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東京初日舞台挨拶

この度、作品の舞台となる宮城県にて3月3日(金)より先行公開され、3月10日(金)より全国公開中の映画『有り、触れた、未来』。
この度、全国公開を迎えた3月10日に、東京での初日舞台挨拶が行われ、主演の桜庭ななみ、共演の北村有起哉、山本透監督が登壇しました。
有り、触れた、未来
日程:3月10日(金)
場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場
登壇:桜庭ななみ、北村有起哉、山本透監督、UNCHAIN10+1
UNCHAIN10+1メンバー
舞木ひと美、宮澤祐、賀谷亮祐、永田直人、平良太宣、中里広海、竹田有美香、横須賀一巧、高品雄基、相原伸哉、松代大介、林田龍真、林真里奈

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桜庭ななみ、北村有起哉、山本透監督

本作の制作経緯について山本監督は「話すと 3 日くらいかかります」と話した後、「2020 年にコロナが蔓延し始めた頃、自分の周りで命を絶つ俳優が続きました。歯止めがきかない状態で、一人の人間として大人として、そして映画監督として何かできることはないかと考え、映画を作ることを決めました」と簡潔にまとめた。
山本監督は、自身の周りに集まった多くの俳優、若者の姿に「自主映画でもやりたい!」と背中を押されたと振り返り、深々とお辞儀をしながら、一緒にやってきたことへの感謝を改めて伝えていた。
桜庭は山本監督の熱い思いが自分に響いたと笑顔を浮かべ、「台本を読んだ時に私が感じた“温かさ”のようなものを、映画を観る方に届けられるようにチームの一員として参加したいという思いがありました」と本作出演を決めた当時の心境を振り返った。本作について「ものすごいエネルギーの詰まった群像劇です」と話した北村は(自分が出演者を代表して)舞台挨拶のステージに立っていることは恐縮とコメント。「みんなが主役の映画です。登場人物はそれぞれの人生を背負っています。僕はそのひとつのピースにしか過ぎません。ボランティアの方も含め、たくさんのお力添えがあってできた映画です」と感謝。序盤から「ヤバイぞ、すごいものが出来上がるぞ」という熱量を現場で感じていたと興奮気味に語り、「言葉では説明できないくらい、胸いっぱいにさせていただいた作品になりました。こういう作品はなかなかありません。参加できて本当に良かったです」と胸を張っていた。

本作は3日より宮城県にて先行公開がスタート。
先行上映の舞台挨拶にも登壇した桜庭は「作品は宮城でのオールロケ。現地の方にすごくサポートしてもらいましたし、エキストラの方にもたくさん参加していただきました。宮城ならではの温かさを舞台挨拶でも実感しました。宮城だからこそできた作品です」としみじみ。先行上映の舞台挨拶では、会場内に映画に参加した子どもたちの姿もあったそう。桜庭演じる佐々木愛実は保育士役だったため、会場から「めぐみせんせー!」と声をかけられた、と満面の笑みを浮かべ報告。さらに「実は、私の母が保育士で。可愛いけど大変、とよく聞いていたのですが、その言葉の意味がよく分かりました」と役を通しての感想も伝えていた。

愛実は元バンドマンでもあるため、作中ではエレキギターを弾き、歌も披露している桜庭。「撮影に入る 2ヶ月前くらいから練習しました。監督は音楽にとても詳しい方。さらにこだわりもかなりあるので、ドキドキしながら演じました」という桜庭のコメントに山本監督は、「桜庭さんチームは楽器の個人練習からバンドの練習を、宮城では太鼓の練習をしているチームもいたし、演劇の練習をしているチームがあって。同時期にみんなあちこちで一生懸命練習していました」と出演者の頑張りを称える。その言葉に桜庭は「毎回、監督からみんなが頑張っている姿(の映像)を見せられて(笑)」と、離れていてもそれぞれ(のチーム)が刺激し合い、作品作りに挑んでいたと説明した。
北村は「映画にはこれでもかというくらい監督の思いが詰まっていて、まさにてんこ盛りです」とニッコリ。僕のパートは、手塚理美さん演じる祖母と娘(碧山さえ演じる里見結莉)とのシーンがメイン。娘役はオーディションで決まった方で、演技をするのは本作が初めて。(芝居について)何も知らない子が感情を思い切りぶつけてきたときには『本気で受け止めないと!』という思いが芽生え、とてもスリリングなシーンになりました。彼女から教わったことがたくさんありました」と撮影中に受けた刺激や、現場で込み上げた感情などにも触れた。北村の母役の手塚については「ちゃんと距離をとって見守ってくれて、一番偏ったことを言わない役。特に地元の方には(心に)すーーーっとしみ渡るようなセリフを口にする存在だと思っています」と解説。さらに作中に登場する“こいのぼり”をあげるシーンを挙げ、「自分の出番じゃないときも【UNCHAIN10+1(アンチェインイレブン・アシスタント)】がお手伝いしている姿が印象的でした」と総勢 22 名からの若手俳優からなるプロデューサーチームの活躍についても言及した。
桜庭は後半に登場する家族を思うシーンが忘れられないと話し、「もともと台本にはなかったけれど、愛実の感情を表現したくて監督と相談して出来上がったシーンです。思い入れ深いシーンなので、注目してほしいです」と呼びかけた。
山本監督は桜庭がギターに挑戦しながら、愛実の心の中の傷を落とし込んでいく様子を間近で見られたことが印象に残っているとコメント。北村については「名優である有起哉さんにすべてを預けました。有起哉さんチームの撮影初日は台風で中止になったのですが、あの1日があったから、里見家について考える時間ができました。台風をラッキーだと思った日です」と撮影の思い出を振り返った。

大切にしたい時間

イベントでは映画のタイトルにちなみ、ありふれているけれど、大切にしたい時間についてトークする場面も。北村は添い寝をしている自身の子どもが、パジャマのポケットに足を突っ込んでくると話し、「スポッと足が入ると、落ち着いてスーッと眠ってくれます。これが結構たまらなくて。息子も眠りますが、僕のほうが安心して寝つけているような感覚。ありふれたことかもしれないけれど、とても幸せを感じます」と優しい笑顔を浮かべ、「なんだか恥ずかしいな」と恥ずかしそうにうつむいた。桜庭は「家族との時間」と回答。「家族との時間はありふれていて、すごく当たり前の時間だけど、幸せな時間です。他愛のない会話、他愛のない電話、そんな時間に幸せを感じたいし、感じていきたいです」と幸せに満ちた表情を見せた。山本監督が大切にしたいのは「誰かとご飯を食べる時間」だとし、「家族、仲間と一緒に『おいしいね』を分かち合いたいです」と強調した。

最後の挨拶

桜庭は「震災復興の映画ではありません。でも、明日は 3 月 11 日。震災から 12 年が経ったこの日に
映画の公開を迎えられることには意味があると思っています。たくさんの人に届けばいいなという思いです」と呼びかけ、北村は「まだまだいろいろな作品が生まれていいと思います。今回、腹をくくったメンバーですごい映画ができました。映画を観たときは、特別元気がなかった状態ではなかったけれど、なんか元気が出ました。一人でも多くの方に観てほしいと率直に思っています」と感想を交えつつ作品をアピール。山本監督は「映画監督として、今の世の中で起きている最悪な状況をどうにか突破したいという思いがあります。ありふれるものを大切にする、たったそれだけのことが大事。映画から何かを感じ、その何かをみなさんと共有できることを幸せに思います」と思いを伝え、イベントを締めくくった。
有り、触れた、未来

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『有り、触れた、未来』

3月3日(金)宮城県先行・3月10日(金)全国ロードショー

懸命に”いま”を生きようとする人々の偶然の出会いから、命と向き合う複数の物語が交錯し、やがて感動のラストへ突き進む圧倒の132分間!

公式サイト:
@home

ストーリー
突然の事故で恋人を亡くした元バンドマンの女性。30歳を超えても現役を続けるボクサーとその妻。娘の結婚式へ出席したいと願う末期癌患者の女性。将来に不安を感じながら「魂の物語」を伝える若い舞台俳優たち。大災害で家族を亡くし、心に深傷を負ってしまった少女。全てを失い、生きる希望を亡くした父親。
家族を懸命に支え続ける祖母。心優しい親友と担任教師。たくさんの人々の想いを受けて、少女の心は、少しずつ変化し始めるー。
「有り、触れた、未来」ポスター

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監督・脚本:山本透
出演:桜庭ななみ、碧山さえ、鶴丸愛莉、松浦慎一郎、宮澤佑、金沢美穂、岩田華怜、谷口翔太、舞木ひと美、高品雄基、高橋努
麻生久美子、淵上泰史、入江甚儀、萩原聖人、原日出子、仙道敦子、杉本哲太、手塚理美、北村有起哉
原案:齋藤幸男 「生かされて生きる-震災を語り継ぐ-」(河北選書)
プロデュース:UNCHAIN10+1(アンチェインイレブン) 制作プロダクション: Lat-lon 配給:Atemo
©UNCHAIN10+1
アメリカンビスタ/上映時間:132分

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