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Kodansha Studios設立発表会
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会見冒頭では、Kodansha Studios設立にあたって講談社代表取締役社長の野間省伸が「このたび講談社は、ロサンゼルスを拠点にKodansha Studiosという、ハリウッドを中心に映画を制作する会社を設立いたしました。そのパートナーとして、こちらにいらっしゃいますアカデミー賞受賞監督のクロエ・ジャオさんとニコラス・ゴンダさんらによる制作会社Book of Shadowsと提携しました。今後、さまざまな日本のIPをハリウッド映画などの形で広めていきたいと思っていますのでご期待ください」とあいさつしました。 ![]() 続いてKodansha Studios 最高クリエイティブ責任者に就任することとなったクロエ・ジャオ氏が「本当にワクワクしていて、今日はとても嬉しい機会です。わたしは子どもの頃から深く日本の漫画やアニメを愛してきました。ですから本当にこのような機会をいただけて光栄です」とあいさつすると、Kodansha Studios COOに就任したニコラス・ゴンダ氏も「特に講談社さんのように、100年以上の長い伝統、そして素晴らしいクリエイティビティを育み、保ってきた会社とご一緒させていただけることを心から光栄に思っております」と語りました。 そしてあらためてKodansha Studios設立への思いを尋ねられた野間は「わたくしども講談社は、長年にわたってさまざまな物語を創出してきました。近年は海外へのIP提供にも力を入れているところでございます。いま世界的に日本のエンターテインメント・コンテンツの人気があるという状況もありますし、日本としてもコンテンツの輸出を世界に広めていこうといった追い風もございます。そういった中で、わたくしどももハリウッドをはじめ、海外からの実写映画化のお話をいただいてはいたのですが、やはりさまざまな課題が多い、というのが実情でございます」と日本のIPをめぐる現状を説明。 野間とジャオ氏がロサンゼルスで会ったのは2年半ほど前のこと。漫画、アニメという共通項で、両者はすぐに意気投合することとなりました。「もちろん彼女が、アカデミー賞で監督賞を受賞した著名な監督であることは存じ上げておりましたし、日本の漫画が大好きだということも存じ上げておりましたが、実際にお話をしてみますと、本当に漫画が大好きで。中国にいた子供時代からずっと漫画を読んでいたこともあり、漫画に対する愛情、深い造詣を持っている人だなと感じました」(野間)。 一方、Kodansha Studiosに望むものについて、ジャオ氏は3つのポイントを掲げます。「まず1つ目は東と西の懸け橋となること。異文化間の理解を促進するということ。わたし自身、子供時代からそれを成し遂げたいという思いがありました。そして2つ目は、Kodansha Studiosに“庭”として機能してほしいということです。映画作家として、ストーリーテラーとして、わたしがいつも望むものは安心できる場所です。作家、作品、アイデアがそこから発展して、そして外からの変革や情勢に左右されることなく守られる場所として機能させてほしい。つまり日本の作家と海外のクリエイターたちが共に植物を強く育て上げ、そこから巣立つことを助けられるような役割を担うことを期待しています。最後に3つ目は、野間社長と知り合った時に、彼の勇敢さに非常に魅せられたのです。不可能なことに果敢に挑んでいく。ですからわたしは彼に「Mr. Impossible」というあだ名をつけたのです。その精神をKodansha Studiosに取り入れて。果敢に取り組んでいきたいという思いがあります」。 隣に立つゴンダ氏もジャオ氏の意見に深くうなずきます。「この発表が行われる2年以上も前から、わたしたちはいろいろなものを学び続け、そしてたくさんの声を聞き続けてきました。もしかしたら今までもさまざまな課題があったかもしれませんが、そのような課題を克服するために、いろいろなシステムやプロセスをきちんと築き上げていきたいと思っております。このスタジオを設立することによって、まさにこれまで講談社さんがこれまで何年もしてこられたように、どんどん良いものに挑戦してつくっていきたいと思っています」。 あらためてジャオ氏に、日本のコンテンツへの思いを尋ねたところ、「日本のコンテンツは、まさにこのわたしの血と肉をつくったと言えます。漫画だけではありません。小説、アニメ、同人誌といったすべてに影響を受けました」とコメント。「わたしは孤独な子供でした。ですから漫画の中のキャラクターが友達だったのです。それはわたしだけではなく、世界の多くの人に共通する思いだと思います。たとえば漫画のシリーズ、作品がずっと続いていく中で、わたしもその漫画のキャラクターとともに成長していったのです。わたし自身、今はストーリーテラーとして仕事をしていますが、もともとは漫画家を目指していたのです。ただ絵を描くのがあまりうまくなかったということで断念しました」。 その上で、子どもの頃に漫画から学んだことは陰影だったとジャオ氏は語ります。「漫画のキャラクターには明るさ、暗さだけではなくて、グレーのような幅広い表現があります。ですから漫画の中のキャラクターというのは単一的ではなく複雑です。それを日本文化が表すようになったのは、やはり西洋の文化を観察し、それを取り入れ、統合した上でアウトプットをしているからでしょう。そこには人間とは何かといった問いかけがあり、深いレベルで漫画に描かれていました。わたし自身がストーリーテラーとして探求をする何か。埋もれてしまっているものや怖いもの、見えないもの、神秘的なもの、神話的なもの、科学、そういったものをわたしが映画で描こうとしているのも、やはり漫画の世界にわたし自身が何年も生きてきたことが大きな理由になっています」。
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