放送、映画、視聴覚メディアに携わるカトリックの国際的な団体であるSIGNIS(世界カトリックメディア協議会=本部・ブリュッセル)の日本組織SIGNIS JAPAN(カトリックメディア協議会、会長・土屋 至)は、2019年度の「日本カトリック映画賞」に、劇映画『こどもしょくどう』を決定、6月6日(土)午後1時から東京・なかのZERO大ホールで授賞式と上映会を行います。
当日は日向寺太郎監督とカトリック司祭 シグニスジャパン顧問 晴佐久昌英(はれさく まさひで)とのトークなども予定されています。 「日本カトリック映画賞」は、前の年の12月から次の年の11月までに制作・公開された日本映画の中からカトリックの世界観と価値観にもっとも適う作品を選んで贈られるもので、今年で44回目を迎えます。 |
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劇映画『こどもしょくどう』 日向寺太郎監督作品 「子供の相対的貧困率」は厚生労働省の発表によると16.3%、6人に1人が貧困状態にあると言われています。子どもの貧困対策のひとつとして「子ども食堂」が全国に拡がっています。この映画は、なぜ今、子ども食堂が必要とされているのかを、子どもたちのまなざしで描いた作品です。大人ではなく子どもたちのまなざしで描いている点にこの作品の優れた特長があり、観客の心を捉えて離しません。 夫婦でやっている下町の小さな食堂。息子のユウト(小5)は食べ物に不自由したことはありません。しかし幼馴染のタカシは母が家庭を顧みないため、コンビニでの買い食いがほとんど。学校ではいじめられています。ある日、ユウトとタカシは川原の軽ワゴンの中で暮らす姉妹と出会います。姉妹はご飯を食べることも学校に行くこともできません。姉妹をほうっておけない。しかし小学生のユウトにはどうすることもできません。「いつも見てるだけだろう!」と親に毒づくユウト。それは自分に向けた言葉でもあります。やがてユウトはある行動に出ます。それは――映画で生き生きと描かれた子どもたちの姿こそが、この生きづらい社会の希望です。 子どもの貧困について考えるひとつのきっかけとなり得る見逃すことができない品です。 |
日向寺太郎(ひゅうがじ たろう)監督作品93 分
製作:パル企画/コピーライツファクトリー/バップ
配給:パル企画
©2018「こどもしょくどう」製作委員会