映画情報どっとこむ ralph アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領域にまで昇華させた伝説の五輪フィギュアスケート金メダリスト、ジョン・カリーを追った映画『氷上の王、ジョン・カリー』は5月31日(金)の公開となります。

これに先駆け、ジャパンプレミアが行われ、元フィギュアスケート選手の町田樹さんと髙橋大輔さんや羽生結弦さんらトップスケーターの振付師として活躍する宮本賢二さんが登壇しました。
町田樹×宮本賢二『氷上の王、ジョン・カリー』ジャパンプレミアL
日程:2019年5月9日(木)
場所:新宿ピカデリー
登壇:町田樹(慶應義塾大学・法政大学非常勤講師)、宮本賢二(振付師)

映画情報どっとこむ ralph 本作は、アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領域にまで昇華させた伝説の英国人スケーター、ジョン・カリーの知られざる素顔に迫るドキュメンタリー。

アスリートとしてのカリーだけでなく、栄光の裏にあった深い孤独、自ら立ち上げたカンパニーでの新たな挑戦、そして彼を蝕んでゆく病魔AIDSとの闘いを、貴重なパフォーマンス映像と、本人、家族や友人、スケート関係者へのインタビューで明らかにしていく。

2018年、プロスケーター引退後は研究者の道へ進み、現在、慶應義塾大学・法政大学非常勤講師を務める町田さん。かつて雑誌の連載でカリーを取り上げたことがきっかけで、今回、本作の字幕監修・学術協力として参加することに。

町田さん:芸術としてのフィギュアスケート作品を考えたときに、彼の名前が頭の中にパッと閃きます。

というほどカリーに惚れ込んでいる町田さんは、ジュニア時代に初めて優勝した大会もイギリスで行われた『ジョン・カリー・メモリアル』だそうで、

町田さん:私とカリーの関係はそこから始まっている。

とニッコリ。

カリーの伝記を読んで驚嘆したという町田さんは、

町田さん:1976年のインスブルック冬季五輪で、フィギュアスケート男子シングルの金メダルをノーミスで獲得しているんですが、伝記によると、その前の練習で約1ヶ月間、ずっとノーミスだったそうです。ここまで完璧なまま本番を迎え、そして金メダルを獲るなんて、『LOTO6(ロトシックス)』を当てるくらい難しい。練習に裏打ちされた結果と美、なんですよね。

と独特の表現でカリーの凄さを表現した。
 
また先日、フィギュアスケートの専門雑誌『ワールド・フィギュアスケート』で、「町田樹セレクション・スペシャルアワード」という新たな連載をスタートさせたという町田さん。「独断で勝手に賞を贈る」という企画だそうだが、もしもカリーに贈るとしたら、

町田さん:ポラリス賞を贈りたい。

と発表。その理由として、

町田さん:ポラリスとは北極星のことなんですが、不動の基点として輝いている人、つまり、カリーはフィギュアスケーターの誰もが目標とすべき指標だと思うんですね。目指すべき人であり、学ぶべき人です。

と称賛。

映画情報どっとこむ ralph 新元号「令和」を迎えたが、これからのフィギュアの未来について二人は、さらなる技術の向上を期待する。

宮本さん:4回転半、5回転の時代は間違いなく来るでしょうね。ただ、技術を上げた分、芸術性も上げていかなければならない。

と語る宮本さんに対して町田さんは、大いに共感しながらも、

町田さん:考えなくてはいけないのは、『その技術を使ってあなたは何を表現したいですか?』というところだと思います。

と指摘。

さらに、「今後、間違いなくAIが深く関与してくる」と断言する町田さんは、

町田さん:オリンピック競技になっている以上、勝ち負け、優劣は、客観的でなければならないと思う。ただ、AIが好む演技ばかりしていると、機械的な表現になってしまうので、令和のスターフィギュアスケーターの条件は、『AIに支配されない演技ができること』と言えるんじゃないか。

と持論を展開。

町田さん:もちろん、テクニカルスコア(技術点)などAIが必要な部分もあるので、AIと人間の相互補完的な演技の評価システムを構築していく時代なのかなと思います。

と締めくくった。

映画情報どっとこむ ralph 映画『氷上の王、ジョン・カリー』作品情報
原題:The Ice King

2019年5月31日(金)、新宿ピカデリー、東劇、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

公式サイト:
http://www.uplink.co.jp/iceking/

公式twitter:
https://twitter.com/theicekingjp


アイススケートを「スポーツ」から「芸術」へと昇華させた、伝説の五輪フィギュアスケート金メダリスト、その知られざる光と影。

アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領域にまで昇華させた伝説の英国人スケーター、ジョン・カリー。
彼はバレエのメソッドを取り入れた演技で、1976年インスブルック冬季五輪フィギュアスケート男子シングルの金メダルを獲得する。
しかし、マスコミが真っ先に伝えたのは、表に出るはずのなかった彼のセクシュアリティだった。
同性愛が公的にも差別されていた時代に、ゲイであることが公表されたメダリストの存在は、世界中を驚かせ論争を巻き起こす。
しかし、彼は華麗な滑りで多くの人を魅了し続け、現在の日本人スケーターにも影響を与えている。

映画はアスリートとしてのカリーだけでなく、栄光の裏にあった深い孤独、自ら立ち上げたカンパニーでの新たな挑戦、そして彼を蝕んでゆく病魔AIDSとの闘いを、貴重なパフォーマンス映像と、本人、家族や友人、スケート関係者へのインタビューで明らかにしていく。
新たに発掘された、ホームビデオで撮影された彼の最高傑作『ムーンスケート』について監督のジェイムス・エルスキンは「どんなスケートより美しく心を打たれた。
これをみて感動を覚えない人はいないだろう」と語っている。
これは、時代に翻弄され不当な扱いを受けながらも、屈することなく高みを目指し、人を遠ざけながらも愛に飢え、滑り、踊り続けた男の物語。

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監督:ジェイムス・エルスキン(『パンターニ/海賊と呼ばれたサイクリスト』)
出演:ジョン・カリー、ディック・バトン、ロビン・カズンズ、ジョニー・ウィアー、イアン・ロレッロ
ナレーション:フレディ・フォックス(『パレードへようこそ』『キング・アーサー』)
(2018年/イギリス/89分/英語/DCP/16:9/)
字幕翻訳:牧野琴子
字幕監修・学術協力:町田樹
配給・宣伝:アップリンク
(c) New Black Films Skating Limited 2018 / (c) 2018 Dogwoof 2018
  
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