映画情報どっとこむ ralph 『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』の黒川幸則監督最新作『にわのすなば GARDEN SANDBOX』を2022年12月10日(土)、ポレポレ東中野にてレイトショー公開となります。
にわのすなば
『にわのすなば』は、東京多摩市で映画の上映やシネクラブを続けるカフェバー・キノコヤが製作した第一回作品。2022年7月には、第33回マルセイユ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され好評を博しました。

友達の誘いで知らない町、十函(とばこ)にアルバイトの面接に訪れたサカグチは、理不尽な仕事を断って家に帰ろうとするが、なぜかすんなり帰れずに、町をさまよい謎めいた出会いと別れを繰り返す…。そんな<行先不明>のロードムービーです。引きこもり・自粛をせざるを得ない窒息しそうな社会から逃れ、たとえ無職で手ぶらでも、他者と共に愉快なひと時を過ごす、この映画はそんな時間を描き出します。

この度、メインビジュアルと場面スチールを解禁いたします。本情報の解禁に合わせ、メインキャストであるカワシママリノ、村上由規乃、新谷和輝のコメントも到着しましたのでご紹介。

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メインビジュアル

メインビジュアルは、“街歩き映画”でもある本作らしい、主人公・サカグチの頭部に、架空の街=十函の手描き地図をレイアウトした1枚。場面スチールには、工場の片隅でサカグチたちがダンスするシーンやサカグチと村上扮するヨシノが意気投合し公園で談笑するシーンをはじめ、サカグチが出会う個性的な面々―――その中には十函一の旧家に暮らすマスコさんを演じた風祭ゆきの姿も収められています。にわのすなば

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メインキャストのコメント

カワシママリノ(サカグチ役)

野良猫のように生きていた私は行き先など何も決めていなくて…言ってしまえば迷子だったのかな、けれどもその状況をどこか楽しんでいたように思います。そんなある日、黒川幸則監督と出会いました。川のほとりで杯を交わし、朝方まで町を遊歩。互いに手を振りそれぞれの道へ。今思うと私はすでに『にわのすなば』にいたのかもしれません。再び歩みを進めているうちにキノコヤに辿り着いていました。あなたはここにいていいのよ、と言わんばかりの包容力、私は安心しきってしまいました。ここにいたいな、大好きなみんなと生きたいな。そんな感覚は生まれて初めてでした。あたたかい気持ちを抱いているうちにキノコヤ映画の撮影現場にいて更にはカメラの前に立っていました。そして今では私演じるサカグチがスクリーンで生き続けています。愛すべき人々と『にわのすなば』で。

村上由規乃(ヨシノ役)

黒川監督をはじめ、この作品を共に作った全ての人たちと公開を迎えられることを幸せに思います。公開を前にして、いよいよこの作品を観ていただける喜びとともに、真夏のような日差しの照りつける”十函”の町を思い出します。思い浮かべた風景は、果たして一人で見たのか、二人で見たのか…。あやふやなまま、自分の中にだけ存在する見慣れた風景のようにも思えます。
そこに住む人にしか見えない一角と、初めて訪れた人だけに見える一角は、互いにその虚空を埋めあって別世界を生み出しているのかもしれません。
十函の町を誰かが歩く移ろいの中にそんなひとつの風景を見つけていただけたら嬉しいです。

新谷和輝(キタガワ役)

行きつけのお店で「映画に出ませんか」と誘われて、二つ返事で「ぜひ」と応えたら、思ってもみないところを歩いていました。みんな手探りのなかで、役者としてほとんど素人の私に不安はありましたが、このキャストやスタッフ、映画と一緒なら身を任せて迷ってもいい、という信頼のほうが大切でした。明確な筋書きやメッセージなどはないけれど、この映画に関わった人や場所そのものの経験が、作中の存在として響きあい、それぞれのおぼろげな地図を幾層にも重ねていく…まさにスタンド・アローン・コンプレックス(孤立しながら集団になる)映画だと思います。彼ら(私たち)が歩む哀しくも楽しい時間を、少しのあいだ共にしてもらえると嬉しいです。

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映画『にわのすなば』

2022年12月10日(土)ポレポレ東中野にてレイトショー公開

ロケーションの中心となったのは埼玉県川口市。
映画『キューポラのある街』の舞台にもなった、かつては鋳物工業で栄えた街です。東京のベッドタウンとなった今でも住宅街の中に鋳物工場が散在し、歴史の層を感じさせる土地です。撮影現場となった不二工業がある領家工場街も、かつては荒川の支流・芝川沿いにたくさんの町工場が並んでいました。この地で幼少期を過ごした画家・井上文香さんが往時の記憶をもとに描いた絵本『青の時間』との出会いをきっかけに、時代の変遷の中、都市近郊の、今では失われつつある風景の痕跡を遊歩するこの映画『にわのすなば』は作られました。
にわのすなばにわのすなばにわのすなばにわのすなばにわのすなばにわのすなばにわのすなばにわのすなば
出演は、独特のテンポで観る者を迷宮に誘うカワシママリノ(『ふゆうするさかいめ』)、これまでにない軽やかな魅力にあふれた村上由規乃(『オーファンズ・ブルース』『街の上で』)を中心に、キノコヤに集う遠山純生、新谷和輝といった映画評論家・研究者が、黒川監督たっての希望で出演しています。そこに柴田千紘(『恋の渦』『身体を売ったらサヨウナラ』)、西山真来(『夏の娘たち〜ひめごと〜』)、佐伯美波(『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』)、中村瞳太(『ロストベイベーロスト』)、そして日活ロマンポルノ出身の風祭ゆき(『セーラー服と機関銃』『キル・ビル』)らが個性的な持ち味を生かし、それぞれの庭を掃き続けています。

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監督:黒川幸則
出演:
カワシママリノ
村上由規乃
遠山純生
新谷和輝
柴田千紘
西山真来
佐伯美波
中村瞳太
風祭ゆき

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