映画情報どっとこむ ralph 第 90 回アカデミー賞ドキュメンタリー部門ノミネート、第 70 回カンヌ国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞受賞など、世界中の映画賞を席巻した映画『顔たち、ところどころ』公開初日を記念して、15 日、都内・シネスイッチ銀座にてタレントの松尾貴史さんをゲストに迎えトークイベントが行われました。

本作のテーマとなっている「顔」の魅力、フランスの田舎町の美しさ、さらには劇中に飛び出す名言など、作品にについて思いの丈を語った。

日時:2018年9月15日(土)
会場:シネスイッチ銀座
登壇:松尾貴史
聞き手:mic

映画情報どっとこむ ralph 「ヌーヴェルヴァーグの祖母」とも呼ばれる女性映画監督の先駆者アニエス・ヴァルダと、人々の大きなポートレイトを街に貼るプロジェクトで知られるアーティスト JR。

本作は、年の差 54 歳のふたりがフランスの田舎町を旅しながら、人々とのふれあいを通して共に作品を作り、残していくロード・ムービースタイルのドキュメンタリー。

松尾さん:とても癒された。心が浄化される映画ですね。普段、ストレスで悩んでいることが、だんだん小さく思えてくるような素敵な世界観がありますね。

と絶賛。 特に、JR のシンプルだけれど大胆なアプローチに驚かされたといい

松尾さん:世界中に何十億と人がいますが、“顔がみんな違う”ということをパブリックな場所に写真として張り出すことによって、改めて気付かされるんですよね。顔の中に“宇宙”があって、それぞれの気持ちやプライド、人生が全てこの中に詰まっている。それを眺めるだけで、心の荷物をちょっと降ろしてリフレッシュできるというか。顔が持っている力って不思議な感じがしましたね。

と感嘆。また、劇中、アニエスからさまざまな名言が飛び出し、心を何度も動かされたという

松尾さん:例えば、“偶然こそいつも最良の助監督である”という言葉がありましたね。助監督の部分は、パートナーでも、親でも、友人でもいいんですが、“偶然”というのは、クリエイティブの手助けをしてくれる最良のものだと。今日雨が降っているとか、隣の席が空いているとか、そんな小さなことも含めて、全ての偶然は、いい発想に繋がり、やがて力をもたらしてくれる、ということも教えられた気がします。

とニッコリ。


今回、アニエスは、その偶然の旅を 54 歳年下の JR と共に体験しているが、これに対して

松尾さん:アニエスが一人で発想すると、自分だけにラインが出来上がってしまうけれど、JR のように方向も違う、曲がり方も違う人のラインと交わると、“面積”ができますよね。つまり、掛け算になるので、より面白いものが見つかることは確か。

と持論を展開。さらに、年の差旅行についても、

松尾さん:あの気難しそうなおばあちゃんと、サングラスを掛けた怪しいお兄さんが、気まずくなりながらも、偶然出会った人、動物、建物などとコラボしながら、何かを生み出していく姿は、凸凹な感じだけれど、“表現することを尊ぶ”という共通の世界があるから、心を潤すものになったと思いますね。

と目を細める。

松尾さん:ただ、うちの母が同じくらいなんですが、親子旅行のいいシミュレーションになりました。

と苦笑いを浮かべた。

フランスの田舎町が美しい映像と共に映し出される本作。『東京くねくね』(東京新聞出版局)という町歩き本を出すほど、散策をこよなく愛する松尾さん

松尾さん:僕は外国旅行へ行っても、観光スポットには全く興味がない。たまたま人の家の台所が見えたりとか、お母さんに怒られている子供がいたり、とか、そういうものを観て、日本と“違うなぁ”あるいは “同じだなぁ”という相違点と共通点を見出すのが旅の面白さだと思っているんです。だから、この映画を観たときは心から共感しました。

と振り返り

松尾さん:ご自身の安全を担保した上で、イメージの冒険ができる素敵な映画。ぜひ、劇場に足を運んで、この美しい風景と、この個性的な“顔”たちを大きなスクリーンで楽しんでほしい。

と最後は、これから劇場へ足を運ぶ観客に力強く呼びかけた。

映画情報どっとこむ ralph 顔たち、ところどころ

2018年9月15日(土)より、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開

公式サイト:
http://www.uplink.co.jp/kaotachi/

Twitter:
https://twitter.com/FacesPlacesJP


映画監督アニエス・ヴァルダと、写真家でアーティストのJR。
年の差54歳の二人が、フランスの田舎街を旅しながら人々とふれあい育む、でこぼこで優しい友情。

「ヌーヴェルヴァーグの祖母」とも呼ばれる女性映画監督の先駆で、カンヌ、アカデミー両賞で名誉賞を受賞しているアニエス・ヴァルダ。そして、大都市から紛争地帯、様々な場所で、そこに住む人々の大きなポートレートを貼り出すアートプロジェクトで知られるアーティストJR(ジェイアール)。
『顔たち、ところどころ 』は、そんなふたりがフランスの田舎街を旅しながら、人々とふれあい、作品を一緒に作り残していくロード・ムービースタイルのハートウォーミングなドキュメンタリー。

サングラスを決して取ろうとしないJRにやきもきし、ゴダールが『はなればなれに』で作ったルーブル美術館の最短見学記録を塗り替えたり、時に歌い、笑いながら、でこぼこな二人旅は続く。炭鉱労働者の村に一人で住む女性、ヤギの角を切らずに飼育することを信条とする養牧者、港湾労働者の妻たち、廃墟の村でピクニック、思い出の海岸…フランスの田舎街をめぐり出会ったのは、美しい風景と、たくさんの顔、顔、顔。「JRは願いを叶えてくれた。人と出会い顔を撮ることだ。これなら皆を忘れない」とアニエスはつぶやく。願いを叶えてくれたお礼にと、彼女はJRにあるプレゼントをしようとするが…。

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© Agnès Varda – JR – Ciné-Tamaris – Social

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