都会で自分の居場所を見つけられない主人公が故郷の山村“小森”に帰り、自給自足の生活をしながら生きる力を充電していく姿を、旬の食材を生かした日々の食事と共に描く

映画「リトル・フォレスト」(英題:little forest)

この度、第65回ベルリン国際映画祭の「キュリナリー・シネマ」部門に正式招待され、2月10日(現地時間)に「夏・秋・冬・春」の4部作のうち「夏」と「冬」の上映が行われ、主演の橋本愛さんと森淳一監督が参加しました。
リトルフォレスト舞台挨拶

そして上映後にはミシュランガイドで二つ星。昨年 German Cook of the Year に輝いたドイツ屈指の有名シェフ、Michael Kempf(ミハエル・ケンプ)氏が特別メニューを供するアフターディナーを堪能しました。

<現地レポート概要>

(1)舞台挨拶(上映前)
日時:2月10日(火)19:00~※現地時間/会場:Martin Gropius Bau
登壇:橋本愛、森淳一監督

200席のチケットは売り切れ。上映前にキュリナリー・シネマ部門を代表するトーマス・ストラック氏の紹介により、主演の橋本愛さんと森淳一監督が登壇。
④舞台挨拶・橋本愛
森監督からの作品紹介やエピソードに続き、橋本さんは、完璧なドイツ語で初の国際映画祭に参加したことに関する感謝と、日本の美しさを感じてほしい、というメッセージを伝え、大いに観客を沸かせました。

橋本愛さん ドイツ語で挨拶
Guten Abend. Mein Name ist Ai Hashimoto.・・・・・
Es ist mein erstes internationales Filmfestival außerhalb Japans.Ich fühle mich sehr geehrt, dass wir die Möglichkeit bekommen haben, …(中略)….Zum Schluss möchte ich mich aus ganzen Herzen bei allen bedanken.
Vielen Dank.
(日本語訳)
初めまして、橋本愛です。
私にとって初めての海外映画祭参加がこのベルリン映画祭という素晴らしい場所で、この映画を上映する機会をいただけたことを大変光栄に思います。ありがとうございます。そして、今日という日が私にとって忘れられない一日になることを実感しています。本作で日本の表情豊かな風景と、自然と共生しているからこそ生まれた食の魅力が伝われば嬉しいです。本当にありがとうございました。

上映終了後は、エンドクレジットが流れ始めると共に場内は大きな拍手が包み込み、改めて紹介された橋本さんと森淳一監督は観客からの熱い賞賛を受け、笑顔で答えていた。

(2)ディナー
日時:2月10日(火)21:30~※現地時間/会場:Gropius Mirror
出席:橋本愛、森淳一監督

公式上映後は、豪華レストラン「Gropius Mirror」に会場を移し映画を堪能した観客200名が来場。ドイツ屈指のレストラン「facil」のシェフで、ミシュランガイドにおいて2つ星を取得、ドイツの有名グルメ雑誌「ファイン・シュメッカー」において「German Cook of the Year」 に輝いたMichael Kempf(ミハエル・ケンプ)氏が「リトル・フォレスト」にインスパイアされて作った特別メニューが提供されました。
シェフ・ミハエルと橋本

ディナーを食べた橋本愛さんの感想
ディナーを食べる橋本ミハエルさんを中心にドイツ人シェフの方々が、「リトル・フォレスト」を見て、そこから趣向を凝らして一生懸命作ってくださっているのが、ものすごく伝わってきて、本当にありがたく感じました。

日本でよく食べる食材が、いつもとは違う味付けや形、組み合わせとなって出てきたのが面白く、ドイツではこのように調理されるのだろうか、ドイツ人の口にはどう感じられるのだろうか、映画をご覧になった方たちが、この料理を食べてさらに「リトル・フォレスト」を楽しんでくれているといいな等、色々と想像するのも楽しかったです。

どれもとても味わい深いお料理でした。

(3)トークセッション
日時:2月10日(火)23:30~※現地時間
会場:Gropius Mirror
登壇:橋本愛、森淳一監督
・ディナーと同じ会場で、トークセッションを行いました。
ディナーと同じ会場で、橋本愛さんと森淳一監督がトークセッションを行いました。
以下内容となります。
⑪トークセッション
MC:橋本さんに質問です。一年間で完璧なコックさんになれましたか?
橋本さん:まあ・・・そうですねえ。(笑)

MC:女優として、毎日本当にお忙しいかと思うのですが食事はどうされていますか?
橋本さん:地方ロケに行ったりすると、できるだけ現地のものを食べるようにしています。

MC:映画の中では、近代的で若い女性を演じられていますが、実際に山の中で生活をするのと、都会で生活するのとでは、どちらが良いですか?
橋本さん:昔は自給自足の生活にあこがれていたのですが、この映画の準備のために自給自足に近い生活をしたんですね。そうしたら、やっぱり都会がいいなと思いました(笑)。

MC:じゃあ、夢が遠のきましたね(笑)。続いて森監督に質問です。日本食は古い歴史を持っていますね。ですが、食事自体が映画の主題になっていることは少ない。この映画は漫画原作ですが、それはどういったモチベーションで作られたのでしょうか?
森監督:やはり新しいものを作りたい、という思いからですね。

MC:この原作となった漫画は、どのような読者を対象にしたジャンルの漫画なのでしょうか?
森監督:もともと青年誌に掲載されていた漫画なのですが、その後男女の別なく、幅広い年齢層に読まれるようになっていった漫画です。

MC:橋本さんへ質問です。食べるところを見られるということはとても抵抗があることだと思うのですが、この映画の中ではそのようなシーンがたくさん出てきますね。橋本さんにとって、食べるシーンを撮られることには抵抗がありましたか?
橋本さん:そうですね。食べているところを撮られることはそんなにないことなので・・・。撮影では美味しいものを美味しくたべることをいかに表現できるかということに重きを置いていました。

MC:森監督へ質問です。映画の中では大変調和した自然というものを見せていて、破壊するような自然、例えば自然災害のようなものは全く映っていません。この映画は、福島のそばで撮られたそうですが、その後日本では何か変化があったのでしょうか?
森監督:映画を撮影したのは岩手県で、福島の隣の県になります。映画を撮ったのは山の中なので、そこまで災害の爪痕は見えませんが、岩手県の海岸沿いではもちろん、まだ被害が目に見えるところもありました。

MC:この映画は、モダンな都市である東京を持つ日本の中の、新たな生活モデルと捉えて良いのでしょうか?
森監督:そうですね。東京の人は、食品がどこから来ているのか分かっていないことがあります、それを意識するためにも、もう一度原点に戻らなくてはいけないのかも知れませんね。

MC:ではこの映画には、ある意味、技術的で教育的な監督の願いが込められているのでしょうか?
森監督:そうですね。映画というものには、そういうメッセージもあるかもしれませんね。ですが僕は、日本の綺麗な景色、食などを見てほしい、という思いで撮っているので、そこまで強いメッセージは込めていませんが。

MC:日本の観客の反応はどうでしたか?
森監督:都会に住む人は、田舎の生活っていいなという感想でした。田舎の人は、自分たちの生活に対する自信を再認識できたとおっしゃっていました。

MC:この映画祭では、4部作のうちの「夏」と「冬」のみ上映しましたが、最後は一体どのように終わるのでしょうか?結末を教えてください。
橋本さん:最後の「春」で、私演じるいち子が一つの決心をする。その決心と映像のエネルギーがすばらしくマッチしていると思いますので…皆さん是非観てください!

MC:お母さんはどうなりますか?また登場しますか?
橋本さん:もちろん登場します。ぜひ観てください。

MC:ぜひ観てください!(拍手)

<舞台挨拶&ディナーを終えた橋本愛さんのコメント>

初めて国際映画祭に参加して、国境に関係なく、人と人として心を通わせることができたのかな、ということがすごく嬉しかったです。

舞台挨拶の時はすごく緊張してたのですが、会場のみなさんが温かい空気を作り出してくださったので、ドイツ語でのご挨拶もまぁまぁうまくいったかなと思います。あとは、私たちが撮影で一年間ずっと目にしていた、日本の岩手県奥州市の景色が、ヨーロッパのドイツの映画祭のスクリーンに映し出された瞬間にすごく感動しました。とてもいい体験をさせて頂きました。

舞台挨拶前に橋本愛さんがベルリンの街を観光・散策した模様はhttp://eigajoho.com/?p=25151
をチェック!

『リトル・フォレスト 冬・春』
2月14日(土)全国ロードショー!

『リトル・フォレスト 夏・秋』
DVD&ブルーレイ好評発売中!

公式サイト:littleforest-movie.jp

⑰BerlinalePalast前にて

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『リトル・フォレスト』
原作:五十嵐大介(講談社 月刊アフタヌーン所載)
監督・脚本:森淳一「重力ピエロ」「Laundry」
プロデューサー:守屋圭一郎「永遠の0」、石田聡子
出演:橋本愛、三浦貴大、松岡茉優、温水洋一、桐島かれん
主題歌:FLOWER FLOWER「夏」「秋」「冬」「春」(gr8!records)
配給:松竹メディア事業部

(C) 「リトル・フォレスト」製作委員会
  
  

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