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PFFアワード2022

9月10日(土)に開幕した「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」。
映画祭のメインプログラムである自主映画コンペティション「PFFアワード2022」の表彰式が、コートヤード・マリオット銀座東武ホテル「桜の間」にて行われ、最終審査員らにより、各賞が発表されました。「PFFアワード2022」は、520本の応募作品の中から、約4か月にわたる審査を経て、16作品が入選。映画祭期間中、会場の国立映画アーカイブにて、各2回ずつスクリーン上映が行われました。
「PFFアワード2022」表彰式

<「PFFアワード2022」受賞結果>

※各受賞者にはPFFスカラシップへの挑戦権が贈られます。
※監督の年齢は応募時のものです。

【グランプリ】

(副賞100万円)映画監督として最も期待したいつくり手に贈られます。
『J005311』 監督:河野宏紀 (26歳/神奈川県出身) 上映時間:93分「PFFアワード2022」表彰式

【準グランプリ】

(副賞20万円)グランプリに迫る才能を感じさせるつくり手に贈られます。
『スケアリーフレンド』 監督:峰尾 宝 (23歳/東京都出身) 監督:髙橋直広 (23歳/神奈川県出身) 上映時間:76分

【審査員特別賞】

(副賞10万円/五十音順)無視することができない才能を感じさせるつくり手に贈られます。
『MAHOROBA』 監督:鈴木竜也 (27歳/宮城県出身) 上映時間:14分
『the Memory Lane』 監督:宇治田 峻 (27歳/和歌山県出身) 上映時間:25分
『幽霊がいる家』 監督:南 香好 (31歳/神奈川県出身) 上映時間:12分

【エンタテインメント賞(ホリプロ賞)】

(副賞)作品の優れたエンタテインメント性に対して贈られます。
『水槽』 監督:中里有希 (20歳/山形県出身) 上映時間:51分

【映画ファン賞(ぴあニスト賞)】

(副賞)一般審査員による賞。「映画館で見たい」才能に対して贈られます。
『瀉血』 監督:金子優太 (20歳/東京都出身) 上映時間:86分

【観客賞】

(副賞)観客の人気投票により、最も高い支持を得た作品に贈られます。
『スケアリーフレンド』 監督:峰尾 宝 (23歳/東京都出身) 監督:髙橋直広 (23歳/神奈川県出身) 上映時間:76分

★最終審査員:菊地健雄(映画監督)、玉川奈々福(浪曲師・曲師)、とよた真帆(俳優)、
三島有紀子(映画監督)、光石 研(俳優)※五十音順/敬称略

■最終日9月25日(日)、受賞5作品を国立映画アーカイブで上映!!
12:00~ 『幽霊がいる家』12分+『MAHOROBA』14分+『スケアリーフレンド』76分
15:00~ 『the Memory Lane』25分+『J005311』93分

■「PFFアワード2022」入選16作品、オンライン配信!10月31日(月)まで

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グランプリ

■グランプリ受賞作『J005311』、東京国際映画祭で上映決定!

グランプリを受賞した、『J005311』(監督:河野宏紀)は、10月24日(月)より開催される「第35回東京国際映画祭」にて特別上映されます。

▼グランプリ 『J005311』 河野宏紀監督 受賞コメント
作品のタイトルは、あるニュースで、宇宙の中で既に死んでいる星が二つあり、その二つの星が奇跡と言われる確率で衝突し、再び光出し、その星の名前が「J005311(ジェイゼロゼロゴサンイチイチ)」というのを知り、それを人に当てはめました。
野村(主演の野村一瑛)とは、8年前に出会った当初から、二人で映画をつくろうと言っていたのですが、いろいろあって何もできず今回つくりました。どん底だった自分自身や野村の人生に光を当て救いたかった、それを評価していただき感謝しています。ありがとうございます。「PFFアワード2022」表彰式

プレゼンテーター:三島有紀子(映画監督)
毎日スクリーンで入選作品を観て、私はこの『J005311』にグランプリにとってもらうために審査員に呼んで頂いたのだと思うほどでした。審査会で私が一生懸命にこの作品の良いところを話していたら、満場一致だったんです。
この作品を生まないと次に進めないということが、どんな監督にもあると思いますが、この『JO005311』こそが魂の映画だったのだと思います。監督が絶対的に人間に寄り添う優しさが溢れていて、その覚悟が手持ちカメラで人物を追っかけるカットにも現れている。この映画のラスト近くのカットにも感動して、私はこの世界に生きていて良かったなと思えました。本当に覚悟ある優しさで打ち負かす映画だったなと思いました。タイトルの意味が素晴らしい。この映画は、河野監督と主演の野村一瑛さんの出会いが大きかったのだと思います。映画の中で二人が出会ったことで再び生きることを始めたように、生きる星となってこれからもさらに輝いて欲しいです。

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準グランプリ

▼準グランプリ 『スケアリーフレンド』 峰尾宝監督 髙橋直弘監督受賞コメント
「PFFアワード2022」表彰式
峰尾宝監督:主人公のぬい子さんは僕の実の妹が演じているんです。ぬいぐるみとの芝居も有り大変だったと思いますが、伝えたことを何倍にも膨らませて演じてくれました。
(妹の峯尾桜さん登壇)
峯尾桜さん:お兄ちゃんと最初に撮っていたのは予告編のようなもので、ここまでの本編を作るとは聞いていなかった(笑)。映画撮影は小学生の頃で大変だったのですが、いろんな人に観てもらえて、演技が上手だと褒められて嬉しかったです。
プレゼンテーター:菊地健雄(映画監督)
非常に映画を作る楽しさ、喜びに溢れている作品。エンドクレジットのほとんどが2人の名前で埋め尽くされていて、素晴らしいなと思いました。手作り感がある一方で、技術的な達成度が群を抜いている作品でした。

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▼最終審査員5名による審査総評

 

玉川奈々福(浪曲師・曲師)

グランプリの受賞シーンでは思わず涙ぐんでしまいました。審査員満場一致で決まった作品でした。この作品で間違いない、と。
びっくりしたのは、今どきはセリフ劇がないんですね。言葉に頼らない。私は浪曲師という仕事をしていて、言葉を主体にしているのですが、映像に語らせるんですね。ディテールが心にしみる作品が多かったです。応募作品520本、それだけ「作りたい気持ち」があるのはすごい!と思いました。

三島有紀子(映画監督)

だんだんと表現の自由が失われていく中で、映画って本当に自由だな、と思わせて頂けた幸せな時間でした。
自由という言葉が浮かんだ一つには、みんな作品の中で、何か自由になれなくて、でも、自由になりたくて、という人たちが自由を求めて、もがいている作品が多かったです。入選作品をみていると、映画の中では、みんな自由になれるんだ、というのが、いちばん大きく感じたことでした。
先日の審査会議で、青山真治監督のミューズ、とよた真帆さんが「やっぱりどんな時でも、撮ることよね」とおっしゃっていました。以前、青山監督に言っていただいたことを、みなさんに共有したいとおもいます。
「生きていれば、良いことも悪いこともある。でも、ほっといても俺たちはまた作る」
この“俺たち”は、映画を撮る人、出る人、俳優を育てる人、映画祭をやっている人、すべての人に言えることだと思います。わたしも頑張って作りたいと思うので、みなさんもこれからも作り続けてください。

とよた真帆(俳優)

思いがけず青山真治の名前が出たので、今回のPFFで特集を組んで頂きありがとうございます。夫もとても喜んでいると思います。映画を命懸けで人生の全てを捧げて撮っていた青山真治の横にいた者として、映画はマジ(本気)であると本当に思っているんです。
今回のグランプリの監督の作品を見て、私はすごく「マジ」を感じたんです。芝居なのか現実なのか、本人を描いているのではないかと思う程で。実際には稽古をすごく重ねたと聞いて本当に感激しました。監督たちはまだ20代で、私とは歳も離れていますが本当に尊敬しました。
長回しや音楽に頼らず、コロナ禍の厳しい中で試行錯誤して作っていることに感激しています。これからも映画を続けて欲しいし、皆んなが楽しめる作品を作って欲しいと思います。ありがとうございました。

菊地健雄(映画監督)

今回スクリーンで全作品を観ました。コロナ禍を経てのぴあフィルムフェスティバルの入選作16作品全てに作り手の視点の豊かさを感じましたし、自分自身も刺激をもらって、久しぶりに映画学校の学生だった頃の気持ちに戻り「映画って何だろう」とか色んな事を考えました。特に今回賞をとれなかった皆さんに伝えたいのですが、自分も35歳で映画監督デビューするまで、シナリオコンペや卒業制作などで選ばれたことがなかったんです。それでも「撮り続けること」で、自分の眼差しや世界との向き合い方が浮き彫りになってくると思います。映画というのは色んな形があっていい。それぞれのやり方で続けていって、皆さんとまたどこかで会えることを心から願っています。 

光石 研(俳優)

ぼくは俳優でして、審査員をやるような立場ではありません。映画を撮る、語る専門でもなく、ただただ映画に映り込む専門としてこれまでやってまいりました。でも、ひとつ言えるのは、映画の現場はもの凄く楽しいです。ぼくのデビューは、16歳なんですが、大人たちにまぜていただき、そのワチャワチした映画の現場に惚れて、この世界に入りました。それは今でも変わらず、どこの現場でも、揉め事あり、楽しさあり、大変さもあるのですが、みんな一生懸命につくって、完成した時には喜び合っています。本当に映画の現場は楽しい、みなさん、どんどんつくり続けてください!
最後に、これからプロの監督になる方もいらっしゃるとおもいますが、“オジさん俳優”をご用命の際はぜひ、光石研をご指名ください。その時に、「ぴあフィルムフェスティバル2022」とひと言付け加えて頂ければ、特別価格で出演させていただきます(笑)。

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「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022

国立映画アーカイブ(京橋)

9月25日(日)まで開催。
※月曜休館 https://pff.jp/44th/

第26回PFFスカラシップ作品『すべての夜を思いだす』

2023年劇場公開予定。

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©PFF

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