映画情報どっとこむ ralph “視聴率100%男”萩本欽一を追いかけたドキュメンタリー映画『We Love Television?』の試写会が行われ、10月16日(月)に日テレ“T部長”こと土屋敏男監督とフジテレビ往年の名ディレクターの三宅恵介さんがスペシャル対談イベントに登壇されました。

三宅さんは、1975年から「欽ちゃんのドンとやってみよう!」のスタッフとして参加され、その後多くのバラエティ番組を製作し、フジテレビの黄金期を築き上げた大ベテランのディレクター。この度、土屋監督と、監督とも古くから親交のある三宅さんが〈大将こと萩本欽一さんの魅力〉と〈欽ちゃん流の視聴率はいかにしてあがるのか〉について熱く語られました。

日時:10月16日(月) 
場所:日テレホール
登壇者:三宅恵介、土屋敏男監督

映画情報どっとこむ ralph 『We Love Television?』の試写会が10月16日(月)に日テレホールで行われ、土屋敏男監督と、フジテレビ「欽ちゃんのドンとやってみよう!」、「オレたちひょうきん族」、「ライオンのごきげんよう」、「あっぱれさんま大先生」、「平成教育テレビ」など様々な作品に参加し、フジテレビの黄金期を築いた三宅惠介さんが対談イベントに登壇。視聴率30%を超えるバラエティ番組がなくなった昨今、当時視聴率30%番組を連発した萩本欽一の番組作りとはなんだったのか、について語りました。


三宅さん:「欽ドン!良い子悪い子普通の子」の初回が7.9%。良いとは決して言えない数字でしたが、若い人が観て面白い、と反響があったんです。そこで『若い人に人気があるんだったら』ということで、その後レギュラーになり、17%まで上がり、さらに月曜日に放送時間が移ったことで30%へと。つまり、視聴率30%を撮る秘訣というのは、単発の番組では取れない、ということなんだと思うんですよね。

と語ると、

土屋監督:欽ちゃんの基本的なやり方は、レギュラーで重ねていって、視聴率を上げていくというやり方ですよね。

続けて

三宅さん:知らない人・無名な人がだんだん有名になっていき、その様を見たいという人が増えてきて、数字(視聴率)を取っていくようになる。つまり成長を撮るんですね。映画に出てくる番組は単発番組でしたけど、あの番組も続けていけば視聴率を取るようになっていたかもしれない。

と語りました。「電波少年」シリーズで30%視聴率をとった経験のある土屋監督は

土屋監督:僕が基本的に『進め!電波少年』でやっていたことって、欽ちゃんが番組の中でやっていた『誰も知らない人を起用して成長物語をみせる』というのをロケでやっていたんです。映画の中でも猿岩石に触れていますが、基本的にはそのフレームを使ってやっていました。

と話されました。

映画情報どっとこむ ralph そこから話題は“視聴率100%男”と呼ばれた萩本欽一の番組作りの秘密について。

三宅さん:僕は、40年近くやっていても、欽ちゃんが何言っているのかが半分もわからないんです。映画の中でも河本くんが稽古場で『もっと平たく言って』とか、『その後足して』とか言われているでしょう。正解は大将の頭のなかにしかないので、スタッフの僕たちも何をやりたいのかがわからないんです。

と語ります。

土屋監督:それは“意味が分からなくてもいいから、みんなそれぞれ全力でやれ”ということなんだと思うんです。出演者、スタッフみんなの全力が合わさって、視聴率30%という奇跡が起こるという。視聴率30%というのは、番組を超えて物語なんですよね。物語のない所に奇跡は起きないし、ドラマも起きないし、30%はない、と。

と語りました。

加えて

土屋監督:映画の中に欽ちゃんの70歳の誕生日を収めた場面があるんですが、西山(浩司)さん一人だけが来て酒缶を置いていくんです。普通の人からしたらさみしい誕生日ですよね。でも欽ちゃんからしたらプライベートが楽しくてどうするんだ、となるんです。プライベートで運を使ったら番組が成功しないと考え、それを実際に実践しているんです。全てを捨てて、テレビや番組に捧げているところを見ると、あれには勝てないなと思います。

と萩本さんストイックな姿勢について話しました。

映画情報どっとこむ ralph 最後に・・・

三宅さん:テレビ制作にたずさわる若者にはこの作品をぜひ見てほしいです。この映画で皆さんが思わず笑ったシーンは、リハーサル中のドキュメント的な笑いです。計算できないから笑ってしまうんです。そして劇中で欽ちゃんが言う『台本を面白くしちゃだめ』という言葉。テレビの面白さは、作家と演者とディレクターの1+1+1が5になったり、10になったりするチームプレーの奇跡なんです。バラエティ番組は、完成させてはいけないんです。この映画を見て、大将に実際に会って話しているときのエネルギーをもらう感じを味わってほしいですね。

というコメントで40分ほど続いた対談は締めくくられました。

映画『We Love Television?
11月3日(欽・祝)公開です。

公式サイト:
http://kinchan-movie.com/

〈三宅恵介 プロフィール〉
1949年2月5日生まれ、東京都出身。1975年より、萩本欽一司会のバラエティ番組「欽ちゃんのドンとやってみよう!」のスタッフとして本格的にバラエティ番組の製作に参加。“欽ちゃんの弟子”と自認している。以降、「オレたちひょうきん族」、「ライオンのいただきます」、「ライオンのごきげんよう」、「あっぱれさんま大先生」「平成教育テレビ」「FNS27時間テレビ」などフジテレビを代表とする数多くのバラエティ番組の制作に携わる。フジテレビの黄金期を作った伝説のディレクター。現在はフジテレビでエグゼクティブディレクターを務め、株式会社千代田企画代表取締役。「はやく起きた朝は…」のチーフプロデューサーを務める。

〈土屋敏男 プロフィール〉
1956年9月30日生まれ、静岡県静岡市出身。1979年、日本テレビ放送網(株)に入社。ワイドショーの現場を経てバラエティ番組制作に携わるようになり、ディレクター・プロデューサーとして「欽きらリン530!!」「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」「ウンナン世界征服宣言」「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」など数々のヒット番組を生み出す。とくにバラエティ番組にドキュメンタリーの視点を取り込んだ「電波少年」シリーズはテレビ番組の予定調和を崩すスタイルが視聴者の心を捉え、社会現象になった。このシリーズで「Tプロデューサー」「T部長」の愛称で親しまれる。現在は日本テレビにて日テレラボシニアクリエイターとして精力的に映像コンテンツを制作。ライゾマティクスとのコラボレーションで制作したパラレルVRドラマ「ゴースト刑事 日照(にってれ)荘殺人事件」が話題を呼んでいる。

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出演:萩本欽一 / 田中美佐子、河本準一
企画・構成・監督:土屋敏男(つちや・としお)
配給:日活
©2017日本テレビ放送網
上映時間:110分
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