ニッポン・コネクション日本映画祭閉幕永瀬正敏氏「ニッポン名誉賞」受賞 // 審査員賞は型破りの高校ドラマ // 観客賞は心温まる家族ドラマ、二人の障がい者をめぐる愛の物語、日本に住むクルド人難民のドキュメンタリー 5月29日にKünstlerhaus Mousonturmで授賞式が行われ、今年の映画祭は閉幕しました。 今年の「ニッポン名誉賞」は俳優の永瀬正敏氏に贈られ、同氏は日本からの生中継で式に参加しました。第6回目となるこの賞は、日本映画界に特別な功績を残した人物に贈られます。同志であるジム・ジャームッシュ監督からはサプライズでビデオメッセージが寄せられました。永瀬氏は今年の映画祭プログラムでは、『カツベン!』、『ある船頭の話』、『星の子』、『二人ノ世界』、『茜色に焼かれる』、『ミステリー・トレイン』に出演しました。 今回で12回目となる本賞は、日本映像翻訳アカデミー(JVTA)の後援により、次回作品への字幕が提供されます。本部門のスペシャル・メンションには、工藤梨穂監督の『裸足で鳴らしてみせろ』が選ばれました。審査員は、その繊細で独特、かつ流麗な物語、そして音響、編集、演技指導の巧みさを強調しました。また、3つの観客賞も授与されました。フランクフルトのメッツラー銀行後援で2,000ユーロの副賞が贈られる「ニッポンシネマ賞」は、心温まる家族ドラマ『浅田家!』に決定しました。中野量太監督は一風変わった演出で家族のポートレートを撮る写真家・浅田政志氏の写真集にインスパイアされ、メガホンを取りました。 「ニッポン・ドックス賞」の受賞作品として観客が選んだのは、ドキュメンタリー映画『東京クルド』です。当映画に主演する青年たちは、日本に暮らす約二千人のクルド人の2人です。長年、難民として認められず、オザンとラマザンは労働許可、修学、普通の生活を願いながら生きています。日向史有監督は、日本の厳格な難民政策に対して心打つコメントを発しました。1,000ユーロが賞金として与えられる本賞は今年で3回目の授与となります。 第8回「ニッポン・ヴィジョンズ観客賞」を受賞したのは、藤本啓太監督の『二人ノ世界』です。事故により首から下の自由を失った俊作と盲目のヘルパー華恵の濃厚なラブストーリーは、京都芸術大学の学生達が製作しました。主役は「ニッポン名誉賞」受賞俳優の永瀬正敏氏です。フランクフルト日本文化普及センターをスポンサーとする当観客賞の受賞監督には1,000ユーロの賞金が贈られます。 ニッポン・コネクション・オンデマンドのストリーミング提供に加え、NHK WORLD-JAPANの協力により、テレビドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』と『心の傷を癒すということ』が6月30日まで無料で視聴することができます。また、ホームページNipponConnection.comでは、バーチャルな「Nippon Online Market」が引き続き開催されています。限られた期間中、日本の食品や書籍、映画、自転車など、幅広い商品を出展しています。 さらに、プログラム重点テーマ「Stories Of Youth – Coming Of Age In Japan」のもと、映画祭で上映された複数の作品が、ライン・マイン地域で今後数ヶ月にわたり上映される予定です。上映日程は映画祭ホームページNipponConnection.comにて随時発表されます。 |
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映画祭について日本映画祭「ニッポン・コネクション」は約70人のボランティアを中心としたチームからなるNPO法人「ニッポン・コネクション」により運営されています。2000年の映画祭発足以来、日本映画に関する世界最大のプラットフォームへと、またヘッセン地方における最大級の映画祭となりました。 |