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テープカットセレモニー

「ユナイテッド・シネマ ウニクス秩父」(7スクリーン、合計約750席)が、7月29日(金)にオープン。

秩父市内に映画館が整備されるのは29年ぶり。

オープン日には、秩父市の観光大使でもある、「笑点」の大喜利メンバーの落語家の林家たい平、秩父市長である北堀篤、株式会社ピーアンドディコンサルティング 代表取締役の溝口隆朗、太平洋セメント株式会社 代表取締役社長の不死原正文、ユナイテッド・シネマ株式会社 代表取締役社長の渡辺章仁、ユナイテッド・シネマウニクス秩父 支配人の柴田茜がテープカットセレモニーに登壇しました。
『でくの空』舞台挨拶『でくの空』舞台挨拶
林家たい平は、「現在はYouTubeであったり小さなスクリーンで個人的にプライベートにものを見るのが主流になってしまっています。でも、コロナになって改めて気づかされたもの。それは、みんなで集まって、みんなで寄り添って楽しいものを見て、そして元気をつける。勇気をもらう。それがコロナが一つ教えてくれたことではないかなと思います。知らない人の笑い声が自分のところに響いてくる。その中に自分の身を置いておくことの幸せというのを改めてお客様は感じてくださっていると思っています。『でくの空』は、何もない日常の日々の暮らしの中にそれぞれの人生があって、ドラマがあって、そして映画のスクリーンになるようなものがあることを楽しんでいただければと思います。」と話した。

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初日舞台挨拶

また、テープカットセレモニー終了後に、林家たい平が、故郷・秩父や寄居の自然をバックに、部下を亡くした主人公が再生していく姿を真摯に熱演した映画『でくの空』の初日舞台挨拶を開催。

初日舞台挨拶には、死んだ従業員の母・冴月役で、冴月と同じく陶芸家でもある結城美栄子、林家たい平演じる息子に寄り添う父親役の林家ペー、本作の音楽を担当した猪野佳久、寄居町の自然豊かな里山に拠点を置き、SKIPシティ国際映画祭でも作品が取り上げられる島春迦監督が登壇し、秩父に29年ぶりに映画館ができることに対する想いや、秩父や寄居ロケの思い出、撮影の裏話などを語った。

冒頭、部下を亡くした主人公・周介役を演じた林家たい平は、「29年ぶりに秩父にできた映画館のこけら落としの第一弾として、私が主演をさせていただいた『でくの空』を秩父の方に真っ先に見ていただける幸せを感じております。大いに楽しんでいってください」と挨拶。

島春迦監督は、「私は種子島で育ったんですが、最初に見た映画は、村の公民館で、白い布を張ったスクリーンで見ました。前の人の頭が全然気にならない映画館で自分たちの映画が上映されること、しかもこけら落としで、夢みたいだなと思っています。」と感謝を述べた。島春迦監督『でくの空』舞台挨拶

部下を亡くした周介役にたい平を、死んだ従業員の母親役に結城美栄子を、周介の父親役にぺーをキャスティングした理由を聞かれた島監督は、「たい平さんの落語を寄席で聞かせていただいたんです。落語は一人で全部演じる時の切り替えがすごく不思議で。切り替えて違う登場人物になるので、相手の心理もちゃんと考えられる方なんだろうなと思い、落語のいい意味での多重人格性に惹かれました。結城さんはおちゃめな方なんですけれど、映画の中ではキリッとされるんです。メリハリの効いた顔のできる女優さんは結城さんしかいないと思いました。私は小津安二郎が好きで学ばせていただいていているんですが、ペーさんも小津安二郎さんの作品をほとんど見ているとのことで意気投合しました。『ペーさんは映画に出ないの?』と聞いたら、『出たくてたまらない』とおっしゃっていたので、『じゃあお父さん役で』となりました。小津安二郎つながりです」とエピソードを披露した。

たい平がぺーに「自分で出たいって言ったのに、初日に一切覚えてこなかった。というか、日にちを間違えて初日にこなかったですよね?」と突っ込まれると、劇場は大爆笑。

たい平演じる息子に寄り添う父親役を演じた林家ペーは、「たい平師匠のお父さん役で、映画のタッチが小津ワールド的な映画なので、小津安二郎の映画を見まして、笠智衆を参考に、ゆっくりしゃべる稽古をしたんですが、現場でたい平師匠と島監督から『ご自身のままでいい』と言われて、肩の力を抜いて演じました」と影の努力を吐露。林家ペー『でくの空』舞台挨拶
たい平は、「島監督のいい意味での度胸で、ぺー師匠をそのままお使いになったら、だんだん『男はつらいよ』の名脇役の佐藤蛾次郎さんみたいな風情になっていた。その風情は、今はペーさんしか出せない。最初はペーさんと思っているんですけれど、不思議なことにどんどん本当に僕のお父さんになっていくのが、本当に素晴らしかった。」と太鼓判を押した。

たい平は、いつも明るいイメージだが、本作では笑顔を封印して、役者としての新たな一面を見せている。たい平は、「明るいと普段思われている人に明と暗が人間誰にも存在していて、暗の部分が僕にもすごくあるので、その辺りを監督に引っ張り出していただいて、自分なりに自然体にできました。周介になりきって、やらせていただいて、いつもの『笑点』のたい平とは違う人がスクリーンに登場していると思います。」と話した。

死んだ従業員の母・冴月役を演じた結城美栄子は、「たい平師匠とこの映画をやらせていただいて、本当に素晴らしい人だとつくづく思いました」とたい平の人柄をべた褒め。「役でも、亡くなった部下のために、部下のお母さんに尽くすその尽くしぶりがなんとも感動でした」と言うと、たい平も「子供の頃から見ていた結城美栄子さんと共演できるとは夢にも思っていなくて、とても幸せでした」と返した。
結城美栄子『でくの空』舞台挨拶
結城は、「本当にたい平さん演じる周介がものすごく一生懸命私に尽くして、痛みを癒してあげようという心意気を(死んだ従業員の)母親として感じながらも、『やっぱり一人息子は死んでしまった。許せない』という葛藤が演じていて面白かったです。」と語り、たい平は、「最初は近寄れないくらい、寄せ付けない力があったんですけれど、途中で『心が通じ合えた』と実際に感じるというすごい経験をしました。」と回想した。

監督は、”地産地消”を掲げて寄居周辺で映画を作っている。「”地産地消”というのは、その土地で採れたものをその土地で食べて消費するという意味ですが、私の中に種子島の”安納芋の法則”というのがあります。子供の頃は人参芋と呼んでいて、特別なおやつだったんです。あまりたくさん採れないけれど、家でたまに茹でてもらっていたんですが、気がついたら、20年くらい経ったらそのお芋が全国で食べられるようになっていて。地元でちゃんと生産されて、地元で美味しいものは知らないうちに拡がっていく。まず地元で皆さんに喜んでいただくことが基本だと思っています」とご自身の法則を熱弁した。

たい平は秩父出身。「僕は秩父のことをほぼ知っていると思っていましたが、島監督は僕から見た秩父と違うところに美しさを見つけてくださったり、人とのつながりがなんて素敵なんだろうということを見つけてくださり、『ディスカバリー秩父』ではないですけれど、この映画のおかげで改めて見つめ直すことができました。秩父や寄居に夜景なんてそうそうないだろうと思っていたら、すごく美しい夜景が見える場所を知っていらっしゃったりだとか、改めて素晴らしいものが自分の故郷にあるということを知らなかったんだということを監督に教えてもらいました。」と感銘を受けていた。

猪野は、寄居や秩父の自然をバックにした本作の音楽を作るにあたり、ボトルネックギターの弦に牛乳瓶をスライドさせて琴線に触れるような音にした音楽を作った裏話を披露。猪野佳久『でくの空』舞台挨拶

最後にたい平より「心が温かくなって、『自分は一人では生きていけないんだな、みんなの支えがあって生かされているんだな』と思えるような、とても素敵な映画ですので、一人でも多くの人に見ていただければと思います。」とメッセージが送られた。

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映画『でくの空』

8月26日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

公式サイト:
https://dekunosora.jimdofree.com

Twitter:
@dekunosora

あらすじ
電気工事店を営んでいた周介(林家たい平)は、長年コンビを組んでいた従業員の工事中の事故死によって店をたたみ、父・啓吉(林家ぺー)の元に身を寄せる。事故の真相を秘めたまま、死んだ従業員の母・冴月(結城美栄子)の世話を焼くが、冴月は凛として打ち解けない。
失業し、姉の活美(熊谷真実)が営むよろず代行屋に拾われたことから、周介は便利な世の中の隙間に涌くさまざまな困りごとの中に投げ込まれる。心の痛手に苦しみ、助けを必要とする人々に活を入れられながら、次第に周介は立ち直りの萌しを見せはじめる。そして冴月の息子の代わりのつもりがいつしか…でくの空_ポスター

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林家たい平  結城美栄子  熊谷真実  林家ペー  池田愛
遠山陽一 桐原三枝 原きよ 林家さく平 泉水美和子 村田綾 加藤亮佑

脚本・監督・編集:島春迦   撮影:本荘在右   照明:上保正道   録音・整音:中村雅光 
AP:小島美惠子   助監督:磯山億斗   音楽:猪野佳久   写真:石田知弘 
渉外:大久保和勇   大道具:山口幸隆   衣装:JUNJUN   髭メイク:大橋正宏
英字幕 : 川島めぐみ  /  スティーブ・キャシディ
協賛:寄居町観光協会 林家たい平後援会  社会福祉法人フラワーヴィラ  料亭・園
福島ハウジング株式会社  サンコー食品株式会社  清水園  フグレン東京
車両協力:本田技研工業株式会社・埼玉製作所
後援: 寄居町  寄居町商工会  寄居町観光協会  ヨリイフィルムコミッション

製作:チョコレートボックス合同会社
配給:アルミード2022年/日本/カラー/16:9/5.1ch/90分
©2022 チョコレートボックス合同会社

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