映画情報どっとこむ ralph ミニシアター・エイド(Mini-TheaterAID)基金は、4月13日(月)より国内最大級のクラウドファンディング·プラットフォーム「MOTION GALLERY」にて、全国のミニシアターをみんなで応援する「ミニシアター・エイド基金」プロジェクトを開始。

24時間で5,500万円突破という国内最速記録を達成し、メディアやSNSで多くの話題を集めていましたが、4月15日21時45分に目標金額の1億円を、国内最速で達成しましたので(コレクター数:8,815人)、ご報告申し上げます。1億円達成は、文化芸術活動のクラウドファンディングにおいて日本初(※MOTION GALLERY調べ)、また、MOTION GALLERY史上初のプロジェクトと達成となりました。

「ミニシアター・エイド基金」YouTubeチャンネル

※記者会見の様子は上記でご覧いただけます。無出演者、無記者、無観客という初めての試みで、渋谷PARCO(休館中)9階DOMMUNEスタジオで行いました。

映画情報どっとこむ ralph 発起人の濱口竜介監督、深田晃司監督、大高健志と渡辺真起子、片渕須直らからコメントが到着しました。

■濱口竜介監督(映画監督:発起人)
「ミニシアター・エイド基金」、当初の目標であった1億円に達しました。最終的に達成できると確信はしていましたが、それでもあまりのスピードに、驚いています。いくつかの理由があると思います。先立って、SAVEtheCINEMAの署名活動が始まっていて(最終的に66000筆以上、集まりました)、多くの方がミニシアターの置かれた窮状を知り、支援をするタイミングをうずうずするような気持ちで待っていた、ということ。本当に多くの劇場の参加と、映画人からの賛同・サポートを得られたこと。ただ、一番の理由は多くの人が、ミニシアターで映画の魅力を知った、という自分の記憶に行き着いたことだと思います。だから、このファンディングは支援という以上にその体験への「恩返し」なのではないでしょうか。少なくとも、私にとってはそうです。ミニシアターの人たちが今まで志を支えに続けてきた仕事に対して、支払うべき対価を私たちはようやく今払っているような気がしています。そして、それはあらゆる意味で、まだ十分ではないとも思います。参加団体は開始直後から10近く増えて、現在72団体です。現在打診を受けている団体も含めれば、きっともっと増えます。1団体当たり平均で140万円程度です。コロナ禍の状況は、単に1、2ヶ月で収束するものではなく、長く続くものであるのは明らかです。本当に皆が安心して外に出られるまで、ミニシアターを保持するには決して十分ではありません。ファンディングは残り29日。現在、新たな目標設定を検討しています。先は長いです。急ぎすぎず、一人ひとり無理のない範囲で、ちょっとずつ積み上げましょう。濱口竜介

■深田晃司(映画監督:発起人)
さて。もう十分に言い尽くしている濱口さんのコメントを読んで、何を書けばいいのかと悩みながら、蛇足を承知で自分なりに御礼の気持ちを綴りたいと思います。まずは、この誰もが大変な状況にある中、応援して頂いたコレクターの皆様、賛同して頂いた個人、団体の皆様に深く感謝いたします。驚くべきスピードで達成された1億円という額を見て、もともと私たちが考えていた「目標金額」がいかに浅はかなものであったかを実感しました。本音を言えば、1億円という数字は「未達成」を恐れて、理想よりも確実さを優先し、支援とのバランスを計りつつも慎重に設定されたものでした。それでさえも、達成には十分に一ヶ月を必要とすると覚悟していたのですが、映画ファンの想いの強さは私たちの想定をはるかに超えていました。この三日間に起きた「現象」をなぜだろうと奇異に思う人がもしいたとしたら、ぜひミニシアター・エイド基金クラウドファンディングサイトの上部にある「コレクター」という項目をクリックしてみて下さい。そこには、今回応援して下さった皆様のメッセージが並んでいて、まさに濱口さんの言うところのそれぞれがミニシアターとの「記憶に行き着いた」生の声を読むことができます。私自身の背中を押したのも、ミニシアターの暗がりにひとり息を潜め映画によってなんとか毎日を生かされていた若い頃の記憶であり、また映画監督として各地のミニシアターに迎えて頂いたときの暖かな記憶でした。ただ、このクラウドファンディングを単なる美談にしてはならないと思います。今回のアクションによって、ミニシアターになくなって欲しくないと願う人がこれだけいるということが可視化されました。本来は、平時においてもこの願いをきちんと掬い取り、劇場を恒常的に支援する公的な枠組みがあるべきなのです。それは、国だけの責任ではなく、映画業界の内部においてさえも制度設計が疎かにされてきたことの反省をコロナ禍後に私たちは行い、改善していかないといけません。私たちは「手の届く範囲の共助」として、まずは1、2ヶ月はミニシアターに頑張ってもらえるだけのごく最低限の資金を届けられるよう、クラウドファンディングを行いました。皆様のおかげでそれが極めて迅速に達成されたことを喜びたいと思いますが、しかしクラウドファンディングが企画された二週間前と比べても刻一刻と状況は変わりつつあります。残念ながら日本において新型肺炎の状況は悪化してきていて、本当に安心して私たちが映画館に足を運べる日はさらに遠のく可能性が出てくるなか、より十分な支援を多くのミニシアターに届けるため目標設定の見直しを私たちは検討しています。クラウドファンディングの期日にはまだ十分な時間があります。それぞれが無理のない範囲で構いません。どうぞ引き続いての応援をよろしくお願いいたします。

■大高健志(MOTIONGALLERY代表、ミニシアター・エイド基金発起人、POPcorn共同代表、さいたま国際芸術祭2020キュレーター、映画プロデューサー)
開始57時間で1億円を達成しました。そして達成してもまだまだ伸び続けています。コレクターも9,000人を超えました。おそらく日本最速の1億円なのではないでしょうか。深夜にも関わらず、達成を祝うコメントがSNSで溢れるフィードを見て、みんながどれだけ強い思いをもってこの成り行きを見守り、そして参加して頂いていたかを強く強く感じています。物凄いスピードで達成した理由も色々と考えているのですが、・SAVEtheCINEMAの署名活動と連携して進めてきた事で、多くの方に「クラウドファンディングで短期的なパッチを充て時間を稼ぎつつ、署名活動で政策を動かすことで長期的なミニシアター存続のインフラを整備する」というロードマップを示せた事・映画館で作品を上映する作り手である、濱口・深田両監督が先頭に立ち、ミニシアターの持つ社会的意義を改めて広く訴えた事で、多くの人に強い共感や自分ごととしてこの問題を捉える機運がひろがった事・何より、一日一日丁寧に映画の魅力を来場者に伝え、映画の歴史を紡いでいたミニシアターを運営する方々の努力により、ミニシアターに対して強い愛着と思い出を持っている方々が全国に沢山いらっしゃった事。ということではないでしょうか。MOTIONGALLERYが始まった2011年、「文化芸術に対してインターネットでお金を集めるなんて絶対うまくいかない」と多くの人に言われました。何より私もそう思ってましたし、実際に100万円を集めることも本当に大変だった当時を考えると、信じられない光景です。色々と挫けそうなこともありながら、それでも絶対にこれからの日本の文化芸術の為に必要となる取り組みだと信じて10年続けてきた事の意味を、MOTIONGALLERYが世間に知られる様になった事や、サービスとして成長してきたことよりも、何よりも映画を支えるこの様なムーブメントに貢献できた事に強く強く感じています。本当に多くの映画人と映画ファンの力が集合し、大きな一歩を踏み出した気がしています。でもまだまだ支援が足りないのではという声が達成の祝福メッセージと共にツイッターで広がっています。この声を、全国の映画館に届けたい。必要と過分配の線を超えない様に気をつけつつ、ミニシアターが再起動するまでの時間を1日も長く耐えていただける様に、引き続き1円でも多くのお金を映画館にとどけるべく、頑張っていきます。まずは、本当にみなさまありがとうございます。

■渡辺真起子(俳優:賛同人として記者会見にも参加)
コレクターになってくださった皆様へ。この度は、コレクターに名乗りをあげてくださいましたこと、心から感謝申し上げます。また、このような機会にご賛同くださり、作品を提供してくださいました皆様に心より感謝申し上げます。皆様の、お気持ちの速度と、今回のことに対する、ご関心に、一映画ファンとしても胸がいっぱいになっています。世界が平静をとりもどし、未来と希望という言葉がいっしょにありますように、その時には、本来の私の持ち場で精一杯役目を果たせるよう頑張ります。

この状況がいつまで続くかわかりませんし、国の対応、各都市の対応もまだはっきりとしていないところが多いです。
その状況の中、さらにミニシアター・エイド基金は、次の目標をたてています。

ミニシアター・エイド基金は、まだ続きます。どうぞ引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

■片渕須直(映画監督:賛同人として記者会見にもコメント提供、コレクターへの特典にも未公開作品を提供)
なんという加速度でしょう!全国のミニシアター、あるいはそこに繋がる映画界に心を寄せて下さる方々がおられることが、刻々と支援の数字として示されていきます。なんとありがたく、心強いことでしょう!このクラウドファンディングは、まだあと一か月に近い期間を残しています。今回の災厄がいつまで続くのかわからない今、全国のミニシアターのみなさんの安心がさらに得られることを願いたい。そして、こんなことが過ぎ去ったとき、存分に映画を観に来ていただけるようでありたい。引き続きご支援を、どうかよろしくお願いいたします。

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