特別上映会イベント直木賞作家・井上荒野による、父である作家・井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴をモデルに男女3人の<特別な関係>を描いた傑作小説「あちらにいる鬼」が、この度主演・寺島しのぶ、豊川悦司、共演に広末涼子を迎え、廣木隆一監督・荒井晴彦脚本にて映画化、2022年11月11日に全国公開。 瀬戸内寂聴さんの一回忌を明日に控えた8日(火)に、廣木隆一監督と原作者の井上荒野さん登壇のトーク付き特別上映会を行いました。 |
|
井上荒野、廣木隆一監督登壇オレンジ色のネックレスを身に付けて登場した原作者の井上荒野だが、このネックレスは父・井上光晴がソ連土産として寂聴さんに贈ったものを、井上が譲り受けたものだという。「私が今これをしているなんて父も今びっくりしているでしょうね。」と話すと会場は笑いに包まれた。 タイトル「あちらにいる鬼」が当初から決まっていたタイトルなのかと廣木監督が井上に質問すると、当初「愛の鬼」という言葉を考えていたそうだが、「鬼はそれぞれの女とも捉えられるが、鬼ごっこのような意味合いもある。」とタイトルの意味について明かした。 実在した人物たちを演じた役者について井上は、「寂聴さんについては、もちろん似ていない部分もあるけれど、そこが寺島さんの解釈したみはるという人物像だと思います。豊川さんは顔も身長も全然違うのに、うちの父親に妙に似ていて、先日テレビで豊川さんを見た妹とも似てるよねと話していたんです。」と明かした。 光晴をモデルにした白木について、同じ男性の目線から廣木監督は「人を惹き付ける魅力がある人」と語り、実の父親について井上は、「今でいうクズであることは間違いない。ただみんな平等にあるべきだという意思だけは本当で、弱い人のためにいつも怒っている人だった。根源的に人間としていいところがあったんです。」と分析し、また「やさしいというか、想像力がすごい人だった。相手を見通す能力があって、これは寂聴さんとも話していたんですけど、いつも相手が一番喋って欲しいことを言うんですよね。」と笑顔で話した。 |
|
「あちらにいる鬼」
11月11日(金) 全国ロードショー 昨年11月、満99歳で波乱の人生を全うした作家・僧侶の瀬戸内寂聴。1960年代から人気作家・瀬戸内晴美として活躍した彼女が出家した背景には、同業者で妻子ある井上光晴との恋があった。出会うべくして出会い、互いにのめり込んでいくふたりと、全てを承知しながら心を乱すことのない男の妻。「あちらにいる鬼」は、同志にも共犯にも似た不思議な3人の関係を、光晴の長女、井上荒野が書き上げたセンセーショナルな物語だ。 物語 【瀬戸内寂聴(晴美)プロフィール】 |
出演:寺島しのぶ 豊川悦司/広末涼子
監督:廣木隆一
脚本:荒井晴彦
原作:井上荒野「あちらにいる鬼」(朝日文庫)
製作:「あちらにいる鬼」製作委員会
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
企画・制作:ホリプロ
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
©2022「あちらにいる鬼」製作委員会 R15+