映画情報どっとこむ ralph メリル・ストリープ、サム・メンデスも激賞!ラヴ・ディアス監督日本初上陸作『立ち去った女』

2016年、ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞(前作『痛ましき謎への子守唄』)、ベネチア国際映画祭金獅子賞を連続受賞し、たった1年の間に世界3大映画祭の2つを制覇、一躍注目の存在となった“怪物的映画作家”ラヴ・ディアス。

彼の日本劇場初公開作であり最新作『立ち去った女』をいち早く鑑賞した各界の“筋金入り映画中毒”から、興奮のコメントが続々到着しました!

「上映時間3時間48分」なのに…“短い”“終わらないでほしい”の声が続々!?

ラヴ・ディアス監督といえば平均で5~6時間、時に9時間に達する作品を生み出すなど、観客の度肝を抜く「長尺」がトレードマーク。最初は「忍耐力を試すつもりで」観始めたものの、観ているうちに虜になり、終わってみれば「わずか228分!」「途中休憩不要の面白さ」「この瞬間が終わらないでほしい」と、すっかりハマってしまった人々が続出!

映画情報どっとこむ ralph 周防正行監督、竹中直人さん、メリル・ストリープさんらから

周防正行(映画監督)
いつからありふれた定形を組み合わせたようなものが、「映画」と呼ばれるものになってしまったのだろう。ラヴ・ディアス監督の映画には、時間そのものを、世界そのものを丸ごと表現したいという、息苦しいまでの葛藤がある。この葛藤こそが表現であり、「映画」と呼ぶべきものなのかもしれない。

竹中直人(俳優・映画監督)
”何か”に対する怒りを持っている人間でいるかどうか ”目をつぶってしまう人間でいるかどうか”そんな思いをぼくはこの映画から感じた。心して観ないとあなたは打ちのめされてしまうだろう。

伊藤俊也(映画監督・『女囚さそり』シリーズ)
長回しによる日常がいつのまにか異界に変わる瞬間をあなたは見抜くことが出来るか。フィリピン版母物であり変則的な復讐譚に違いはないが、すでにしてそれは神話的領域に達している。

松江哲明(映画監督)
共感を拒否するかのような客観的な視点が徹底されているかと思いきや、絶妙のタイミングで主観となり、さらにはピンボケさえも決定的なショットとなる。「これを観よ」と「解釈はご自由に」が両立する幅の広さに驚かされた。映画の古典的手法を守るかのような作品だ。

深田晃司(映画監督)
目が離せなかった。ひとりの女によって変容していく人々の心、鋼のように変わることのない女の心。この映画の凄みはそのふたつの対比を描くために(ラヴ・ディアスにしては短い、でも短くはない)4時間弱を惜しげもなく費やしたことだ。美しく静かなモノクロームの光は脳内麻薬を誘発し、いつしかこの瞬間が終わらないで欲しいと願うようになる。なんて贅沢な時間だろう。

池澤夏樹(作家)
ストーリーを要約してしまうならば、これはメロドラマである。悪計によって30年の服役を強いられた女がおり、その復讐という主軸の周辺に奇妙な男女が何人か配置される。しかし映像と進行はこのストーリーの要約をことごとく裏切るのだ。舞台風のモノクロームの構図と計算された照明、少ない人数のゆっくりとしたやりとり、アップの抑制、すべてを語らない謎めいた展開。観客は、話の先を読み取ろうという努力と、美しいスクリーンがもたらす陶酔の間を行き来しながら、うかうかと4時間近くを過ごす。これもまた映画の快楽の一種である。

モノクロ長尺映像で描かれる、人生を壊された女の復讐劇。色もカメラワークも音楽もない。時間の流れだけが物語を写す。しかし、そこには優しさに彩られた愛が満ち溢れている。あなたが培った映画のリズムをスローに破壊し、再生する3時間48分。

小野正嗣(作家 芥川賞受賞「九年前の祈り」)
怪物ディアスは時間の魔術師だ。人や風景ばかりか時間までもが語り出し、沈黙を重ねる。美しいモノクロの画面からは、光と影に誘われ、残酷さと優しさが溢れ出し、素晴らしい映画だけが知っている彼方へと私たちを運び去る。

町山広美(放送作家)
その町の路地の、湿ったアスファルトの感触が身体に残る。目の、耳の、想像の、体感の深度が深まる強烈な映画体験。現実と神話、瞬間と歴史。そこに境界はないことを俯瞰するまで、わずか228分!

金原瑞人(翻訳家)
3時間48分と聞き、忍耐力を試すつもりで観始めたら、いきなり引きこまれて最後まで。途中休憩不要の面白さ。エンタテインメントといっていいほどの迫力が魅力だ。普通のモノクロ映画とは対照的に、光が強烈な作品。それなのに、観終えると、深く、重く、心に低く響く。

メリル・ストリープ(女優)
ラヴ・ディアス!彼の映画は、私の身体を分子構造からすっかり変えてしまうほどの衝撃だった

サム・メンデス(映画監督『007スペクター』『アメリカン・ビューティー』)
我々が感じたこの熱狂を、ぜひ観客にも、映画館で味わってほしい2016年ベルリン国際映画祭銀熊賞(『痛ましき謎への子守唄』)ベネチア国際映画祭金獅子賞(『立ち去った女』)連続受賞!世界が注目する鬼才、ラヴ・ディアスの最新作にして最高傑作!!

映画情報どっとこむ ralph 本作は、『ショーシャンクの空に』の原点ともなった文豪レフ・トルストイの短編小説「God Sees the Truth But Waits」に着想を得た人間ドラマ。1997年、香港返還による経済の弱体化、治安の悪化に揺らぐフィリピン。殺人の罪で30年間投獄された無実の女・ホラシア。ある日、彼女は親友から思いがけない告白を聞かされる。ホラシアが犯人とされた殺人事件の真の黒幕は、彼女のかつての恋人ロドリゴだというのだ。家族を失い、人生を壊されたホラシアは、自分を陥れた男ロドリゴを追って復讐の旅に出る。そして彼女の前に現れる、卵売りの貧しい男、物乞いの女、心と身体に傷を抱える謎の「女」―。ラヴ・ディアス作品の特徴である、美しくも徹底的な長回しとロングショットで、光と闇、善と悪を行き来する人間の本質をゆっくりと炙り出す。時に9時間を超える作品を輩出するなど、“超弩級の長尺”をトレードマークとする彼の作品群のなか、本作は4時間を切る“異例の短さ”でも人々を驚愕させた。圧倒的な映画的興奮に身をゆだねる、至福の228分。ラヴ・ディアス入門編としても最高の一本です。

『立ち去った女』
原題:Ang Babaeng Humayo
英題:The Woman Who Left
10月14日(土)、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー

公式サイト:
http://www.magichour.co.jp/thewoman/

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監督・脚本・編集・撮影:ラヴ・ディアス

出演:チャロ・サントス・コンシオ、ジョン・ロイド・クルズ、マイケル・デ・メサ

2016/フィリピン/タガログ語/モノクロ/228分/1.85:1/DCP 日本語字幕:細田治和
配給・宣伝:マジックアワー

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