リン・ラムジー監督6年ぶりの新作である『ビューティフル・デイ』が6月1日より公開となります。
本作は、2017年カンヌ国際映画祭コンペティション部門で男優賞(ホアキン・フェニックス)と脚本賞(リン・ラムジー)をW受賞したハードボイルド調のクライム・スリラーというべき物語。 唯一無二の感性が息づく演出、演技で映像化し、観る者にジャンルの枠をはるかに超えた映画体験をもたらす衝撃作! 日本での公開を控え、本日17日(火)にリン・ラムジー監督が来日し、ジャパンプレミアが行われ、ティーチインも行われました。 |
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Q.本作は4/6(金)にアメリカでも公開となり大ヒットを受け拡大公開されると伺いました。アメリカでの反応はいかがでしたか?
ラムジー監督:本当に素晴らしい反響を得て、とてもポジティブなフィードバックをいただいています。先に公開されたイギリス国内でもかなり好評で、アメリカのサンダンス映画祭でこの作品を観てもらった時も素晴らしい反響をいただきました。映画を観ながら音楽にあわせて足を鳴らし、作品に没入する方もいたので、この映画祭でそれだけ良い反応をいただいたという事は、アメリカでの反応も良くなるという予兆だったと思います。 Q.ホアキン・フェニックスについて ラムジー監督:この作品は私たちにとっても特別な作品でした。ホアキンのスケジュールの関係で、急に撮影出来ることになり、睡眠もほとんどとれない過酷な現場でした。クランクイン間近なのに脚本は完成していないし、さらにその脚本も20ページカットしなければいけなかったり、夏場のとても暑いニューヨークで撮影したりと、通常であればクランクアップ後はしばらく寝ていたいと思うような時間でしたが、今回は終わった時に本当に寂しくて、もう一本映画をつくろう、と思わず言い合うような現場でした。先週行ったロサンゼルスでのプロモーションにはサプライズでホアキンが来てくれました。彼がプロモーションに参加する事はこれまでなかったので、皆にとっても、私にとっても本当に嬉しかったです。大作映画が席巻している映画業界の中で、こういう小さな映画を彼がサポートしてくれる事も嬉しいことです。今回の来日の話をしたら、「僕も行きたい!」と言っていたので、もしかしたら客席に隠れているかもしれませんね(笑) Q.本作の時代設定は現代ですが、携帯電話やパソコンを持った人物が登場しない事に何か意図がありますか? ラムジー監督:ホアキンとも話して、テクノロジーは避けて人物を描こうと決めました。そもそもガジェットを持つようなキャラクターではなく、自分の人生でありながら幽霊のように生きている男性なので、自分を追う事ができるようなテクノロジーを避けているキャラクターだと考えたわけです。テクノロジーから離れて生きるのは難しい時代ではありますが、彼は幽霊のような存在だと考えてもらえればと思います。 Q.カメラが水平かそれより下からいつも撮影していましたが、どういった意図があったのでしょうか? ラムジー監督:キャラクターと寄り添った感覚で撮りたいと考えたので、ニューヨークという街自体を背景にしようと思いました。なので、よくある高層ビルの輪郭や空撮したようなカットは入っていません。常にジョーという存在と共にある、何よりもキャラクターと同じ高さで撮るという事にこだわった結果だと思います。 私の長編デビュー作の『ボクと空と麦畑』の時と同じカメラマンが撮ってくれたんですが、きっと何かこだわりがあるんだと思います。 Q.ほとんどの暴力描写が、暴力そのものではなく、何かが起きた後を描いていましたが、元々撮影していた暴力的なシーンを編集したのでしょうか、それとも初めから敢えて暴力描写を避けて撮ったのでしょうか? ラムジー監督:今回は29日というタイトな撮影スケジュールだったので、最初から決め込んで撮影に入り、追撮も一切しませんでした。暴力描写については、どうしても陥りがちなパターンがあるし、今回はそういったパターンは避けたかったんです。映像を観てもらえれば何が起こったのかは明らかなわけで、逆に観客に想像してもらう余地も生まれるというアプローチにしました。主人公のジョーは他人に暴力をふるう事が機械的になっている男ですが、自分の歯を抜くなどパーソナルな暴力シーンもしっかり見せています。編集作業も撮影と同じくらい時間がなかったんですが、最初からすべてをそぎ落として、なるべく正確無比に画を繋いでいこうと進めました。実は、今回初めてデジタルで撮影したんですが、今までフィルムで撮ってきた時と同じように、デジタルであっても何テイクも撮らないように心がけました。 |
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最後に観客に向けて何度も繰り返し
アリガトウゴザイマス。 と日本語で感謝を伝え、イベントは終了した。
6月1日(金) 新宿バルト9 ほか 全国ロードショー 孤独な男と全てを失った少女。 その日、壊れた2つの心が動きだす― そして二人はニュースで、依頼主である父親が飛び降り自殺したことを知る |
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監督・脚本・製作:リン・ラムジー
1969年12月5日、スコットランド・グラスゴー出身。(48歳) イギリス国立映画テレビ学校の卒業制作として制作した短編『Small Deathes』(未)で、96年度カンヌ国際映画祭審査員賞受賞。監督第2作目の短編『Kill the Day』(96/未)はクレルモン・フェラン国際短編映画祭で審査員賞を受賞。第3作目の『Gasman』(98/未)で再びカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞、加えて英国スコットランドアカデミー賞の最優秀短編賞に輝いた。 |
出演:ホアキン・フェニックス(『her/世界でひとつの彼女』)ジュディス・ロバーツ、エカテリーナ・サムソノフ
監督・脚本:リン・ラムジー(『少年は残酷な弓を射る』『モーヴァン』)
音楽:ジョニー・グリーンウッド(レディオヘッド)
原作:ジョナサン・エイムズ「You Were Never Really Here」
2017年/イギリス/英語/カラー/シネマスコープ/DCP5.1ch/90分 【PG-12】
提供:クロックワークス、アスミック・エース
配給:クロックワークス
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