映画情報どっとこむ ralph 沖縄テレビ放送の開局60周年を記念して製作されたドキュメンタリー映画『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』。

沖縄で2月1日より先行上映をはじめ3月28日(土)より、ポレポレ東中野にて公開いたしましたが、新型コロナウイルスの影響による外出自粛要請があり、公開からわずか7日間の上映の末、中断を余儀なくされました。そこで、劇場・配給・制作をした沖縄テレビとも相談の上、この度、10月10日より再度ポレポレ東中野にて上映することを決定しました。再上映に伴い、映画監督の森達也さんやブロードキャスターのピーター・バラカンさんなど、多くの方から応援のコメントが到着しました。
映画情報どっとこむ ralph 本土に暮らす多くの人がこの作品を観て、自らの加害性に気づくことができるなら、
この国はその瞬間に、きっと少しだけ変わるはずだ。
森達也(映画監督)

「抗議活動が大きくなる「恐れ」、最悪の「タイミング」…沖縄で起きていることを報じる言葉の一つひとつに、彼女の心は繊細に揺れ動く。そして私も一緒に、揺さぶられる。この映画を観終わっても、なお。」
安田菜津紀(フォトジャーナリスト)

本土から沖縄へやって来た15歳の少女の視点で描いた「沖縄問題」。その発想が斬新で見事。柔らかな語り・描写の奥に、苛烈な哀しみと怒り、そして涙が溢れている。それでも本作は、「渾身の希望」を余韻に置いた。
横山隆晴(近畿大学 教授/元フジテレビ・プロデューサー)

身構えることなく、すっと観られる映画。沖縄の「普通の人」の声や日常をどう伝えれば良いか、沖縄報道に長年関わり悩んできたが、正直「やられた」と脱帽しました。一人でも多くの人に観てほしい!
伊東聖(朝日新聞西部報道センター長/前那覇総局長)

「現場」は大切だ。実際に行って、本当の色を知る、360度見渡す、肌で風を感じる、匂いを嗅ぐ、騒音を聞く。もちろん、人に会い、話を聞き、目の訴えを感じる。それは、聞く方も聞かれる方も、考える作業の連続だ。その結果、一人の少女が成長し、彼女の眼を通して僕らも成長する。これがまさにジャーナリズムの所作そのものであって、監督の平良さんはそれをサラッとやり遂げていて格好いい。
山田健太(専修大学ジャーナリズム学科教授)

全国の人に観て欲しいさ、マジで。もしかすると、どんな報道番組よりもどんな芸術作品よりも、“沖縄”が伝わるかも。脚本では決して描けない沖縄のドラマが、想いが、この作品には詰まっている。
まーちゃん(沖縄のお笑い芸人「お笑い米軍基地」主宰)

この映画は、優しい。だからこそ、柔らかい壁を突き破って自己の内面から顔を出すむき身の悲しみを持て余してしまう。かすかに聞いていた悲鳴が、自分の五臓六腑を引きちぎる痛みに変わる瞬間、まさに「肝苦りさ」を体感することになる。私の映画が「熱い鉄球を投げつけるような」「覚悟がある人しか見られない」ものであるとすれば、平良いずみ監督は優しい人しか登場しないスクリーンを見つめる観客に心を開かせておいて奥に手を突っ込む。彼女の方が「手練れ」だと唸らされた。
三上智恵(映画監督/ジャーナリスト)

高江 辺野古 平和の礎。少女は歩く。
相次ぐ米軍事故の現場を 少女は歩く。
そして問う。おじい なぜ明るいの?
平良監督は 少女と共に歩き
“ちむぐりさ” という言葉に
沖縄の希望を託した。
橋本佳子(プロデューサー)

やわらかく、まっすぐ、つきささる。
菜の花さんの問い。
阿部岳(沖縄タイムス編集委員)

「ちむぐりさ・・・」
眼を閉じて、唱えてみる。
優しい瞳と愛(かな)しい夕陽が瞼に浮かぶ。

「ちむぐりさ・・・」
戦争と平和は、紙一重。

もう一度唱えてみる。
「ちむぐりさ・・・」。
おぞましき境界に、
菜の花が咲いている・・・。
映画が終わったら、
「ちむぐりさ・・・」と、そっと唱えてみてほしい・・・・
阿武野勝彦(東海テレビプロデューサー)

高校生の3年を過ごした沖縄を素直で心に響く言葉で伝える菜の花さん。この作品を今改めて見ると、頭に浮かんだ言葉は「Okinawan Lives Matter」。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

この映画には振り上げるこぶしも大声のシュプレヒコールもありません。いじめを体験し沖縄に居場所を見つけた一人の少女と、そこにある基地と向き合う人々との心の交流。オキナワを論じるのではなく感じる映画です。
市村元(「地方の時代」映像祭プロデューサー/関西大学客員教授)

石川・能登半島で生まれ、育った少女による等身大の体験的沖縄ガイド。沖縄が置かれてきた状況に向き合う菜の花さんの静かな怒り、そして、涙が胸を打つ。
音好宏(上智大学 教授)

コロナ禍の今と同じ。自分だけ安全に生きようとウチナーに基地を押し付けるヤマト。美しい海、砂浜、鳥たちをバックに沖縄の痛みに涙する菜の花ちゃんに「私も一緒だよ」と思わずハンカチを目に。涙も出るけど元気も出ます。
松元ヒロ(スタンダップコメディアン)

沖縄の痛み、嘆き、強さを帯びた優しさは苦難の歴史に根差している。そして、その地平には希望の灯火がある。菜の花さんの澄んだ言霊が新たな沖縄の叙事詩をつむぎ出した。平良いずみ監督の情熱と共にぜひ本土の人々に肌で感じてほしい。
松元剛(琉球新報編集局長)

人間は文字通り、人の間でしか生きられない。災害やコロナ禍でも分かるように、他者への共感力(=ちむぐりさ)が問われる時代だ。この映画を観れば、人々の気持ちを踏みにじる為政者どもは恥ずかしくて消えてしまうのではないか。
隈元信一(ジャーナリスト•元朝日新聞論説委員)

映画情報どっとこむ ralph 『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』

ポレポレ東中野にて再上映決定



解説
ちむぐりさ あなたが悲しいと、私も悲しい。
沖縄の言葉、ウチナーグチには「悲しい」という言葉はない。
それに近い言葉は「肝(ちむ)ぐりさ」。
誰かの心の痛みを自分の悲しみとして一緒に胸を痛めること。
それがウチナーンチュの心、ちむぐりさ。
そんな沖縄に、ひとりの少女がやってきた。北国・能登半島で生まれ育った、坂本菜の花さん、15歳。彼女が通うのは、フリースクール・珊瑚舎スコーレ。既存の教育の枠に捉われない個性的な教育と、お年寄りも共に学ぶユニークな学校だ。70年あまり前の戦争で学校に通えなかったお年寄りとの交流を通して彼女は、沖縄ではいまなお戦争が続いていることを肌で感じとっていく。次々に起こる基地から派生する事件や事故。それとは対照的に流れる学校での穏やかな時間。こうした日々を、彼女は故郷の新聞コラム「菜の花の沖縄日記」(北陸中日新聞)に書き続けた。「おじぃなぜ明るいの?」。疑問から始まった日記は、菜の花さんが自分の目で見て感じることを大切に、自分にできることは何かを考え続けた旅物語だった。少女がみた沖縄の素顔とは――。

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監督:平良いずみ
語り:津嘉山正種プロデューサー:山里孫存、末吉教彦
音楽:巻く音jujumo撮影/編集:大城茂昭協力:珊瑚舎スコーレ
製作:沖縄テレビ放送配給:太秦
【2020/日本/DCP/カラー/106分】
©沖縄テレビ放送
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