12月18日、「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」展覧会開催中の東京国立近代美術館で、学芸員レクチャ―付映画「モリのいる場所」試写会が行われ、主演の山﨑努と沖田修一監督がサプライズ登壇しました。 本企画は、画家・熊谷守一の大回顧展を開催中の東京国立近代美術館と、熊谷守一をモデルにした映画『モリのいる場所』の共同企画として開催され、映画『モリのいる場所』の試写会後に、蔵屋企画課長による、熊谷守一の作品や生涯の紹介や映画の中に登場するエピソード解説、その後に回顧展の内覧会が催され、まさに熊谷守一漬けのイベントとなりました。 試写会イベントの最後には、沖田監督と山﨑努が舞台挨拶に登場。 山﨑さん:プロ野球選手ではありませんが、応援宜しくお願いします! と場内を沸かせた。 モリカズ像を決定づけた代表的名著「へたも絵のうち」が効果的に翻案されているように、映画は今回の展覧会の目的とも多くの共通点があります。蔵屋企画課長の映画を交えたトークによりますと、「外見は白いひげを伸ばしたおじいさん。昆虫や植物を描く作品は明るく楽しく飄々としている。何の悩みもない人が幸せに絵を描いている、と誤解している方も多いのではないでしょうか。しかし守一は、穏やかさの裏に人に見せない激しい部分を隠し持っていたのではないかと、展覧会をやって改めて思います。映画でも「人に見せず隠している部分がある」という守一のありようがきちんと描かれています。例えば、にぎやかな宴会が終わって、夜、一人でアトリエに入るシーン。実際に描くところは登場しません。ただ翌朝の場面で、映画冒頭に出てくる下絵のままの画面が写し出され、守一がこの作品を描きあぐねた夜の孤独な時間が暗示されるのみです。実際守一も、家族にすら油絵を描くところを見せなかったそうです。展覧会でわたしが感じたことと、映画が訴えていることとは、こうして何より「守一には人に見せない謎めいた顔がある」という一点で共通しています。主演である山﨑努さんの、「守一に素顔を隠す仮面をかぶせた」という演技のプランのお話を聞き、その通りだ!と思いました。」とのことです。 【監督・脚本】沖田修一 × 【主演】山﨑努 × 【モデル】熊谷守一(通称モリ) |
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映画『モリのいる場所』
本作は「30年間もの間、ほとんど家の外へ出ることなく庭の生命を見つめ描き続け、97歳で没するまで生涯現役であり続けた」モリのエピソードをもとに、沖田修一監督が晩年のある1日をフィクションとして描くオリジナルストーリー。時流にも無頓着、自分のやりたいことだけに夢中になる画家・モリ94歳。ともに人生の荒波を乗り越え、ちょっと変わった夫との暮らしを楽しんでしまう(?)笑顔がチャーミングな妻・秀子76歳。長い年月を積み重ねてきた夫婦の姿を通し、人生を豊かにする生き方とは何か、それとなく教えてくれるユーモラスな人間ドラマ。昭和49年、東京・池袋。老いも若きもいつも賑やかな熊谷家の茶の間。ひととひととのつながりが懐かしく温かい。夫婦を取り囲む様々な世代の個性的なキャストたちが繰り広げる、可笑しくておかしなやりとりにクスクス、夫婦愛にほろり、珠玉の物語をお届けします。 【ストーリー】 画家・熊谷守一 展覧会: 「モリのいる場所」 2018年5月、シネスイッチ銀座、ユーロスペース、 twitter facebook |
監督 /脚本:沖田修一
出演:山﨑努、樹木希林、加瀬亮、吉村界人、光石研、青木崇高、吹越満、池谷のぶえ、きたろう、三上博史ほか
配給:日活 制作:日活、ダブ 製作:『モリのいる場所』製作委員会
(c)2018「モリのいる場所」製作委員会