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公開記念トークイベントファッション業界のレジェンド、アンドレ・レオン・タリーの生涯を描いたドキュメンタリー映画『アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者』がBunkamura ル・シネマ ほかにて絶賛上映中です。 今回、公開を記念して3月18日(土)に本作のトークイベントが行われ、スタイリストの北村道子が登壇。 イベント概要日時: 3月18日(土) |
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北村道子登壇3月17日(金)の公開初日に本作を鑑賞した北村さんは感想を聞かれると「大変面白く観ました。」と述べ、「私は若い頃を知っているので、こんなに恰幅が良くなっていることにびっくりしました。」と続けるとその正直な一言に会場は笑いに包まれました。初めてアンドレを認識したのはインタビュー誌を通してで、アンディ・ウォーホルのサロン兼アトリエ”ファクトリー”でアシスタントをしていた時代。ウォーホルがアンドレを重宝していたのは「彼のトークが素晴らしいからではないか?」と推測し、「彼のお婆さんの影響も大きいと思いますが、どのような会話をしていたか想像がつきますよね。品格を学んでいったからこそ、インタビューでのトークが良かったのではないかなと思います。」とアンドレのルーツにも言及。作品を通して改めてアンドレの生きた場所や時代が北村さんの目にどのように写ったか問われると「ここで語られていないことが大事ですよね。」と回答し、「彼は何を必要としていたんだろう、ということを考えることが大事なんじゃないかと。」そして「彼が話をしていない時は、相手を分析しているんだと思います。だんだんトーク(のテンポ)が早くなっていくのは、迎え入れられているという意味ですよね。」と、この映画だからこそ見ることのできるアンドレの心が変化していく様などを挙げました。 3月13日(月)、プレミア試写会を行った『アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者』。アンドレと元「ヴォーグ」編集長ダイアナ・ヴリーランドとの関係性を話す中で、イベントに登壇した人気ブランドFACETASM(ファセッタズム)デザイナーー・落合宏理さんが”大きく影響を受けた方”として挙げたのが北村道子さん。 本作のキャッチコピー”ファッションは儚く、スタイルは永遠。”を起点に、話はデザイナーの仕事へ。アレキサンダー・マックイーンが40歳という若さで他界した際を例に挙げ「私だけじゃなくトム・フォードもショックだったと思うし、色んな形でみんなそういうことはある。だけど、喪失感があってもコレクションはパワフルだったりして、私とは違うんだなと。デザイナーは毎回(新しいものを)作っていかなければならないから。」と当時を思い返しながら答えました。「そういう意味で、デザイナーは死と生の世界をリンクしていると思うんですよね。アンドレが亡くなって、新たにそういう人がどこからともなく現れるかもしれない。彼もそうだったように、ある時突然ピックアップされるんだと思う。」とも話します。最後には、「アンドレが映画でも言っていたように、デザイナーは同じものは作らない。でもスタイルは続いていく。そのために4シーズンのコレクションをやっているわけです。永遠なんですよ。だから、”スタイル”を持ってない人はダメです(笑)」と笑顔で締めくくり、イベントは暖かな拍手に包まれるなか幕を閉じました。 |
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『アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者』2023年3月17日(金)、Bunkamura ル・シネマにて公開 |
監督:ケイト・ノヴァック
製作:アンドリュー・ロッシ(『メットガラ ドレスをまとった美術館』監督)
出演:アンドレ・レオン・タリー/アナ・ウィンター/トム・フォード/マーク・ジェイコブス/イヴ・サンローラン/カール・ラガーフェルド/ノーマ・カマリ/ヴァレンティノ・ガラヴァーニ/ウーピー・ゴールドバーグ/イザベラ・ロッセリーニ/ウィル・アイ・アム(ブラック・アイド・ピーズ)/ラルフ・ルッチ/サンドラ・バーンハード/マノロ・ブラニク/アンドレ・ウォーカーほか
2017/アメリカ/93分
英題:THE GOSPEL ACCORDING TO ANDRÉ
日本語字幕:柏野文映
提供/配給:リージェンツ
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