巨星・三島由紀夫が自ら愛した異色の【SF】小説を、『桐島、部活やめるってよ』(12)、『紙の月』(14)の鬼才・吉田大八が悲願の映画化。三島由紀夫の異色【SF】小説を現代設定に大胆脚色した映画『美しい星』が、5月26日(金)より全国公開となります。
舞台を現代に大胆アップデートし、或る日突然【覚醒】した宇宙人視点で、鋭く世界(いま)を切り取ってみせる。その予測不可能な三島×吉田ワールドに、リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子、佐々木蔵之介ら、今をときめく個性派キャストが集結。 昨今、小難しく受け取られがちな三島文学。 そこで、明治大学文学部文芸メディア専攻准教授・伊藤氏貴先生に、後期授業で三島由紀夫を題材に学ぶことになっている学生に向け、特別授業として〝三島由紀夫と映画「美しい星」“を取り上げて授業!先週本作の試写を行った学生さんたちには吉田大八監督が次週特別講師で来るとアナウンスしていたそう。 ですが・・・・ 特別授業 “三島由紀夫と映画「美しい星」” |
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映画『美しい星』を先週観た学生さんたち、思い出していただくために最後の10分を再び鑑賞。 その後、伊藤先生による講義がスタート。 伊藤先生:三島は時代を先取りしてたんですね。ちらっと年表観るだけでぶっ飛んでます。その中でも「美しい星」は異色な作品。仮面の告白から始まって金閣寺の正統派なものが印象だと思いますが。できたら。これも読んでほしい作品ですね。実は、三島は、UFO信じていて研究会も入っていて望遠鏡持って探しに行ってたりしてたんですよ。 と、裏話も 伊藤先生:映画は舞台が変わっています。原作の当時はキューバ危機で全面核戦争が起きたかもしれない時代。東西が核によって地球だめになるかもしれない。そんなことをする人間がいてよいのか・・・がテーマ。是非、原作を読んでみてほしいですね。三島はお気に入りの作品だったそうです。 |
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ここで、吉田大八監督を伊藤先生が呼びこむと、暖かな拍手が・・・しかし、その後ろにリリーさんと亀梨さんがいることがわかると教室は一気にヒートアップ!
リリーさん:先生、国際弁護士みたいですね! と、湯浅弁護士にちょっと似ていることをいじってペースを握らせない画策。それでもさすがは准教授。そのまま監督にこの本を読んだ時のエピソードを聞き出し、 リリーさん:僕は美大生だったので、三島は文学と言うよりはポップスターでしたね。写真集とかね。人気ありましたしね。男前でしたしね。先生は1年かけて同性愛文学について講義してるんですよね。 と、逆質問 伊藤先生:必修でもないのに、これだけ集まっているのは時代だなと思います。半分ぐらいは腐女子です。残念ながらそういうシーンはこの映画にはなかったですがね。美しい星は 55年前宇宙人で純文学を書こうなんて思いつかなかったと思いますよね。 監督:スピルバーグがない時代に、際物扱いされることわかって、ぎりぎりのところに突っ込む三島さんは凄いですよね。 亀梨さん:石原慎太郎さんが一緒にUFO探しに行ってたんですよね。 りりーさん:普通に考えたら危ない人たちだよね。でもモダンでファンタジーだったんでしょうね。 監督:嫌われるとは言えないですよね。振り切ってチャレンジしたので、その姿勢だけは評価して欲しいですね。 リリーさん:ミックスして創られて映画化してくれて喜んでいると思いますよ。でも、このポスターがお客さんを遠ざけてる気がします! 亀梨さん:おらに力をーですよね。 と、笑いを誘います! |
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ここで学生からの質問コーナーに
Q:宇宙人に覚醒する前後での役作りは? 亀梨さん:台詞やそこに立つのかは準備しましたが監督に身をゆだねていて。セリフの音とか目線を細かく演出してくれて、監督の脳みそにある映像を意識して演じました。 リリーさん:普通にお天気キャスターから、火星人。こういう宇宙人で行きますって監督に行ったらうざいでしょ。でも、三島や監督が暗喩してるのは、地球人の時より覚醒の方が愛に目覚めてる。皮肉がね・・・。それから、点と丸をうまく打てることが必要。監督は 本当に細かくて。 カメ、監督の中に存在してるものが、ひしひしと伝わってきて。信頼がありましたね。 監督:リリーさん、亀梨君が現場で出してくれるものをセッションしていく感じで、音の細かさも セッションにのっていったんだと思う。僕は楽しかったんです。 監督:かっこいい小説だなと。きれいな文章で、気組み立てられていて最後に崩す。そのカッコよさ。自主映画が撮っていて、いつか映画にできたらいいなーぐらいの思いですね。それから忘れてなかったんですけど。CMを作ってる間も言ってたんですがハードル高くて。たまたま。「紙の月」の後に・・・ダメもとで聞いてみて実現しました。 Q:亀梨さんは映画では野心家でしたが、実際は? 亀梨さん:そうですね。それをトップに掲げてはいませんが、どういう自分でありたいかは頭にありますから・・・少なからず。昭和よりなので。割あい欲はあります。 リリーさん:亀梨君は野心より男らしくい。たくましいんですよ。 Q:何がしたいか決められない時どのように 監督:音楽が好きだったのに、でも自主映画をほめてもらって真に受けて。業界に来ちゃいました。手ごたえがあった方向に進むのが良いのでは。 リリーさん:小学生は野球。でも子供のころから53歳でも大人になったらと思ってますから。映画に出るの今でも違和感。これになりたいを決め打ちしなくても。つながりを大事にして! 亀梨さん:YOU!うちで野球やっちゃいなよ!って誘われて。どう色々なことに向かい合っていけるかだと思います。予想通りにはいかないですから兎に角、出会いの中で向き合えばと思います。 Q:火星人のポーズはどのような過程で? リリーさん:振付師の人と最初はキメて。芝居の流れで動いていて、試写でこんな風に動いてたんだと。でも、僕の中で宇宙人にセーラームーンを感じました。深層の意識が出ますよね。 監督:台詞の後で、勝手に動くんです。それがピリッと凄いんです。 Q:荒唐無稽なのに自然な演技なのは? 監督:自然というよりは、イメージ=ノリ=グルーブそれに乗るか乗らないかをきめて。映画のノリに合わせてやってもらいました。自然=はまってる、なじんでる。のだと思います。 |
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最後に・・・ 監督:若い人たちと話せて楽しい時間でした。 亀梨さん:出来上がった作品を観て、自分の抱いていたイメージの先に、凄いいけてる映画になりました。音楽とか映像が新しくて。自分もトライさせていただいてよかったなと思いました。三島作品の映画化ですが構えずに観ていただけたらと感じます。 リリーさん:文豪の映画化は少なくなってて。この映画を観て、読んでみよう、小説ってめんどくさくない。映画や小説の面白さを気が付くきっかけになればと思います。 物語・・・ その手で“美しい星・地球”を救えると信じた、とある平凡な“宇宙人一家”の悲喜劇 “当たらない”お天気キャスターの父・重一郎、野心溢れるフリーターの息子・一雄、美人すぎて周りから浮いている女子大生の娘・暁子、心の空虚をもて余す主婦の母・伊余子。そんな大杉一家が、ある日突然、火星人、水星人、金星人、地球人(?)として覚醒。“美しい星・地球”を救う使命を託される。ひとたび目覚めた彼らは生き生きと奮闘を重ねるが、やがて世間を巻き込む騒動を引き起こし、それぞれに傷ついていく。 なぜ、目覚めたのか。本当に、目覚めたのか 。そんな一家の前に一人の男が現れ、地球に救う価値などあるのかと問いかける。 5月26日(金) TOHOシネマズ 日本橋他全国ロードショー |
リリー・フランキー
亀梨和也 橋本愛 中嶋朋子 / 佐々木蔵之介
原作:三島由紀夫「美しい星」(新潮文庫刊)
脚本:吉田大八 甲斐聖太郎 音楽:渡邊琢磨
製作:依田巽 藤島ジュリーK. 市村友一 吉川英作 中川雅也 エグゼクティブプロデューサー:小竹里美
Co. エグゼクティブプロデューサー:松下剛 プロデューサー:朴木浩美 鈴木ゆたか
撮影:近藤龍人
美術:安宅紀史
照明:藤井勇 録音:矢野正人
編集:岡田久美 助監督:甲斐聖太郎
ラインプロデューサー:新野安行
製作:「美しい星」製作委員会
助成:文化庁文化芸術振興費補助金
企画・制作プロダクション:リクリ
企画・製作幹事・配給:ギャガ
監督:吉田大八
(C)2017「美しい星」製作委員会