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@広島国際映画祭2023

第80回ヴェネチア国際映画祭・銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞したことで、カンヌ映画祭、ベルリン映画祭のいわゆる3大映画祭のグランドスラムを果たし、アカデミー賞を入れると黒澤明以来の快挙を成し遂げた濱口竜介。

3年弱の短期間での活躍に世界で最も注目される監督の一人なった濱口監督の『ドライブ・マイ・カー』以降の長編映画最新作品であり、現在、世界中の映画祭、映画館で上映され、世界の映画業界を席巻し続けている『悪は存在しない』。本日、広島国際映画祭にてジャパンプレミアが行われ、さらに日本での公開日と劇場が解禁となりました。

2024年4月26日(金)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』ほか全国の劇場で公開となります。

広島国際映画祭2023にて『悪は存在しない』のジャパンプレミアが行われました。
『悪は存在しない』ジャパンプレミア@広島国際映画祭2023
ジャパンプレミア&レッドカーペット
場所:@広島国際映画祭2023
登壇:濱口竜介監督、企画・音楽の石橋英子、出演の大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁

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ティーチイン

国内で初の上映となり満席の会場は期待感で溢れていた。
上映後の盛大な拍手の中、濱口竜介監督、企画・音楽の石橋英子、出演の大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁らレッドカーペットを歩いて登場。舞台挨拶トークショーに登壇しティーチインを含んだ1時間のトークで盛り上がった。
『悪は存在しない』ジャパンプレミア@広島国際映画祭2023
司会から国内初のジャパンプレミアを終えた感想を聞かれると濱口は「広島では自分の初期の作品から上映していただき、また『ドライブ・マイ・カー』のメインロケ地として石橋さんと出会い、素晴らしい仕事ができて、その続きとして『悪は存在しない』のジャパン・プレミアでまた広島に来られて本当に心から嬉しく思います。」と答え、企画・音楽担当の石橋は「『ドライブ・マイ・カー』の時は広島に来ることができなかったのでようやく来ることができたという気持ちでして、こうして広島の地で皆さんと作品を共有できて嬉しいです。」と広島での気持ちを伝えた。

キャストの大美賀は「いろんな映画祭を巡って映画を紹介していただく経験は初めてで、このような作品に関われて嬉しいです。」と語り、大美賀と親子役を演じた西川玲は「こうやってマイクを持って大勢の前でお話することも初めてで、お弁当を食べたりしてすごく楽しいです。」と元気いっぱいに答えた。続いて小坂は「この場所でこういう機会を与えてもらって嬉しいです。自分も広島で『ドライブ・マイ・カー』でスタッフとして参加していたので大変嬉しいです。」と、渋谷は「初めて広島に来たのですがこんなに広い会場で大きな拍手で迎えていただいて、あたたかい雰囲気ですごく嬉しいです。」と答えた。

『悪は存在しない』が生まれるきっかけを作った石橋は「海外のプロモーターの方から、映像と一緒にライブをやらないか?と言われた時、あまりピンとは来なかったんですが、映像と音楽がそれ自体面白くて独立したものが作れれば、ライブでも毎回演奏の計画とかを色々変えていくことができて飽きずに演奏していけるんじゃないかと思って、人柄もチャーミングで作品も大好きな濱口さんにお願いしました。」と答え、濱口は「お話をいただいて、初めは「どうしよう!」と思いました。ライブでの映像は結構抽象的な映像のイメージがあったので。その後石橋さんから「濱口さんのいつものやり方で」とおっしゃっていただき、そこから普通に脚本を書いて劇映画を作る、そうすれば自由に使える映像素材が得られると思い、「GIFT」というライブパフォーマンス用映像が完成しました。ただ自分自身が役者さんのセリフの声を聞いてしまうと感動するところもあったので石橋さんに確認を取ってもう1本、『悪は存在しない』を作ることになりました。」と振り返る。石橋も「すごく嬉しかったですね。それこそ<GIFT>でした。」と答えた。

濱口は、「このように経緯を説明するだけでかなりの時間がかかってしまうんです。そしてもう一つ入り組んでいることを説明しますと、主演の大美賀さんは、元々スタッフとしてシナハン時の運転手をやってもらってたところ、そのうち「あら!いいじゃない!」という気持ちになりまして(オファーしました)。」と言い場内の笑いを誘った。
大美賀は「こんなふうに映画祭を回るなんて全く想定していなかったんですが、濱口監督の元でそういう経験をするのはすごく大事だなと思って受けました。」と答え、その返答を受けて濱口は「大美賀さんは来月に監督作が控えてますんで。」とフォローした。(※大美賀均監督作品『義父養父』は12月15日より下北沢のK2にて公開)
撮影や映画本編で印象に残っていることを聞かれた西川は、「映画の中でうどん屋のシーンがあるのですが、そのシーンに自分は出てなくて、うどんが食べられなかったことです。」と答え場内がアットホームな雰囲気に包まれた。小坂は、映画の中の説明会のシーンをあげて、そのシーンを演じて以来、「テレビなどの記者会見で叩かれてる人を見ると、気になるようになった」と答え、同じく渋谷も説明会のシーンでの他の役者の切迫した演技や声のトーンなどを感心しながら、「幸せな時間を過ごせた」と語った。
また、濱口は小坂との縁を当時、『ドライブ・マイ・カー』の車両部スタッフをやっていた時からチェーホフが好きなドライバーと認識しており、印象に残っていたことを明かした。また、小坂は、『悪は存在しない』に出演が決まり当初はサイレント映画だと知らされていたが届いた台本で自身のパートで6ページもあったことに驚いたと語った。

最後に、企画者の石橋は「自分が企画させていただいた作品なんですが、私自身が他人ごとのように大好きな作品なので、こうやってあたたかい時間を過ごさせていただいてありがとうございました。」と言い、濱口は「正直、完成した自分の作品を何度も見ることはあまりないんですが、この『悪は存在しない』は珍しく何度も見てます。本当に飽きがこない作品なので、皆様にもぜひ何度もご覧いただいていただけたら大変嬉しいです。」と締めくくった。

また、この会場で、4月26日金曜日に初日が確定したことが発表された。

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『悪は存在しない』

英題:Evil Does Not Exist

4月26日(金)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか公開

映画『ドライブ・マイ・カー』(21)で初顔合わせした濱口竜介(映画監督)と石橋英子(音楽)による共同企画。はじまりは、石橋がライブパフォーマンスの為の映像を濱口に依頼したことで、濱口はこれを快諾。2人による「音楽×映像」プロジェクトがスタートした。その音楽ライブ用の映像を制作する過程で、106分の長編劇映画『悪は存在しない』が完成した。
また、『悪は存在しない』と共通の映像素材からつくられた石橋英子の音楽ライブ用サイレント映画『GIFT(ギフト)』は、10月にベルギーで開催されるゲント国際映画祭で初お披露目となり、それ以降、石橋によるライブ・パフォーマンスとともに世界各地で上映が予定されている。(本作は、『ドライブ・マイ・カー』以降の濱口の長編映画最新作品となります。)
悪は存在しない
悪は存在しない
悪は存在しない
あらすじ・・・
自然が豊かな高原に位置する長野県水挽町は東京からも近いため、近年も移住者は増加傾向でごく緩やかに発展している。代々そこで暮らす巧とその娘・花の生活は自然のサイクルに合わせた慎ましいものだ。ある日、巧の家の近くでグランピング場を作る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりで経営難に陥った芸能事務所が政府からの補助金を得て、その設営を計画した。しかし、彼らが町の水源に汚水を排水しようとしていることがわかり、町内は動揺し、その余波は巧の生活にも及んでいく。

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製作:株式会社NEOPA/合同会社フィクティヴ
プロデューサー:高田聡
企画・監督・脚本:濱口竜介
企画・音楽:石橋英子
撮影:北川喜雄
録音・整音:松野泉
出演:大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁ほか
© 2023 NEOPA / Fictive
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