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公開初日トークイベント

1990年代、細眉、リップライナー、光と影を駆使して立体感を出す「コントゥアリング」などその革新的なモードメイクによって世界を席巻したケヴィン・オークインの生涯を追ったドキュメンタリー『メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー』の公開初日に、生前のケヴィンを知るRUMIKO(Amplitude クリエイティブディレクター / メイクアップアーティスト)と田辺ヒロシ(イラストレーター)がトークイベントに登壇し、ケヴィン・オークインについて語りました!
RUMIKO、田辺ヒロシ『メイクアップ・アーティスト』公開初日
公開初日トークイベント
会場:ホワイトシネクイント
登壇:RUMIKO(Amplitude クリエイティブディレクター / メイクアップアーティスト)、
田辺ヒロシ(イラストレーター)

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RUMIKO、田辺ヒロシ

映画のトークイベントの登壇は初めてというお二人。
冒頭RUMIKOが「大好きだったメイクアップ・アーティストのケ
ヴィンのこういうイベントに参加できることを本当に嬉しく思っています。」と挨拶。

ケヴィンとの関係について、RUMIKOは「ケヴィンと同じジェットルートというエージェントでやっていたので、クリスマスパーティーだとかで接していました」と話し、田辺は、「僕も同じエージェントだったんですけれど、僕が入った頃はもうケヴィンは辞めていていました。だけど、近所に住んでいたので、共通の友達に紹介してもらいました。RUMIKOさんに会ったのも、95年かそれより前に、チャンドラ・ノースっていう(本作のメインスチールでケヴィンにメイクをしてもらっている)モデルのパーティーです」と話した。

メイクアップ・アーティストとしてのケヴィンについてRUMIKOは、「ケヴィンは、素晴らしいアーティストで、メイクアップ・アーティスト以前に、クリエイティブなアーティスト。メイクを彼なりにクリエイトしていたので、彼みたいな人は二度と現れないのではないかと思います。」と大絶賛。RUMIKO、田辺ヒロシ登壇『メイクアップ・アーティスト』トークイベント

田辺も「僕もファッション業界にいたので、ケヴィンのメイクがすごいのは知っているんですけれど、それ以上に、一般の人にまで浸透させた彼のメイクのテクニックや本の出し方はすごいなと思いました。普通の人とは違うカリスマ性がありました。」と話し、RUMIKOは「あの時代、ダントツですよね。彼にメイクをしてもらうと絶対に綺麗になれるので、スーパーモデルもみんなケヴィンにメイクをしてもらいたがっていました。」と証言した。

ケヴィンの性格に関しては、RUMIKOは「チャーミングだし、優しいし、偉そうにしない」と話し、田辺も、「すごく背が高いから威圧感もあるんですが、いつもニコニコ話しかけてくれて、『服がかっこいいね』とか『イラスト見たよ、よかったよね』だとか褒めてくれるんです。」とエピソードを語った。

ケヴィンが成功した理由についてRUMIKOは、「ケヴィンは技術が素晴らしかったのと、隣にジャネット・ジャクソンを置くなど、自分を良く見せるのがうまかった。ケヴィンはエンターテイナーで、周りに気を使う人。向こうの女優さんはマネージャーさんを連れてこないで一人で来るので、メイクさんやヘアさんがいい人だと安心する」と、分析。田辺は、「今はテクニックはフォトショップだとかで補えたり誰かのモノマネっぽくやることは簡単なんですけれど、個性があった方がいい。ケヴィンは、それプラス社交性があった。ハリウッドやクライアントに好かれているというのがあったと思います」と話した。

ケヴィンが流行らせた極細眉についてRUMIKOは、「80年代はコム・デ・ギャルソンとかが主流になっていて、眉毛が太い、エッジーな感じだったんですが、それを続けていくと作る側は飽きてくるんです。『メイク、ヘアを変えてみようよ。眉毛を薄くしようよ、取っちゃおうよ』という時にケヴィンが細い眉毛にして、わーって注目を浴びたんです。ケヴィンは先駆者でした。スーパーモデルの眉毛を抜くというのは、ケヴィンには皆やらせていたけれど、そんなにやらせてくれないんです。ケヴィンなんかは、スタジオに行くと、まずモデルさんの眉毛を抜いて細くする。私はブリーチ剤を持って行って眉毛の色を抜く。」と驚きの裏話を披露した。

RUMIKOは一度だけケヴィンと海外のコスメティックのTVコマーシャルをご一緒したとのことで、「ナチュラルライトでメイクするのが好きじゃないみたいで、覗きに行ったら、部屋を真っ暗にしてやっているんです。」と仰天の証言をした。また、「(劇中ではケヴィンのメイクは)時間がかかると言っていたけれど、本当に速くやっていた。本当にメイクが大好きだとわかり、その仕事が終わった時に、より彼を尊敬しました。」と同時代から活躍していたRUMIKOだから話せるエピソードを語った。

RUMIKO、田辺ヒロシ登壇『メイクアップ・アーティスト』トークイベント
最後に本作について田辺は、「ケヴィンがやった革命的な何か、アーティスティックなところをもっと色んな人に見てもらいたいと思います。」、RUMIKOは、「よくできている映画だと思いました。色んな人のコメントはその通りだし、彼の素晴らしさをちゃんと表現できているすごくいい映画だと思いました。彼の生き方と仕事に対する情熱がみんなの心に残る映画だと思います。この映画を見て、彼をまた尊敬できる自分がいました。この映画に出会えてよかったと思います。」とメッセージを送った。

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ケヴィン・オークイン

『メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー』

10月7日(金)より渋谷ホワイトシネクイント先行公開

10月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか順次公開


渋谷ホワイトシネクイントでは10月7日(金) 16:50の回上映後に、生前のケヴィンを知るRUMIKO(Amplitude クリエイティブディレクター / メイクアップアーティスト)と田辺ヒロシ(イラストレーター)、10月10日(月・祝)12:20の回上映前にゆうたろう(俳優/モデル)、アップリンク吉祥寺では10月15日(土)に鎌田由美子(資生堂シニアヘアメイクアップアーティスト)、10月19日(水)に渡辺三津子(ファッションジャーナリスト/元VOGUE JAPAN 編集長)のトークイベント付き上映も決定している。

■HP:
@aucoin/ 

■Twitter:
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■Facebook:
@AucoinMovieJP/

1990年代、細眉、リップライナーが流行、そして光と影を駆使して立体感を出す「コントゥアリング」が爆発的に広まった。その革新的なモードメイクによって世界を席巻したのは、21才の若さでレブロンのULTIMAのクリエイティブ・ディレクターとして起用され、資生堂ブランドINOUIの全盛期のクリエイターだったことでも知られる天才メイクアップ・アーティスト――ケヴィン・オークイン。しかし、頂点を極めた彼は、頭痛と共に精神的苦痛に長年悩まされ、鎮痛剤の中毒で2002年に40際の若さで突然の死を遂げる。

本作では、時代を作ってきたケヴィンが、飾りすぎることを認めない風潮だった時代につけまつげを使ったり、極細眉を流行らせたり、全世界で2000万枚を売り上げたジャネット・ジャクソンのアルバム「Janet.」のジャケットの撮影をした際の裏話を紹介するほか、ケヴィンが多様性を意識し、”典型的な若い美人”とは違ったライザ・ミネリのメイクや、ブルック・シールズらに男装させる性差をも超えるメイクで、美の固定観念に挑戦していた姿も紹介。
CFDAファッションアワードのベスト・メイクアップ・アーティスト賞を史上初めて受賞したほか、著書がベストセラーになったり、「セックス・アンド・ザ・シティ」に本人役で出演するなど輝かしい功績を残した一方、保守的なルイジアナで同性愛差別に遭ったり、末端肥大症による鎮痛剤中毒で苦しんでいた影の部分にも迫る。
2022/09/16 19:09 メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー

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監督:ティファニー・バルトーク
製作総指揮:ジャック・ターナー、ジェイ・ピーターソン、ボビー・コンドラト、トッド・ルービン
撮影:アンドレス・カル
編集:エズラ・ピーク
音楽監修:ロバート・カパドナ
オリジナル音楽:スコット・ドハティ、ウィル・ゴールデン
出演:ケイト・モス、リンダ・エヴァンジェリスタ、ナオミ・キャンベル、シェール、イザベラ・ロッセリーニ、ブルック・シールズ、ほか
アメリカ/2017年/102分/英語/原題:Larger Than Life: The Kevyn Aucoin Story/字幕翻訳:額賀深雪
©2017 Mr. Valentine LLC

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