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初日オンライントークイベント

この度、香港アカデミー賞11部門、台湾アカデミー賞12部門を席捲し、日本では全国5都市にて開催された「香港映画祭2022」で動員数No.1となった注目作香港映画『香港の流れ者たち』(原題:濁水漂流)が、2023年12月16日(土)よりユーロスペースにて公開になりました。
公開を記念し、ジュン・リー監督のオンライントークイベントが開催されました。
香港の流れ者たち
初日オンライントークイベント
日程:12月16日(土)
場所:ユーロスペース
登壇:ジュン・リー監督
聞き手:リム・カーワイ(映画監督)

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ジュン・リー監督オンライン

香港スターたちがホームレス役を熱演!
街中のロケでも誰にも気付かれないほどの徹底ぶりに、監督も思わずニヤリ(笑)。
映画『香港の流れ者たち』が12月16日(土)に公開初日を迎え、ユーロスペースの初回上映は満席となった。上映後に、本作の監督ジュン・リーがオンライン登壇し、トークイベントが開催された。聞き手は、映画監督のリム・カーワイが務めた。
香港の流れ者たちDrifting
本作は2012年に高架下のホームレスが強制退去させられ、政府への賠償請求の裁判が起こされた「ホームレス荷物強制撤去事件」をベースに制作された。再開発のかげで追いやられるホームレスの排除問題を軸に、移民問題、そして薬物に蝕まれる貧困層など様々な社会問題を浮き彫りにしていく。
 “新世代の香港映画”の俊英ジュン・リー監督は、デビュー作『トレイシー』(2018)が、東京国際映画祭で上映された注目の監督。長編2作目となる本作で、過酷な状況の中にも人間の「尊厳」、お互いを思いやる「心」を見出し、社会派ドラマという枠を超え、ヒューマンドラマとして深い余韻を引き出した。

 満席の会場にジュン・リー監督が映し出されると、会場には大きな拍手が沸き起こった。「この映画はコロナ禍前に撮影され、公開まで様々なトラブルがありました。そしてコロナ禍を経て、香港では大きな変化がありました。そうした中で、コロナ禍前の香港の姿を記録することができたことは、私にとって誇りになりました。今日、日本で多くの観客の方に観てもらえてうれしいです。」と挨拶した。
「私にとって東京は特別な場所です。デビュー作『トレイシー』、プロデュース作品『離れていても』は東京国際映画祭で上映されています。そしてこれはまだ内緒ですが、日本人の監督と組んで、日本と香港を舞台にしたラブストーリーを企画中です。」と、自身にとって日本が重要な存在であると語った。
香港の流れ者たちDrifting
 高架下に住むホームレスの住処など、本作では実際に街の中にセットを作って撮影もしている。「香港の街中にセットを作るのには、許可を取るのにも大変でした。タイトなスケジュールでしたが、フランシス・ンはじめ、経験豊かでプロフェッショナルな俳優ばかりで、とてもやりやすい現場でした。」と撮影を振り返った。

香港の新旧世代のスター俳優が総出演しているのが、本作の見どころのひとつとなっている。80年代から香港映画界で活躍し、『エグザイル/絆』(2006/ジョニー・トー監督)等で知られる香港のベテラン俳優フランシス・ンが、ヤク中のホームレスの人生の悲哀を表現し新境地を切り拓いた。最近はイケオジ俳優としても名高いツェー・クワンホウ、90年代を代表するロレッタ・リー、『風の輝く朝に』(1982/レオン・ポーチ監督)で知られるセシリア・イップの特別出演も話題となった。そして若手キャストは、『燈火は消えず』(2022/アナスタシア・ツァン監督)『返校 言葉が消えた日』(2019/ジョン・スー監督)等の話題作への出演が続くセシリア・チョイ、『別叫我“賭神”』でチョウ・ユンファの息子役に抜擢された注目俳優ウィル・オー、『私のプリンス・エドワード』や『星くずの片隅で』で注目されるチュー・パクホン等、注目俳優が集結した。

しかしホームレスに徹するあまり、「街中の撮影でも彼らに気付く人はほぼいませんでした。そのおかげで撮影はやりやすかったです(笑)。おかげで撮影はトータル22日間で終わりました!彼らの熱演には感謝しかありません。」と、リー監督が撮影秘話と見どころを語った。
「この映画のラストは、とても悲しいと感じる人が多いかもしれません。もしかすると、彼らを取り巻く状況や結末に、怒りを感じたり、落ち込んだりする人もいるでしょう。でも彼らの決断を、彼らの生き方を通して、人間の尊厳について考えるきっかけになればうれしいです。」と、最後に日本の観客へのメッセージを送り締めくくった。

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『香港の流れ者たち』

原題:濁水漂流 
英題:Drifting

2023年12月16日(土)よりユーロスペースほか全国ロードショー

“新世代の香港映画” 俊英ジュン・リー監督が実際のホームレス荷物強制撤去事件から人間の尊厳を問いかける社会派ヒューマンドラマ!

物語・・・
濁流に身を任せて生きる“”たちが欲しいのは、和解金か?謝罪/尊厳か─!?
刑務所を出たファイは雑多で陰鬱な街・へ戻り、ラムじいが出所祝いくれたクスリをさっそくキメる。ホームレス仲間の皿洗いのチャン、ヤク中のダイセン、車椅子のランたちと再会し、ファイはまた高架下で暮らしはじめる。ある晩、事前通告なしにやってきた食物環境衛生署によって、ファイたちは家も身分証明書も何もかも失ってしまう。

新人ソーシャルワーカーのホーは彼らのために裁判を起こし、政府に賠償と謝罪を求める。ホーはベトナム難民であるラムじいの家族探しを手伝い、ファイの健康を心配し通院を勧め、彼らをできる限りサポートしていく。
ファイはハーモニカを吹く失語症の青年に出会い、「モク」という名前を与える。ファイはモクと新しい小屋を建て、心を通わせていく。建設中のマンションに忍び込み見下ろした夜の深水埗の街には、人々の生活の息吹が感じられるまばゆい光の海が広がっていた。ファイはモクに静かに語りかける。
「深水埗は貧乏人が住む町だ。高級マンションを建てて、貧乏人はどこへ行く? 」
政府から賠償金として2000香港ドルずつ受け取れることになり、よろこぶダイセンたち。ただファイだけが謝罪なしの賠償金は受け入れないと拒絶し、彼らは散り散りになってしまう。ひとり高架下に残ったファイ。賠償も謝罪もないまま、彼らは冬を越せるのだろうか…。
Drifting『香港の流れ者たち』

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フランシス・ン(吳鎮宇) ツェー・クワンホウ(謝君豪) ロレッタ・リー(李麗珍)
セシリア・チョイ(蔡思韵)  チュー・パクホン(朱栢康)   ベイビー・ボウ(寶珮如)  ウィル・オー(柯煒林)
監督:ジュン・リー(李駿碩)
プロデューサー:マニー・マン (文佩卿) 
脚本:ジュン・リー(李駿碩) 
撮影:レオン・ミンカイ(梁銘佳) /HKSC
美術・衣裳:アルバート・プーン(潘燚森) 
編集:ヘイワード・マック(麥曦茵)、ジュン・リー(李駿碩) 
音楽:ウォン・ヒンヤン(黃衍仁) サウンドデザイン:サイラス・タン(鄧學麟)
日本語字幕:小木曽三希子 
宣伝デザイン:阿部宏史 
配給:cinema drifters・大福 
宣伝:大福
原題:濁水漂流 
英題:Drifting 
2021 香港 カラー DCP 5.1ch 112分
(C)mm2 Studios Hong Kong
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