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トークショー1月13日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、立川シネマシティ、アップリンク吉祥寺ほかにて再上映中の『戦場のメリークリスマス 4K 修復版』。1月14日(土) に樋口尚文 (映画評論家/映画監督)を迎えたトークイベントが行われました。 |
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樋口尚文登壇上映終了後、たった今鑑賞を終えた観客の盛大な拍手に迎えられ、樋口尚文氏が登場。老若男女で満員になった会場を見渡し、「朝10時の初回に来ているのは“戦メリ少女”転じて“戦メリシニア”ばかりかと思いきや、良い感じに若い方も多く感激しました」と公開当時を知らない年代のお客様も多くご来場されていることに触れ、おだやかなムードでトークショーはスタート。 しかしアメリカに赴いた大島監督はレッドフォードに「アート映画には出ない」と出演を断られることになる。しかしそれによってデヴィッド・ボウイの出演が決まり、さらに役者に専念したいというデヴィッド・ボウイに音楽を断られたことで坂本龍一の音楽が生まれたことについて言及し、「大島さんはあらゆるアクシデントをプラスに転化していく才能がある」と断言。 そのヨノイとセリアズのキスシーンについて、実は撮影に失敗していたが、コマを伸ばすことでスローモーションとして凌いだシーンだったという樋口氏が大島監督から実際に聞いた制作秘話が登場。日本国内での資金調達や、税制優遇制度のあるニュージーランドでの撮影決行など、七転八倒を経たのにも関わらず監督がいちばん撮りたかった瞬間の撮影に失敗したとなると、普通なら怒り狂うはずだ。しかし大島監督は、その失敗したコマをスローモーションに伸ばした 10 通りほどのシーンを、恐る恐る編集のスタッフに見せられ、怒るどころかなんと喜んだのだとか。「映画は企画から制作中まで、映画そのものがアクシデントと言えるほど思うようにいかないが、それをハッピーアクシデントに変えていくのが監督の度量。大島さんはアクシデントにめげたり起こったりせずチャンスに変える天才だった。映画の本質的なエッセンスの部分で映画的な人だった」と大島監督を絶賛し、トークは幕を下ろしました。 その後ロビーでは、樋口氏にサインを求める観客などで賑わい、トーク終了後も盛況のなか、イベントは終了しました。 |
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『戦場のメリークリスマス 4K 修復版』1月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次“最終”公開中 公式サイト: |
出演:デヴィッド・ボウイ、トム・コンティ、坂本龍一、ビートたけし、ジャック・トンプソン、ジョニー大倉、内田裕也
監督・脚本:大島渚 脚本:ポール・マイヤーズバーグ 原作:サー・ローレンス・ヴァン・デル・ポスト「影の獄にて」 製作:ジェレミー・トーマス
撮影:成島東一郎 音楽:坂本龍一 美術:戸田重昌
1983 年/日本=イギリス=ニュージーランド/英語・日本語/123 分/ビスタサイズ/ステレオ
協力:大島渚プロダクション
配給・宣伝:アンプラグド
©大島渚プロダクション