4月3日(火)、マーティン・ルーサー・キング牧師の没後50年トランプ政権下のアメリカで異例の大ヒットを記録したドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』トーク付き試写会を開催いたしました。 日程:4月3日(火) 場所:シネアーツ試写室 登壇:モーリー・ロバートソン 日米双方の教育を受けた後、1981年に東京大学に現役合格。1988年ハーバード大学を卒業。国際ジャーナリストからミュージシャンまで幅広く活躍中。 MC:池田有希子 |
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池田有希子さん モーリー・ロバートソンさん 久しぶりにアメリカに戻って、黒人は怖い、と感じてしまったんです。そのあと、私学に通いましたが、そこでは一人も黒人はいなかった。これでやっと黒人から暴力を受けない、と思ったら、今度は白人からいじめを受けたんです。人間はなんて暴力的なんだろうと。 この映画は重くてコッテリした作品で本当に見応えがあります。何度も見て自分の中で咀嚼して理解を深めていくことができると思います。日本では人種差別がないと思っている方が多いと思いますが、そんなことはない。ブラックフェイス問題も日本で何度も話題になりますが、なかなか理解が深まらない。当事者に悪意がないのですが、世界的には大きなニュースになるくらい、意識の差がありますよね。マイノリティに対して寛容になろうとすると、必ず悶着は起きるもの。綺麗に解決することは絶対にありません。現実的に、例えば北朝鮮問題で有事が本当に起きた時、日本はどうなるでしょう。在日の方への差別が起きないことだけを祈ります。この映画を見ることの意義は、少なくとも「知る」ことによって、色んな状況に直面した時への対応力が少しでもつくのではないか、ということです。 日本は本当に差別がない国なのか?今一度皆さん一人一人が向き合うキッカケになると思います。 |
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映画『私はあなたのニグロではない』
原題「I AM NOT YOUR NEGRO」 5月12日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー 公式サイト: 1979年.作家ジェームズ・ボールドウィンは、エージェントに向けて次回作の構想を語る手紙を書いていた。題材は友人である3人―メドガー・エヴァーズ、マルコムX、マーティン・ルーサー・キング。30ページで止まったままの、その本のタイトルは「Remember this House」。 1957年。フランス・パリで執筆活動をしていたボールドウィンは、故郷アメリカへ戻る決心をする。パリ中で売られていた新聞に載っていた黒人少女、ノースカロライナ州シャーロットの高校に入学するドロシー・カウンツの写真を見たのがきっかけだ。大勢の白人たちに取り囲まれ、ツバを吐かれ嘲笑されながら登校する15歳のドロシーに、ボールドウィンは強い衝撃を受けた。「パリで議論している場合ではない。皆責任を果たしている」そして彼は、人種差別の最も激しい地域、アメリカ南部への旅に出る。公民権運動の指導者だったメドガー、マルコムX、キング牧師との出会いと別れ。ロバート・ケネディとの会談。ボールドウィンは激動するアメリカ社会の真ん中に立ち、出来事を記録し、各地で講演をし、精力的に動き回る。 そしてボールドウィンは、自身の体験と鋭い洞察力で、母国アメリカの人種差別の歴史とその正体を解き明かしてゆく。 |
監督:ラウル・ペック
語り:サミュエル・L・ジャクソン
原作・出演:ジェームズ・ボールドウィン
出演:キング牧師 マルコムX メドガ―・エヴァース シドニー・ポワチエ ボブ・ディラン マーロン・ブランド ほか
アメリカ、フランス、ベルギー、スイス/2016/英語/カラー/DCP/93分
日本語字幕:チオキ真理
字幕監修:柴田元幸
配給・宣伝:マジックアワー