廣木隆一など名だたる名匠のもとで助監督を務め、本作で満を持しての長編商業映画デビューを果たす気鋭・滝本憲吾監督が映画化する。
主人公のツチヤを演じるのは話題作への出演が続く、日本映画界に欠かせない実力派俳優・岡山天音。
さらに、仲野太賀、菅田将暉、松本穂香、片岡礼子と名優たちが集結、驚異的なアンサンブルで物語へと引き込む。
世の中の不条理にもがき苦しみながらも笑いに猛進するツチヤと、その熱量に突き動かされていく人たち。
観る者の魂に突き刺さる、圧倒的な人間ドラマが誕生した。

あらすじ・・・
笑いに人生を捧げるツチヤタカユキは毎日気が狂うほどにネタを考える日々を過ごしていた。念願叶ってお笑い劇場の小屋付き作家見習いになるも、愚直で不器用なツチヤは他人には理解されず淘汰されてしまう。失望していた彼を救ったのはある芸人のラジオ番組だった。番組にネタや大喜利の回答を送るハガキ職人として再びお笑いに人生をかけていた矢先、「東京に来て一緒にお笑いやろう」と憧れの芸人からラジオ番組を通して声がかかった。そんなツチヤは東京で必死に馴染もうとするが…。
笑いのカイブツ

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岡山天音
片岡礼子 松本穂香
前原滉 板橋駿谷 淡梨 前田旺志郎 管勇毅 松角洋平
菅田将暉 仲野太賀

監督:滝本憲吾 原作:ツチヤタカユキ『笑いのカイブツ』(文春文庫)
脚本:滝本憲吾、足立紳、山口智之、成宏基 エグゼクティブプロデューサー:成宏基 プロデューサー:前原美野里
音楽:村山☆潤 撮影:鎌苅洋一 照明:神野宏賢、秋山恵二郎 美術:安藤秀敏、菊地実幸 装飾:岩井健志 録音:齋藤泰陽、藤本賢一
衣裳:馬場恭子 ヘアメイク:楮山理恵 編集:村上雅樹 助監督:齊藤勇起 制作担当:後藤一郎 宣伝写真:三宅英文
企画・制作・プロデュース:アニモプロデュース 企画協力:文藝春秋 製作:「笑いのカイブツ」製作委員会
配給:ショウゲート、アニモプロデュース  宣伝協力:SUNDAE

©︎2023「笑いのカイブツ」製作委員会
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会
2023年/日本/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー/116分/映倫区分G

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