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『オードリー・ヘプバーン』トークイベント

ドキュメンタリー映画『オードリー ・ヘプバーン』を5月6日(金)より劇場公開いたします。永遠の妖精と呼ばれ、美の概念を変えた革新的な存在でスターとしての名声を得たオードリー。世界中から「愛された」彼女は一方、実生活では愛に恵まれなかった。多くの悲しみと孤独を抱えながらも、「人生の最後に、自分のことを好きになれた」と語る彼女の本当の姿とはー。今解き明かされるオードリーの生き方は、きっと、あなただけの幸せを見つけてくれる。

この度、本作の試写会が4月26日(火)に都内で開催され、上映前にはエッセイストの犬山紙子とパーソナルスタイリストの大日方久美子によるトークイベントが行われた。あわせて、29日(金)から放映予定の15秒TVCM映像が解禁となります!!

『オードリー・ヘプバーン』トークイベント
日程:4月26日(火)
会場:月島 ブロードメディア・スタジオ試写室
登壇:犬山紙子(エッセイスト)・大日方久美子(パーソナルスタイリスト)

映画情報どっとこむ ralph 犬山さんは映画を観て、オードリーの印象が変わった部分も多かったそうで「世界中から愛されていた女性という印象でしたが、何よりも愛に飢えていたんだなと。この映画を観て、初めてオードリーを身近に感じたし、誰が見ても身近に感じられると思います」と語る。

大日方さんは、初めてニューヨークを訪れた際にティファニーに足を運び「ここにオードリーが立ってたんだ!」と感慨にふけったというが、映画を観て「『オードリーも私と大差のない普通のひとりの人間だったんだ』という印象を持ちました。前半は、美しさに息をするのを忘れてしまうくらいでしたが、後半に進むにつれて、『心から愛されたい』ともがいて、掴もうとして、それでも掴めなかった哀しみを感じました。人生はオードリーも私も平等に公平に幸せと不幸があって、彼女は一番求めたものを最後まで手に入れられなかった。でも、もらえなかったからこそ、痛みや哀しみを愛にかえて、みんなに降り注ぐという、その行動が彼女を強烈に『美しい』と思わせるんだなと思いました」とふり返った。『オードリー・ヘプバーン』トークイベント

犬山さんは、大日方さんの言葉に同意し「美しい方はたくさんいますけど、なんでここまでオードリーの魅了されるのか? “内面の美しさ”ということがよく言われるけど、その解答がこの映画にあると感じました。オードリーの晩年の美しさ――人って行動と共に美しく年齢を重ねるんだなと。私が、オードリーが一番美しいと感じたのは、ユニセフ大使として支援をしている姿でした」と深くうなずいた。

犬山さんは、オードリーの印象的な言葉としてユニセフの大使として世界中を飛び回っていた頃に語ったという「時間をかけてでも、人道的支援を政治化する代わりに、政治を人道的に変えるのが夢だ」という言葉を紹介。「政治が人道的でなくてどうする? という訴えであり、個々人のアクションは尊いけど、そもそも政治がやるべきという訴えです。この指摘が、(彼女の没後約30年が経つ)いまでも響く現状が哀しい…」と語った。

犬山さん自身、虐待児童を支援する「こどものいのちはこどものもの」というボランティア活動をはじめ、様々な社会活動に力を入れているが「政治が動くトップダウンと個人が動くボトムアップの両方が必要です。この映画を観て、寄付のアクションを起こす人が増えると思います。ちょっとした寄付で助かる命があります」と訴える。

大日方さんは、オードリーの「愛とは行動なのよ」という言葉を紹介。大日方さん自身も、虐待されている子どもや親たちを支援する活動や保護犬の活動を行なっているが「私はできる時は寄付をしたり、足を運んでボランティアをするようにしています。『私には何もできない』と言う人が多いけど、寄付が全てじゃないし、寄付することが偉いわけでもない。行動に移すことが大事だと思います。お金があっても時間がないなら寄付すればいいし、時間はあるけどお金がないならボランティアをして時間を寄付すればいい。時間もお金もなくても、経験と知恵と優しさがあるなら、それをシェアしてほしい。何もできない人なんて一人たりともいないと思います」と呼びかけた。

こうした活動について、犬山さんも大日方さんも動機はあくまでも「自分のため」と語る。犬山さんは「私は自分の心が苦しい時に寄付するようにしています。しんどい時にそうすることで『こんな私でも生きていていいかも』と思えたりします。オードリーも自分の寂しさを、誰かを愛すること、子どもたちを愛することで癒していたというのが映画で描かれます。自分に自信がなく、生きていていいかわからない中で、こういう活動をすることで、自分を肯定できる。美しい動機ではなく、自分のためです」とその真意を説明する。

大日方さんもその言葉に同意し「私も自分がやりたいからやっています。『できる時に、できることをできる人がしよう』というモットーで、できることを途切れることなく絶えず、一歩ずつ続ける――それがたぶん、自分が生きる意味だと思っています」と語った。

また、20代で突如大スターとなったオードリーが、出産や育児を機に女優業を休むという決断をしたことについて、大日方さんは「強いなと思います。自分だったら『これを手放したら、二度と戻れないんじゃないか?』と思ってしまう」と語り、犬山さんも「私も妊娠したとき、産後に復帰したいと考えていたけど、産休が明けたら仕事がないんじゃないか? と不安でした」と明かす。

犬山さんは「オードリーはきっと、お父さんへの寂しさ、愛への渇望が家族への憧れに、見捨てられることへの不安が彼女を家庭に向かせたのかな? 子を持とうと思った人が、どうしたいか選択できる状況が大切。それができる状況であってほしいけど、オードリーはそれをあの時代にハリウッドでやってのけた。とてつもない意志の強さだと思います」とオードリーの選択を称えた。『オードリー・ヘプバーン』トークイベント

コロナ禍、そしてウクライナで起きている悲劇と、他人に“愛”や優しさを与えるという気持ちの余裕さえなかなか持てない現代だが、こうした現況について、犬山さんは「うちの子どもが『イッツ・ア・スモールワールド』で「世界はひとつ」と歌うんですけど、大人としてはふがいない気持ちです。世界は戦争をしてるし、ひとつじゃない…と罪悪感を感じます。オードリーも『罪悪感がある』と語っていました。こんな社会で何ができるか? と無力感を感じてしまいますが、だからこそオードリーの活動は尊い。本当は彼女が活動しなくていい世の中が望ましいけど、そうじゃない現状がある。そこで声を上げること、政治を声で動かすことが大事だと思います。ウクライナの現状を見越して作られたわけじゃないけど、いま一番必要な映画なんじゃないか? いまこそオードリーのメッセージが一番伝わるときなんじゃないか?と思います」と呼びかける。

大日方さんは「私自身、決めているのは、人を幸せにするとか、愛を与える大前提として、自分を一番大切にしようということ。自分への愛を忘れず、自分を愛おしく大切にしようと。それができた上で、やっと人に優しさや愛を出せると思います」と他人に愛を与える前に何より自分を大切にすることの重要性を訴えた。

トークの最後に犬山さんは、オードリーが歌う「ムーン・リバー」、そして彼女が自身のコンプレックスについて語るシーンを見どころのポイントに挙げつつ「ぜひオードリーを身近に感じて、自分の中の小さな変化を大事にしてほしいと思います」と語りかける。

大日方さんは「息をするのを忘れずに(笑)」と語り、もう一度オードリーが発した「愛とは行動なのよ」という言葉に言及。「みなさんなりの受け止め方で、(この言葉を)心にスッと心に入れて、帰っていただき、それぞれの愛のある行動をしていただければ、それだけで、自分が豊かな気持ちになる瞬間を感じられると思いますので、ぜひ行動に移していただければ嬉しいです」と呼びかけ、トークイベントは幕を閉じた。

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15秒TVCM映像解禁

あわせて、29日(金)から放送予定の15秒TVCM映像が解禁に。美しく、華やかな女優としてのオードリーの姿が映し出された直後、「無条件で愛するだけよ」という言葉とともに優しい表情で子供を抱きかかえる姿が。晩年、ユニセフ親善大使として人生を捧げたオードリーの人生がいま、解き明かされる。

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『オードリー・ヘプバーン』

原題:“Audrey”

は5月6日(金)TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマ他全国ロードショー。

公式サイト:
https://audrey-cinema.com

公式Twitter:
@audrey_cinema

ストーリー
幼少期に経験した父親による裏切り、ナチス占領下のオランダという過酷な環境で育った過去のトラウマ、奪われたバレエダンサーへの夢、幾度の離婚…劇中では、過去の貴重なアーカイブ映像とともに、近親者によって語られるインタビューによって、これまで隠されてきたオードリーの一人の女性としての姿が描き出されていく。晩年は、ユニセフ国際親善大使として自身の名声を善のために尽くし、慈善活動を通して大勢の人たちに癒しと救済をもたらした。本作では、リチャード・ドレイファスやピーター・ボクダノヴィッチ監督ら俳優時代の仲間、そして息子や孫、家族ぐるみの友人など、プライベートに迫るインタビュー映像、貴重な本人の肉声によるインタビューがふんだんに盛り込まれ、愛情と寛容の力の証として存在する、極めて特別なひとりの女性の姿を、鮮やかにスクリーンによみがえらせている。オードリー・ヘプバーン

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監督:ヘレナ・コーン
キャスト:オードリー・ヘプバーン、ショーン・ヘプバーン・ファーラー(オードリーの長男)、エマ・キャスリーン・ヘプバーン・ファーラー(オードリーの孫)、クレア・ワイト・ケラー(ジバンシィの元アーティスティックディレクター)、ピーター・ボクダノヴィッチ(アカデミー監督賞ノミネート)、リチャード・ドレイファス: アカデミー賞受賞俳優 (『アメリカン・グラフィティ』、『ジョーズ』)他
振付:ウェイン・マクレガー
バレエダンサー:アレッサンドラ・フェリ、フランチェスカ・ヘイワード、キーラ・ムーア
100分/2020年/イギリス/5.1ch/ビスタ/字幕翻訳:佐藤恵子
配給:STAR CHANNEL MOVIES 協力:(公財)日本ユニセフ協会
© 2020 Salon Audrey Limited. ALL RIGHTS RESERVED.
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