映画情報どっとこむ TJ 先月末からLOAD SHOWにて配信中の「ナゴシノハラエ」の主演女優 薬袋いづみさんと大原とき緒監督に都内試写室にてインタビューを行いました。本作の薬袋さんが主役に選ばれた理由から撮影時のエピソード。そして今後の展開まで、ざっくばらんに語っていただきました。

薬袋いづみ&大原監督インタビュー

本作、「ナゴシノハラエ」は夢野久作の「瓶詰の地獄」をモチーフに大原監督が創作した「私の恋人は兄だ」という告白から始まる衝撃的な内容を女性の目から映した作品。昨年の渋谷アップリンクで公開の後も大阪、兵庫、北海道、九州・・・精力的に各地で上映されてきた作品でもあります。

ちなみに「夏越の祓(ナゴシノハラエ)」は、6月の晦日に行われる神社伝統行事。厄除けを祈願します。

映画情報どっとこむ TJ Q:ディープな作品の主役公募でしたが、応募されたきっかけなどありましたら。

薬袋さん:この作品までは舞台ばかりでしたので映像に挑戦してみたいと思っていたところに、この公募が出ていたので応募しました。

Q:最終的に薬袋さんを主役に抜擢した理由は?

監督:オーディションは2次審査までで3人残りまして。実は、その時点では他のお二人を私とプロデューサーはそれぞれ押していたんです。でも、審査をしているその日のうちに、薬袋さんは私たちの要求に合わせて変わっていったんです。最後の審査で、薬袋さんの演技に泣いてしまって。この人なら、翠になってくれるだろうと、決めました。

薬袋いづみ&大原監督トーク

Q:薬袋さん、ご存知でしたか?それを聞いていかがですか?

薬袋さん:うれしいですね。普段のオーディションでの演技も、レスポンスに応えながら発信していく時間が少しでもあるととても興奮します。自分自身についての一般的な質疑応答だけだと、ちょっと最初の印象が薄いもので。(笑)

監督:そんなことはなくて、本当の薬袋さんは生命力の強い方なんですよね。ナゴシでの演技では、一拍おいて、抑えて演技していただくという演出をさせていただきました。

薬袋さん:そうですね。主役の翠は受け身ですし、翠独特の間だったり、動きのスピードなどは監督と相談しながら、丁寧に撮影できた事は貴重な体験でしたね。

スクリーンで見る薬袋さんと実際の薬袋さんでは大きく違う印象。監督が語るようにあれは演技、明るく力強い女性のようです。

映画情報どっとこむ TJ Q:以前監督が撮影時は暑くて大変だったとおっしゃっていましたが、薬袋さんは撮影時のエピソード・思い出などございますか?

薬袋いづみ薬袋さん:そうですね。翠は監督の中でのイメージが確立している主人公なので、何しろ色白で。と言われていたのですが、撮影の日差しが強くて、日焼けしないようにするのが大変でした。撮影は基本的に順撮りだったので、心の持って行き方は比較的やりやすかったですね。実は最後のお兄ちゃんとのシーンは、当日変更になりまして、でも、私の中ではあのラストのイメージを持っていたので、監督が当日小道具を持ってきたときにはしっくりきましたね。

監督:そうですね。ラストは前日まで悩んで。ああしないと、いじらしくてかわいくて、男性にとって都合のよい女の子になってしまうので、そうはしたくなかった。それまで翠が、抑えてたものを、あそこで全部出してもらいたかったんです。

さらに、エピソードを思い出したご様子の薬袋さん。

薬袋いづみ4薬袋さん:あっ、それから、撮影で私もカメラ、回してます。

質問していた私(記者)、この意味が分からず、さらに話を聞くと、監督が出ている場面は薬袋さんが撮影するというかなりアットホームな撮影の時もあったそうですが、薬袋さんはそのシチュエーションを楽しんだそう。

Q:以前のインタビューで監督に長回しが好きだとお聞きしましたが、薬袋さんは苦労しました?

薬袋さん:舞台を経験しているので長回しは大丈夫でした。逆に、この作品のあとに撮影した「さよなら渓谷」でのカット割りの方が慣れず、最初は戸惑いました。(笑)

映画情報どっとこむ TJ Q:翠の恋愛観、禁断の恋愛に共感できますか?

薬袋さん:禁断のという部分は共感しないですが、翠のようにまっすぐに、一人を強く愛する部分は共感出来ますね。そこに集中して演じていました。ちなみに私自身も一途です。(笑)

Q:近親相姦以外にも双子や同じ名前だったり時間軸がずれている感覚があったり、表現の上でかなり難しかったのでは?

薬袋いづみ2薬袋さん:演じてて思ったのは、彼女の時間軸がゆっくり流れていて自分の時間はしっかり流れている意識。でしたので違和感なく進めました。
あと、双子で同じ名前だったり、というように初見では分かりにくい点でも、監督の工夫とこだわりが詰まっていて、登場人物にそれぞれテーマカラーが設けられています。そこにも注目してご覧いただくと、より一層楽しめると思います!

目標にしている女優さんは?という監督から薬袋さんへの質問に、高峰秀子さんと藤山直美さんと即答。体中からというか、もう毛穴から醸し出されているかのように、一人の人間を表現されていて拝見するといつも感動します。目標ですね。さらに今後出てみたい作品のジャンルはコメディー。是枝監督作品にも出てみたいともおっしゃっていました。

映画情報どっとこむ TJ 最後にお二人の今後の予定をお聞きしました

Q:薬袋さんのご予定・告知をお願いします。

『お墓参り』シーンより
『お墓参り』シーンより

薬袋さん:昨年撮影しました吉村元希監督の作品「お墓参り」が8月25日から9月4にまで開催の福岡インディペンデント映画祭で公開となります。

「お墓参り」のご紹介はこちら

Q:監督の次回作は?

監督:今、次回作の脚本を書いていて、追い込まれていて焦っています。それから、LOAD SHOWでナゴシノハラエが配信中ですのでよろしくお願いいたします!
LOAD SHOW Link
https://loadshow.jp/films/71

薬袋さん、監督の次回作にも期待です!

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薬袋いづみ Minai Izumi プロフィール

20歳より、俳優・演出家 中島陽典氏に師事。
『ウミユカバミヅクカバネ2006』『けいせい仏の原』に出演。20代前半は主に舞台を中心に活動。その後、大原とき緒監督作品『ナゴシノハラエ』『早乙女』に主演。大森立嗣監督作品『さよなら渓谷』(2013年公開)、山本政志監督作品『水の声を聞く』(2014年公開)に存在感あふれる役で出演。短編出演作品に、櫻井啓介監督『さよならダンボーイ』、吉村元希監督『お墓参り』、濱本敏治監督『もうもく』などがある。

ナゴシノハラエ

出演
市川 翠(スイ):薬袋いづみ/市川 舜・淳:土山壮也/瑞穂:神月叶/浜田 真:小口美緒/彗(スイ):大久保千晴/濱田 惇:横田創/市川 絢子:大原とき緒/毛利浩秋/劇中劇『ビンヅメノジゴク』キャスト:こもだまり、野口有紀

スタッフ
ナゴシノハラエ監督/脚本:大原とき緒
Co-プロデューサー:土山壮也
衣裳アドバイザー:丸山恵美
ミキサー:大谷勝巳(有限会社プロフェッショナルクラフト)
テクニカルアドバイザー・機材協力:中村元洋

ロケ場所協力:神楽坂die-pratze
作品引用:『瓶詰の地獄』夢野久作 著
音楽:ezoshika label『Je te veux(あなたが欲しい)』エリック・サティ

予告編制作:花田まり子
制作:movies label will☆

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