愛なのか、憎しみなのか、もはやその区別さえ失ってしまった境界線に生きる男女の物語は、多くの映画作家により綴られてきた。 その線上に位置づけられることになるであろう『愛のまなざしを』は、女の愛の強靭さを見抜き、その覚悟を見せつける、強烈な愛の物語となった。 11月12日(金) に渋谷ユーロスペース、11月13日(土) に池袋シネマ・ロサ及び渋谷ユーロスペース、11月14日(日) に渋谷ユーロスペース、キネカ大森、横浜のシネマ・ジャック&ベティにて舞台挨拶が決定。詳細は、映画の公式SNSで発表される。 公開を前に、蓮實重彦(映画評論家)、秋吉久美子(女優)、濱口竜介(映画監督)、横浜聡子(映画監督)、真魚八重子(映画評論家)、三宅唱(映画監督)、二ノ宮知子(漫画家)、中原昌也(ミュージシャン・小説家)から推薦コメントが届いた。 ヤバい女に関わるな!例えそれが仕事だとしても、、。ミイラ(患者)にハンドリングされるミイラ取り(精神科医)。血の滴る心理ゲーム。見終わってからも脳がストーリーを反芻し、痺れ続けた。 亡妻を演じる中村ゆりの台詞が屹立している。これは罪悪感に苛まれる仲村トオルの幻影であり、言葉は彼自身の潜在意識が与える責め苦としてあるが、一方でこれは(おそらく)万田珠実の手による台詞であり、それを万田邦敏が受け取り演出している。結局、言葉は「男のもの」「女のもの」「誰のもの」という所有を離れた場所で響き、誰の胸にも痛いほど突き刺さる。最高だ。万田映画だ。やがてこわれゆく仲村トオル、必見! 己を激しくぶつけ合う登場人物たちの姿が、はじめは苦しかった。互いに補い殺し合いだんだんと消えていく己に代わって、いつの間にか彼らの間に生まれていた不思議な秩序に、最後はなぜだか安らぎを覚えた。 情念の言葉と、情念を押し殺す演出。そしてそれが、万田夫妻の映画を芸術たらしめている理由である。 二人の出会いの場面が気になる。二人以外の人物たちのまなざしも気になる。いやそもそもファーストカットからして気になる! 現実なのか精神世界なのか。本当なのか嘘なのか。みんな誰かを愛してるし憎んでいる。絵画を見ていたら、いつの間にか中の世界に引き込まれていて、出口がわからなくなった人みたいになって楽しんだ。 こんな時代とはいえ、陰険過ぎる世界に爆笑してしまいそうになり…笑えないのはこれが醜悪過ぎてリアルな恐怖映画だから…だが、この作品に登場するすべての人々が純然たる「愛」に満ちた万田監督の優れた演出によって目の前に存在しているのだと気づいてからは、世界が美しくて逆に最後の最後まで涙が止まらなくなった。 |
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『愛のまなざしを』公式HP: Twitter:
妻を亡くしたことで、もう二度と誰も愛せないと思いつめ、生と死のあわいを彷徨うように生きる精神科医の前に現れたのは、彼を救済するかのような微笑みをたたえた女だった。堰を切ったかのように女に溺れていく男、愛を求め続けても誰からも返されることなく孤独の果てを彷徨ってきた女。二人はそれぞれの日常を捨て、激しく求めあう。しかし、女には別の顔が存在した…。男が信じた愛は、そこに確実に存在したのか。そしてそれは「愛」そのものであったのか――。 |
仲村トオル 杉野希妃 斎藤工 中村ゆり 藤原大祐 万田祐介 松林うらら ベンガル 森口瑤子 片桐はいり監督:万田邦敏 プロデューサー:杉野希妃 飯田雅裕 エグゼクティブプロデューサー:市橋浩治 五老剛 小野光輔 佐藤央 有馬一昭 長嶋貴之
コエグゼクティブプロデューサー:阿部毅 小金澤剛康 コプロデューサー:阿部正彦 アソシエイトプロデューサー :小川貴弘 江守徹 高藤丈也 富澤豊 脚本:万田珠実 万田邦敏 ラインプロデューサー:金森保 撮影:山田達也 照明:玉川直人 録音:弥栄裕樹 小牧将人 美術:北地那奈 音楽:長嶌寛幸 編集:万田邦敏 小出豊 助監督:張元香織
記録:小出豊 衣裳:小松沙和 メイク:藤原玲子 アシスタントプロデューサー:松林うらら
制作:柴野淳 本間幸子企画・制作協力:和エンタテインメント
制作:キリシマ1945 配給:イオンエンターテイメント 朝日新聞社 和エンタテインメント製作:「愛のまなざしを」製作委員会(ENBUゼミナール 朝日新聞社 和エンタテインメント ワンダーストラック イオンエンターテイメント はやぶさキャピタル)
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