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庵野秀明 特別解説付き上映イベント

現在公開中の『シン・仮面ライダー』。
脚本・監督を庵野秀明が務め、本郷猛/仮面ライダーを池松壮亮、緑川ルリ子を浜辺美波、一文字隼人/仮面ライダー第2号を柄本佑が演じる。
現代日本における最高のキャスト・スタッフが心血を注ぎ、生み出した『シン・仮面ライダー』。ついにそのベールを脱ぎ、興行収入は20億を突破。歴代の「仮面ライダー」映画史上最高記録している。

この度、庵野秀明監督による特別解説付き上映イベントを行いました。
イベントでは、本作の脚本・監督を努めた庵野秀明と、庵野監督作品への縁が深く本作ではイチローの母役を演じた市川実日子が聞き手役として登壇。市川が監督に質問する形での進行しました。
シン・仮面ライダー
映画『シン・仮面ライダー』庵野秀明 特別解説付き上映イベント
日時:4月29日(土)
会場:新宿バルト9
登壇:庵野秀明(脚本・監督)、市川実日子

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庵野秀明監督、市川実日子 登壇

●第一問目

(ルリ子が劇中で話す)「ところがぎっちょん」って何ですか?
監督「昭和の時代のギャグなんですが、設定としてルリ子はお父さんとイチローとしか会話していないので、お父さんが言っているのを真似しているんです。
あと、浜辺さんがこのセリフをいったら可愛いかなと」

●第二問目

様々なポスターがあるなかで仮面ライダーのマスクがアップになっているポスターが好きです。あれはどの仮面ライダーなのですか?
監督「大量発生型相変異バッタオーグです。マスクのアップにしようと思ったのは石ノ森先生の描かれている「仮面のアップ」の絵が印象的だったので、それを引き継ごうと。あれはCGで作っているのですが、最初にイメージを送る際に大量発生型相変異バッタオーグのマスクしかスタジオになかったので、それを写真に撮って送ったら、CGスタッフがそのデータで作っていたんです。」
市川「でもそれは庵野さん的に面白いと思ったということですか?」
監督「面白いと思ったのと、逆光にすればいいかと(笑)でも目ののぞき穴の部分だけ本郷(池松壮亮)のCGデータがあったのでそれを入れ込みました」

●第三問目

『シン・仮面ライダー』を撮ると決まった時に1971年版の「仮面ライダー」はご覧になりましたか?
監督「『シン・仮面ライダー』が決まる前からずっと観ているのでわざわざは見ていないです。本放送も見ていましたが、再放送の度に観ていました。再放送が島根の親戚の家で観られるとなったら、わざわざ島根まで行って観ていました。その時観たのがハエ男の回でした(笑)」
市川「大人になってからどうしていたのですか?」
監督「レーザーディスクを購入してからは、繰り返し観ていました。24、5歳くらいのときから定期的に観ています。しんどい時や疲れた時に仮面ライダーのアクションをみて元気を出しますね。」
市川「共感できる方いらっしゃいますか?」(会場から大きな拍手)

●第四問目

変身して仮面ライダーになると顔や腕が変化しますが、なぜ首はそのままなのですか?
監督「時間がなくて、叶いませんでした。時間あればやりたかったです」

●第五問目

仮面ライダーの精神性に心救われることはあるか
監督「精神的にも肉体的にもしんどい時には、仮面ライダーを見て自分を元気づけます。」

●第六問目

作中でスマホが出ていなかったり、クモオーグが乗っている車から、本作は昭和が舞台なのかが気になりました
監督「政府の男や情報機関の男が一瞬取り出したのでスマホはあるのですが、色々なことがSHOCKERに傍受されてしまうので主人公たちは使わないですね。車が古いのは、実相寺(昭雄)監督の愛車をスタッフが大事に乗っているもので、その車が走れるうちに映像に残しておきたいという思いからです」
市川「現代ですよね?」
庵野「だいたい「今くらい」ということで」

●第七問目

『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』では明朝体のテロップがありましたが今回無かったのはなぜですか?
監督「『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』はテロップが入っているほうが、客観性があって良いのですが『シン・仮面ライダー』は内面を描く作品なのでテロップは似合わないので外しました」

●第八問目

今回の「SHOCKER」(「Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling」)は、「SHOCKER」の名称から組織の目的を当てはめたのか、元々の組織の目的を踏まえて「SHOCKER」の綴りを当てはめたんですか?
監督「後者です。脚本協力をやってくれている山田胡瓜さんがふさわしい単語をうまく当てはめてくれました。」
小出プロデューサー「SHOCKERがどういう組織かという定義が企画の段階から話し合っていたようです」

●第九問目

仮面ライダーの造形的な魅力はどこですか?
監督「造形的な魅力は「異形」ということですね。目が大きいとか。今回はオリジナルのバランスを踏襲し、目の大きさにはこだわりました」

●第十問目

ライダー達はなぜトレンチコートを着用してるのですか?
監督「今回は「防護服を着たままにする」という設定にしてあります。普段はコートで防護服を隠している設定です。ビジュアル的にもアクションの際にコートが動くのが良いと思ったので、コートを着用させました」

その後、イベントでは庵野監督がセレクトした未公開シーンの映像などがサプライズで上映された。
今回上映された映像の一部については今後、WEB上でご覧いただけるように映画公式にて準備中。

イベントの最後に市川は、「すごいこんな暖かい拍手をいただけて、出る前は2人だけだし、聞き手役もやったことなかったので、すごい緊張していたのですが、暖かい気持ちで私自身も楽しんで一緒に時間を過ごすことができました。ありがとうございました!」、監督も「こういうイベントは『式日』以来であんまりやっていないのですが、この作品をすごく好きでいてくださる人のおかげで、このような機会を作ることが出来ました。感謝の気持ちを、今日のような話で少しでも返せればと思っています。また機会があればよろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました」とコメントし、イベントは終幕した。

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『シン・仮面ライダー』

公式サイト:
https://shin-kamen-rider.jp

公式ツイッター:
@Shin_KR/

公式アプリ「SHOCKER」:
https://shocker-app.c-rayon.com/

望まぬ力を背負わされ、人でなくなった男。与えられた幸福論に、疑問を抱いた女。
SHOCKERの手によって高い殺傷能力を持つオーグメントと化した本郷猛(池松壮亮)は、組織から生まれるも反旗を翻した緑川ルリ子(浜辺美波)の導きで脱走。迫りくる刺客たちとの壮絶な戦いに巻き込まれていく。
正義とは? 悪とは? 暴力の応酬に、終わりは来るのか。
力を得てもなお、“人”であろうとする本郷。自由を得て、“心”を取り戻したルリ子。
運命を狂わされたふたりが選ぶ道は。
『シン・仮面ライダー』本ビジュアル

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脚本・監督 庵野秀明
出演:池松壮亮 浜辺美波 柄本佑
西野七瀬/塚本晋也 手塚とおる 松尾スズキ/森山未來

©石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

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