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トークイベント舞台挨拶

この度、京都国際映画祭2021、大阪アジアン映画祭2022で上映され、好評を博したドキュメンタリー映画『遊撃 / 映画監督 中島貞夫』が絶賛公開中!本作は「くノ一忍法」(1964)で監督デビュー以後、「893愚連隊」、「にっぽん’69 セックス猟奇地帯」「懲役太郎 まむしの兄弟」シリーズ、「現代やくざ 血桜三兄弟」「木枯し紋次郎」、「鉄砲玉の美学」、「狂った野獣」、「極道の妻たち」シリーズ、「瀬降り物語」など、数々の傑作映画を生み出してきた映画監督 中島貞夫。先日、発表された第77回毎日映画コンクールにて、映画界での功績が認められ特別賞を受賞するなど注目を集めています。

この度、公開を記念しトークイベント舞台挨拶を1月29日(日)に実施いたしました!イベントでは本作のメガホンをとった松原龍弥監督、更にスペシャルゲストとして、映画「多十郎殉愛記」にて主演を務めた高良健吾さん、先日発表された第77回毎日映画コンクールにて映画『ケイコ 目を澄ませて』で日本映画大賞を含む5冠に輝いた三宅唱監督が登壇!巨匠・中島貞夫とは一体どういう存在なのか魅力たっぷりに語りつくしました!
「遊撃」舞台挨拶
映画『遊撃 / 映画監督 中島貞夫』トークイベント
日時:1月29日(日)
場所:テアトル新宿
登壇:松原龍弥監督/高良健吾(映画「多十郎殉愛記」主演)/三宅唱(映画監督)(映画「ケイコ 目を澄ませて」監督)
司会:ピクニック(お笑い芸人)

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松原龍弥監督・高良健吾・三宅唱

1月27日に初日を迎えた、映画『遊撃/映画監督 中島貞夫』。公開記念としてテアトル新宿でトークイベントを実施。MCを務めるお笑い芸人・ピクニックの呼び込みにより、中島貞夫監督 映画『多十郎殉愛記』のメイキングカメラマンを務め、本作の監督を務める松原龍弥監督、同じく映画『多十郎殉愛記』の主演を務められた高良健吾、本作の応援団として中島監督を敬愛する映画監督の三宅唱監督が登壇すると、劇場に詰め掛けた映画を観終わったばかりのお客様からは万雷の拍手が。
「遊撃」舞台挨拶
松原龍弥監督、三宅唱監督からの挨拶に続いた高良は『多十郎殉愛記』の撮影中に、中島貞夫監督が使っていたお手製の椅子を持参。「監督の指定席」と書かれ中島監督のサインが入ったお手製の椅子は、撮影クランクアップ時に中島監督からいただいたものだそうで、約5年前大事に保管していたとのこと。高良さんは「キッチンの前においてあるのですが、毎日座っています。僕の生活の一部です。こぼしたりして油もしみ込んでます(笑)」 と語った。

映画が公開された現在の心境について、松原龍弥監督は「テアトル新宿というこの劇場は学生の時から通っていた劇場で、この劇場で、高良さん・三宅監督と舞台挨拶させてもらいお客さんもたくさん来ていただいて感無量です」と感慨深げに語り、映画を観た感想について三宅唱監督は「劇場公開時に『多十郎殉愛記』を観てめちゃくちゃ好きだったのでそのメイキングが見えるということがイチ映画ファンとして嬉しかった。それと同時に、普通の映画のメイキングは撮影終了でおしまいだけれど、公開後の話まで映っているメイキングってありなの?と驚いた。松原監督の執念というか映画・中島監督への愛だと思うのですが。しかも、公開当時、(興行収入が)あまりよくないという事を話されていて、そのうえで「次どうする?」と話されているということがすごくスリリングで、「俺は映画をやっていくんだぞ」という大人達がかっこよく映っていて、映画はすごいな、映画を創る人たちはかっこいいなと改めて思った」 と語った。この三宅監督の感想を受けて高良は「自分も『多十郎殉愛記』の現場参加している当時は、中島監督の現場にいる幸せを感じてやれることはすべてやろうと思っていたけれど、結果がついてこなかったことに自分の中でひっかかっていた。だけどこの映画を観た時に、それでも前を向いている中島監督たちをみて、あの現場で学んだこと、中島監督から聞いていたチャンバラへの想いを、悔しいだけで終わるのではなくどこかで活かさなきゃいけないなと思いました。」と語り、松原監督は「映画のクランクイン前から撮影させてもらっていて、「この作品が世の中にどう受けいれられるかわからないけど秤になればいい」という言葉を聞いた時に、クランクアップで終わりではなくて世の中にどう受け入れられたかまで撮らないと誠実ではないと覚悟をきめ、監督の言葉の深さに感銘してこの映画ができました」とこの映画の成り立ちを語った。

高良は、『多十郎殉愛記』の撮影中のエピソードを振り返り、「中島監督のご自宅にお邪魔した時に5人ぐらいだったのに10人前ぐらい作ってくださってずっと食べているところ「出したものを食べろよ」と試されている気もして、一生懸命食べました(笑)そこから中島監督とより深い仲になれた気がします。現場も「中島監督のために」という雰囲気がすごくて、僕もその中の一人でした。」と撮影中の秘話を披露。三宅監督は、高良の話を聞き「この映画の中島監督を観て、現場が近づくにつれてどんどんいきいきしていく監督がすごかったです。「監督のため」という気持ちが(これまでは)分からなかったけれど、この映画での中島監督の姿を観ていて、分かった気がした。この人のためなら何でもしたいとスタッフが思える中島監督の魅力が詰まっていた。この映画は松原監督による、中島監督のドキュメンタリーであり、中島監督のスタッフへのドキュメンタリーでもあるなと感じている」と高良のエピソードを聞いて改めて本作の感想を述べた。

舞台挨拶中盤には、三宅監督が、高良・松原監督に「いろいろな現場をみられているお2人だからこそ聞きたいのですが、いい現場って何ですか?」と質問。三宅監督の映画『ケイコ、目を澄まして』のメイキングも務めた松原監督は「中島組や三宅組は「映画をみんなで作っている」というピュアな気持ちとその気持ちに基づくアクションが達成されている組。「映画をつくっているんだ」という空気に(全員がなることは)実はなかなかなくて、そういう組は撮影が終わるときには「終わっちゃうな」とスタッフが感じる。」と話した。高良は、「覚悟という言葉は簡単に使える言葉ではないと思うのですが、覚悟がある人達が多いのがよい現場だと思う。中島監督は覚悟してきた数がすごいと感じていて、『多十郎殉愛記』で言うと覚悟の多さと中島監督の歴史を感じました。例えば『多十郎殉愛記』の中の演出で、多十郎が逃げているシーンで監督が突然台本にもないのに「あっかんべーして」と言われて。疑問もなく納得して「あっかんべー」をした。それはたぶん、中島監督の覚悟や歴史を感じたから、なんの疑問もわかなかったのだと思う。映画が完成した後で、その「あっかんべー」で多十郎がどれだけ(キャラクターとして)膨らんでいたかを感じて驚いた。一言の演出で役者を納得させ、それがどのように広がったかを感じることができて、幸せに思った」と、中島組を振り返り語った。
「遊撃」舞台挨拶
最後に、高良から「この映画を観て当時の事を色々思い出して、色々できることが増えた今、また中島監督と映画を創りたいと思う」と熱く語り、松原監督から「皆様のお力があってこの作品が映画になった。まだ『多十郎殉愛記』を観られていない方がいれば、ぜひ観ていただきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。」と観客への感謝と『多十郎殉愛記』の魅力をアピールしイベントは大盛況のまま終了となった。映画界のレジェンドと呼ばれ、多くの監督・俳優・映画関係者に影響を及ぼしてきた巨匠・中島貞夫監督。絶賛公開中の、83歳となる中島監督の生き様綴ったドキュメンタリー映画『遊撃/映画監督 中島貞夫』をぜひご注目ください!

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『遊撃/映画監督 中島貞夫』

絶賛公開中

作品ホームページ:
@yugeki/

Twitter:
@yugeki_nakajima

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配給:吉本興業
出演者:
中島貞夫
高良健吾 多部未華子 倉本 聰 三島ゆり子 橘 麻紀 熊切和嘉 高田宏治 荒木一郎
監督・撮影・編集:松原龍弥 企画・プロデュース:古賀俊輔 プロデューサー:新野安行 音楽:田井千里
制作プロダクション:ザフール 2022 / 日本 / カラー / 16:9 / 2ch / 88分
©2022「 遊撃 / 映画監督 中島貞夫」 製作委員会

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