鈴木宗男登壇 北方領土問題『クナシリ』
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鈴木宗男登壇北海道からわずか16キロに位置し、かつては四島全体で約17,000人の日本人が生活していたという北方領土。しかし、戦後の1947年から48年にかけて引揚が行われ、今日本人は一人もおらず、日本政府は問題が解決するまで、日本国民に入域を行わないよう要請している。戦後76年を経て、現在の国後島の様子をありのままに映し出した本作から見えてきたのは、ロシア人島民の厳しい暮らしぶりや日本に対する本音。幼少期に強制退去の様子を目の当たりにした島民の当時を振り返る貴重な証言や、日本・ロシア間の平和条約締結への願い、生活苦を訴える切実な声などを、どちらにも偏ることなく客観的かつ淡々と捉えている。両国の主張が膠着状態のまま政治に翻弄されてきた当事者たちの複雑な心境や実際の生活など、これまで我々が知らされることのなかった国後島の<真実>が明らかとなっている。 上映終了後、たった今鑑賞を終えた観客の盛大な拍手に迎えられ、鈴木宗男氏が登場し、トークショーがスタート。まずは、今まで明かされなかった国後島の現実をありのままに映し出した本作について、度々国後島を訪問している鈴木氏は「国後島の生活状況がよく映されている。映画の通りです」とコメント。 また映画でインタビューされていた島民についてもよく知る人物だと明かし、「劇中で語られる島民の声がロシア人の共通認識だろう」とコメント。そして話題は、安倍政権下でのロシアとの領土交渉に関して。「映画にも出てくる2018年のシンガポール合意が一番現実的である。解決はこれしかない」とした。 さらに「1万7千人いた元島民はすでに1/3に減ってしまった。さらに平均年齢は87歳。故郷を捨てざるをえなかった島民たちの、1島でも2島でも返してほしい、という思いを国益の観点からまとめあげていきたい」と任期中の北方領土問題解決についても熱く語り、大盛況の中トークは幕を下ろしました。 |
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映画『クナシリ』シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開中 公式サイト: |
監督・脚本:ウラジーミル・コズロフ
撮影:グレブ・テレショフ
製作:デヴィッド・フーシェ
2019年/ドキュメンタリー/フランス/74分/5.1ch/ビスタ
日本語字幕:松永昌子
配給・宣伝 アンプラグド
©Les Films du Temps Scellé – Les Docs du Nord 2019