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コロナ禍の影響を受けて公開延期となっていた映画『窮鼠はチーズの夢を見る』が、9月11日よりついに公開。この新作を引っ提げ、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に行定監督が満を持して登場し、この環境下で公開されることや、作品について詳らかに語っている。MCを務めているのは映画評論家の森直人。さらには、映画ソムリエの東紗友美をゲストとして迎え、大盛り上がりのトークを展開させている。![]() |
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本作は、水城せとなによる『窮鼠はチーズの夢を見る』『俎上の鯉は二度跳ねる』を原作としたもの。人を好きになることの喜びや痛みをどこまでも純粋に描き、細やかな心理描写が圧倒的な共感を呼んでいる作品だ。主人公の大伴恭一役に大倉忠義、そして彼に想いを寄せる今ヶ瀬渉役に成田凌が扮した。どうしようもなく惹かれてしまう葛藤や強い嫉妬心……それらの複雑な感情を、彼らが時に繊細に、時に大胆に演じ、行定監督がその姿を美しくスクリーンに焼き付けている。
この原作の大ファンだという東は、「行定さんが映画化すると知った時、今年の生きる意味になったと思いました。でも、とても期待してしまう反面……」と、ファンであるがゆえの不安もあったよう。しかし、「原作にある丁寧な愛の描かれ方が、映画にも感じられました。期待を包み込んでくれる仕上がりでしたし、いま思い出しても胸がいっぱいになってしまいます」と大絶賛だ。 森は、「こういう良い恋愛映画のパターンなんですけど、作品について話をしていると、自分の話になってきますよね。鏡になっているというか。それをこの映画にすごく感じました」と語り、劇中でジャン・コクトーの『オルフェ』(1950)が引用されていることについて、「商業映画を手がける上で、作家的な監督の名前を挟み込むこの感覚が、すごく行定さんらしいなと。あと、この『窮鼠はチーズの夢を見る』という作品を一曲のポップソングとして捉えた時に、歌詞のフレーズとして『オルフェ』というものが出てくるような按配がすごく好きです」と述べている。ちなみにこの『オルフェ』の引用の理由については、本映像の本編にて監督自身が語っている。 このコロナ禍において、行定監督がさまざまな試みを実施しているのは広く知られているところ。「『劇場に来てください』とは言えません。でも劇場は『安全な場所です』と提言されてもいます。とはいえ……それぞれのお客さんにそれぞれの環境がある。そこを無理強いするほど『映画って観るべきものなのかな……?』という問い直しもあります」と語る監督。現在は観客の存在を“ダイレクトに感じる”環境でもあるようだ。いち映画の作り手として、受け取るものも多いらしい。 |
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■活弁シネマ倶楽部■ コロナ禍の日本映画界とリモート映画 活弁シネマ倶楽部 |
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映画『窮鼠はチーズの夢を見る』
9月11日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー 【物語】 |
原作:水城せとな「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」(小学館「フラワーコミックスα」刊)
監督:行定勲 脚本:堀泉杏 音楽:半野喜弘
出演:大倉忠義 成田凌 吉田志織 さとうほなみ 咲妃みゆ 小原徳子
配給:ファントム・フィルム
©水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
映倫区分:R15