日本を含むアジアの気鋭監督3名が、ひとつのテーマをもとにオムニバス映画を共同製作するプロジェクト「アジア三面鏡」。
本年は三面鏡シリーズ第2弾となる『アジア三面鏡2018:Journey』を、第31回東京国際映画祭に於きましてワールドプレミア上映し、またこれに先駆け、第1弾『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』の劇場公開が決定しました。 そしてこの度、日本外国特派員協会にて毎年開催しております東京国際映画祭の記者会見に、第1弾より行定勲監督、第2弾より松永大司監督を迎え、それぞれの作品に関する想いを語りました。 『アジア三面鏡2018:Journey』日本外国特派員協会 記者会見 |
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久松猛朗フェスティバル・ディレクターより、本企画の趣旨について説明。国際交流基金理事長の安藤裕康氏と「Japan Now」部門プログラミング・アドバイザー 安藤紘平氏も登場し2人の監督と作品に対する想いを語りました。
第31回東京国際映画祭では開催期間中、200以上もの映画が上映予定、世界中から訪れた著名なゲストが多数登場し、Q&Aやシンポジウムが開催されるなど、東京国際映画祭ならではのイベントが目白押しです。 記者会見の概要監督(『アジア三面鏡2018:Journey』『碧朱(へきしゅ)』監督)のコメントを記載させて頂きます。 【行定勲監督 コメント】 行定監督:私自身アジア映画に影響を受けており。恩返しのつもりで取り組んだ舞台がマレーシアです。ヤスミン・アハマドという女性監督がいらっしゃいまして、2009年にお亡くなりなっていますが、彼女から知ったマレーシアの良さ、情緒、マレーシアで映画を制作してきた多くの方々が築いてきたその国独特の情緒と私の作品が融合されるのが楽しみでした。アジアの映画人と繋がり、お互いにどう影響されるのかにすごく期待していました。ただ1点、マレーシアは暑かったです。暑い昼間に撮影をしているのは私と撮影カメラマンだけでした。マレーシアのスタッフは心配してくれて、スタッフの方が日傘をさしてくれる人を手配してくれました。言うまでもなく夕方からしか仕事ははかどらなかったですね。その国の良さに触れ、イライラせず一緒にやれることに慣れてくると、撮影が楽しくてたまらなかったです。よき思い出です。 Q:故人・津川雅彦さんについて 行定監督:津川雅彦さんの訃報は非常にショックでした。暑いペナン島での撮影を思い出さずにはいられません。津川さんは海外の撮影が大嫌いということを知っていたため、多分ダメだろうなと思っていました。主人公の孤独な老人のイメージが、私自身の祖父のイメージが重なり、そのイメージを生き写しのように撮影したくオファーをしたところ、撮影に参加すると言っていただきました。津川さんは最初、自身が演じる役を「死と生の狭間に存在する役なんだね」とおっしゃいました。撮影に入る際、津川さんは7、8kg減量され、役を体現する姿で現地に入ってこられました。鬼気迫る緊張感で、マレーシアの女優が恐怖を抱くぐらいでした。私が思い描いていた津川さんは饒舌にしゃべる役を演じるイメージでした。マレーシアでの撮影では、ただそこに存在することを重視しているなと感じました。 【松永大司監督 コメント】 松永大司監督:ミャンマーで撮影する前に、長編2作目として、ハワイで映画を撮影させてもらった経験が大きくて、今後の映画作りに於いて、どういう風な道を模索していくか、海外のクルーと一緒に作っていくことは、自分自身の作家性を広げていく一つの可能性だと思いました。 Q:3作品にニコラス・サプットゥラが出演している件 松永大司監督:まず3人の監督でスカイプ、直接会ってミーティングをし、3作品の楔となる共通テーマを設け、視覚的なものにするかなど話し合い、作りたい作品の骨格を出来ていく中でエドウィン監督の作品にニコラスが出ることをしりました。エドウィン監督から、ニコラスの役のアイデアを聞いた時に、私の作品でも出演できないかということから、ニコラスを3作品に出演してもらおうということになりました。 |
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『アジア三面鏡 2018:Journey』 2018_journey/ 『海』 監督: テグナー 『碧朱(へきしゅ) 』 監督:松永大司 『第三の変数』 インドネシア人夫婦が旅先の東京で出会う不思議な男性。民泊を営む傍、コンサルタントを 自称する男から奇妙で官能的なアドバイスを受ける夫婦。シュールレアリストとして知られるエド ウィン監督が独特な切り口で描く物語。 主演を務めるのは、3作品共通キャストでもあるインドネシアの国民的俳優ニコラス・サプットゥ ラ、インドネシアの人気女優アグニ・プラティスタ、日本・インドネシア合作映画『KILLERS/キ ラーズ』で北村一輝との共演経験もある実力派俳優オカ・アンタラ。 監督:エドウィン |
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<第31回東京国際映画祭 開催概要> イベントタイトル: 第31回東京国際映画祭 |